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邪教徒の町

 

「ここは始まりの町? ……じゃないよな」


 気がつくと俺は村と町の中間くらいのサイズの町にいた。

名称は「黒の隠れ里」どう見ても始まりの町ではない。

どうなってんだ? いきなりバグか?


 ふとガラスに映った自分を見た。

髪も目もいじってないので黒だが、体までやや黒みがかっている。

種族の特徴かと思いステータスを確認すると、そこには


種族 悪魔デーモン  ランク 下級悪魔レッサーデーモン


と、あった。なにこれ?



 どうやら俺はランダム種族でジョーカーを引いてしまったようだ。

なにしろ全ステータスがバランス良く高く、総合数値は基本種族の倍以上だ。

はっきり言って反則的に強い。

まあ、ここは幸運をかみしめ受け入れよう。

ラッキー。

……あとでとんでもないデメリット見つかったりしないよな?


 次は初期装備と初期スキルだ。

スキルはログイン直後に基本的なものを10個教えてもらい、その後は購入、クエスト報酬、戦闘報酬、スキルのランクアップ、他スキルとの複合などで増やしていく。


 悪魔はオールラウンダーだが、初期では若干魔法のほうが高い。

さて、タダでもらえるスキル10個か。

俺は


魔法 火、水、風、土、氷、雷、闇


槍術 アナライズ マッピング


を選んだ。


 もっとバランス良く取るべきなのだろう。

だが俺はこの悪魔という種族がどんな種族なのか、何ができるのかを調べてみる事にしたのだ。

まずは戦闘における適性から。

他のスキルは後で買えばいいだろう。

多少の無理は腕でカバー、俺にはそれができるはず。

失ったはずの情熱の炎が再び胸に燃え盛るのを俺は感じていた。



 武器屋で「初心者の槍」というそのまんまな武器を手にした俺は町の散策を行った。

その結果解ったことは


1つ、俺以外のプレイヤーはいない


2つ、一通りの設備はそろっている


3つ、ここは邪神崇拝者達の町であるということ


だった。


 邪神ね。

悪魔の俺には関係ないようだが、他のプレイヤー来たらどうなるんだろうな……。

村人が襲いかかってきたりするんだろうか。



 町の散策を終えた俺は周囲のフィールドを見て回ることにした。

目立つものは2つ、町の東の湿地と北から西にかけて広がる森だ。

名称は「淀みの沼地」と「死霊の森」。

思わず気分が萎えそうになる。

ソレ系が苦手なプレイヤーにはキツそうだな。

どうでも良いが、周囲がこれじゃ町の連中どうやって暮らしてんだろう。

ゲームだから平気なのかね。


 RWOは今のところメインとなるクエストは存在しない。

点在するダンジョンをクリアし、様々なクエストを達成していくことが当面の目的となる。

でも、ここには冒険者ギルドみたいなのは無いんだよな。

まずは薬草採取から、とか勝手に考えていたんだが。


 俺も明日から森か湿地に行ってみようかな。

偵察しているうちに、すでに日は沈んでいるし。

いくら俺でもいきなり夜に、いかにもアンデッドの出そうな所へ単身突撃は無謀だ。

日が昇ってから正々堂々相手になってやろう。


 とりあえず食事取って宿屋に泊って寝た。

初心者救済のためか宿は無料だ。

うむ、明日が楽しみだ。

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