フィールド制覇へ
俺は自重はしたが、立ち止まらなかった。
ソロはリスクは高いが、経験値が集中するので戦闘スキルの上昇は速い。
あっという間に近場のフィールドはやり尽し、ギルドランクもDDだ。
オークションに売り出したアイテムは、予想外に高かった。
特に防毒の首飾りは市販の倍以上の値になった。
出所を探す動きもあったようだが、システム上不可能だ。
仮に教えたとしても、今のところ俺以外はあそこには行けないだろう。
犯罪プレイヤーも積極的に倒した。
彼らのデスぺナはそのままこちらの収入だ。
賞金も出る。
文句があるなら初めから悪さするな。
現在のフィールドは制限がかかっていて、一定以上はループして進めない。
後2つダンジョンをクリアすると、一周り広い第2エリアが解放されるらしい。
残りのダンジョンは『スネークマン』達の住処の『蛇の谷』、もう1つは『オークの集落』だ。
『蛇の谷』の『スコーピオン』、『オークの集落』の『キラービー』が毒持ちらしい。
どちらも小さく、スネークマンやオークと戦っているところをチクリとやられるようだ。
だから、防毒の首飾りが人気だったのか。
トップギルドの動向としては、
『蛇の谷』はヴァンパイア率いる『血の棺』と天使率いる『パンテオン』が攻略中だ。
『オークの集落』は妖精種中心の『ティルナノグ』と獣人種中心の『ビーストロア』が挑んでいる。
後者の2ギルドは初期が上位種族だったプレイヤーが、強敵だらけのフィールドを抜けるために手を組んだのが始まりらしい。
ハイ・ヒューマンは普通に始まりの町からだったようだ。
ヴァンパイアは町はずれの墓地、天使は聖堂からのスタートだったとか。
『妖精の集落』周囲の『妖樹の森』、『獣人の集落』周辺の『月夜の森』どちらも現在の最前線より敵が強く、まだクリアされていないらしい。
だが、俺の開始フィールドと同じくらいの難易度だとすればクリアできる。
「人に見られるとやりにくいからな。そっち行ってみるか?」
行き方は公開されているが、そこの素材はほとんど出回っていない。
結構な値で売れるだろう。
誤解の無いよう言っておくが、別に俺は守銭奴ではない。
ただ、めぼしいスキルは購入しているが、まだそろってはいない。
そして、忘れてはいけないのは従魔だ。
最前線は結構遠い。走って行くにはスタミナが続かないのだ。
足が無いと時間がかかってしょうがない。
レンタルもできるが、ぜひ自分のが欲しい。
『テイム』は購入済み。
後は資金のみというわけだ。
「まずは『妖樹の森』にしよう」
いかにも火が効きそうだ。【ブレイズ】の餌食にしてやろう。
目的地は少し遠い。
『妖精の集落』に付いたら宿も取った方がいいかな。
やたらと広くて時間がかかるとかあるかもしれないし。




