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ボス攻略

 殿の俺は一番最後に部屋に飛び込む。

プレイヤー達は10人ずつに分かれてそれぞれの敵に向かって行く。

俺の相手はストーンゴーレムだ。

4mはある。

これだけのサイズの敵はトレント以来だ。


 作戦通り魔法による先制攻撃が始まる。

MPが切れたら近接戦闘に変更し、魔法使いはMPポーションを使う。

それを繰り返す堅実な作戦だ。


 だが、これだけのサイズなら……


「魔法で上半身、武器で下半身を狙おう!」


 他のメンバーは一瞬顔を見合わせるがすぐ了解する。

俺は中級炎魔法【ファイアランス】を顔面に打ち込み、よろけた隙に接近する。

重心の変化を観察し、負荷のかかった部分を石突きで撃ちすえる。


「【ヘビースイング】!」


ガギン


 重い衝撃。

さすがに一撃では無理か。

だが、ゴーレムは魔法攻撃に気を取られている。

攻め放題だ。


 やがて狙い続けた何カ所かに亀裂が入る。


「ヒビを狙うんだ!」


 ここぞとばかりに攻勢を強める。

しかし、そこで魔法が途切れる。

MP切れだ。

俺は距離をとると魔法攻撃を開始した。

一人でも気を引くくらいはできる。


 やがてヒビは大きくなり、ゴーレムの下半身は崩壊した。

うつ伏せに倒れたゴーレムに抵抗する手段は無くなった。


「よし。まず一体」


 打ち合わせ通りメンバーは散って他のグループに合流する。

俺はゴーレムの足を破壊して回る。

ほどなく最後の一体の足が破壊されるのを確認した。

こうなれば後は掃討だ。

 

「ボスは……」


 見るとボスのガーゴイルのHPは約半分。

魔法部隊はMP回復中だ。

振り回される爪と尻尾をある者は防ぎ、ある者は避ける。

順調のようだ。


 俺も魔法部隊に参加しようと考えてMPポーションを使う。

その時気付いた。

HPが半分を切ってから、ボスの目の赤い宝石が徐々に光り始めていることに。


「まずい……」


 おそらく何かの特殊攻撃の前兆。

しかし前衛は近すぎて気付いていない。

そして、魔法部隊の回復が終わり、前衛が下がろうとした瞬間


ドゴォ


 ボスの両腕が地面に叩きつけられ、ボスを中心に衝撃波が走った。

前衛は防御も回避もできずに吹っ飛ばされ、後衛も体勢を崩して混乱する。

広域攻撃か、まずいな情報に無かった技だ。


 俺は急いで前衛とボスの間に駆け込み追撃を防ぐ。

HP減少による攻撃パターンの変化は予想されていたからな。

メンバーもすぐに体勢を立て直すだろう。

目の光は消えている。連発はできないようだ。


「足止めする。体勢を立て直せ!」


 叫ぶと返事を聞かずにボスと向き合う。

とはいえ、一人は無謀か。

さすがにこいつは少々分が悪い。

さすがエリアボスってことか。


「コール ネクロス」


 ストーンゴーレムはすでに全滅している。

おそらく、全魔法部隊の一斉攻撃を加えればボスは倒せる。

問題は準備が整うまでの数分間。


「さあ、相手になってやる」


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