顔合わせ
『蛇の谷』、『オークの集落』をクリアして町に戻ってきた。
スキルアップにいそしむプレイヤーが結構いたので、使い魔は呼ばなかった。
久しぶりの一人だったが、狩られまくっているので雑魚は少ないし、ボスも人型の『スネークマン・ロード』と『オーク・キング』だったのでタイマンで倒した。
単独撃破報酬は『スネーク・アーマー』と『ビースト・メイル』。
ブロンズより丈夫だったのでスネーク・アーマーは自分、ビースト・メイルはネクロスが装備した。
町の広場でレイド参加希望者を募っているという話を聞き行ってみる。
おお、こいつらがトッププレイヤー達か。
まあ、装備はわりといいな。
しばらくすると台の上に4人の男女が現れた。
なるほどこいつらが……
「みなさん、今回は我々の呼び掛けに応じてくれてありがとう。『血の棺』のレイです」
赤い目に白髪ロングの兄ちゃん。
彼がヴァンパイアか。
穏やかで丁寧な印象だ。
「『パンテオン』のルーシアです。知っての通りレイドの人数は50人。みんなの中から18人を選ばせてもらうわ」
金髪に金眼、白い翼に頭上の輪っか。
まんま天使の恰好の少女。
緊張しているのか少し硬い。
すでに、4つのギルドから8人ずつ選抜してあるらしい。
「『ビーストロア』のダムドだ。テストは単純。俺らの選抜メンバーと試合をしてもらう」
頭に竜の角がある少年。
ドラゴノイドだな。
ガキ大将的な雰囲気だが、背伸びしている印象がある。
町中での戦闘はシステム的に不可能だ。
攻撃しても障壁に阻まれ当たらない。
だが試合、いわゆるデュエルは自由だ。
商品を賭けることもできる。
「その前にダンジョンの調査結果を説明するねー。あ、『ティルナノグ』のティーアだよー」
背中に2対の翅のある女性。
ニンフか。
おっとり系のようだ。
初めてみる4人のギルドマスター。
実力はどうなのだろう。
そんなことを考えているとダンジョンの説明が始まった。
「ダンジョンのボスは3mほどの動く悪魔像。いわゆる『ガーゴイル』です」
「しかもお共に4体も『ストーンゴーレム』がいるのー」
「雑魚も『リビングアーマー』や『リビングソード』、『ウッドゴーレム』なんかの魔法生物だ」
「特殊攻撃は有りませんが、とにかく攻撃力と防御力に優れています」
「魔法は普通に効くよー」
「武器は鉄以上が望ましいな。タンクの防具もだ」
「大人数で行動しますから大型の従魔は連れて行けません」
なかなかよく調べている。
だてに時間をかけていない。
「では、選抜に移りたいと思います。今の説明を聞いて無理そうだと思った方は辞退していただいて結構です。ボス戦は今回だけではないですしね」
ようやくか。
さて、トップギルド選抜の実力はどんなもんなのかな。




