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チュートリアル

  教授からの依頼を快諾した俺は渡された書類を読んでいた。

書類はRWOのマニュアルだ。


「レベル無しのスキル制ね……」


 RWOはほぼすべての行動に対応するスキルがあり、何かをするとスキル経験値となる。

スキルが上がるとステータスが上昇し、HPとMPも上がるというわけだ。

ステータスには物理系と魔法系があり、それぞれ


物理系ST・・・HPとスタミナ、毒、麻痺、石化、盲目、睡眠などの肉体的バッドステータスに関係


力・・・・物理攻撃力


体力・・・物理防御力


器用さ・・物理命中率


敏捷性・・物理回避率


魔法系ST・・・MPと魔法詠唱速度、混乱、狂化、魅了、魔封、呪いなどの精神的バッドステータスに関係


知性・・・魔法攻撃力


精神・・・魔法防御力


集中力・・魔法命中率


判断力・・魔法回避率


と、なっている。

ここで注目したのは魔法命中率と魔法回避率だ。

魔法は必中ではないらしい。

詳しく見ると魔法はヒットしてもレジスト(抵抗)されることがあるらしい。

物理でいうミスだ。

そしてもう一つ


運・・・あらゆる行動に影響


と、ある。

どうやらエンカウントやアイテムドロップなど、数字に出ない要素に影響しているらしい。

結構重要かもしれないな。


「次はスキルか。膨大だな」


 ものすごい数だ。

さすがというかスキルオンリーはだてじゃない。

スキルは大きく分けて物理と魔法、アクティブとパッシブがある。

アクティブはプレイヤーが使おうとして発動させるもので、魔法系ならMP、物理系ならスタミナを消費するものがほとんどだ。

パッシブは自動的にかつ永続的に発動し続けるもので、ON・OFFの選択可だ。


 ちなみに、プレイヤー自体にレベルも職業もないので、戦士とか魔法使いという呼称はどんなスキルを伸ばしているか、どんなプレイスタイルかを表しているだけということになる。


「種族も色々あるな」


 種族は基本種族と上位種族に分かれていて、ステータスを上昇させると昇格できるようだ。

上位種族は頭にハイが付くらしい。

例外も多いが。


 マニュアルには基本的な容姿と典型的なステータスが載っている。

また、種族には向き不向きも有り、スキルの上がりやすさが違うようだ。

βテストでは転職ならぬ転生による種族変更は基本的にできないらしいので、プレイスタイルを決めている場合注意が必要だ。 


 まずはヒューマン。

人間だ。

全てが平均的で弱点は無いが、長所もない。

初心者向けとも言えるし、上級者向けともいえる。

上位種族はハイ・ヒューマンだ。


 次は亜人、いわゆる獣人だ。

種類も多く人気がありそうだ。

獣要素を何段階かで調節できるようで、最少なら尻尾と耳だけ、最大ならほとんど立った獣だ。

上位種族になると全く違う名称に変わるものが多い。


基本種族            上位種族


ワードッグ(犬獣人)・・・・・・ワーウルフ(狼獣人)


ワーキャット(猫獣人)・・・・・ワータイガー(虎獣人)


ワーフォックス(狐獣人)・・・・デュアル・フォックス(二尾狐獣人)


ワーラビット(兎獣人)・・・・・ハイ・ワーラビット


ハーピー(翼手人)・・・・・・・フリューゲル(有翼人)


リザードマン(トカゲ人)・・・・ドラゴノイド(竜人)


オーガノイド(鬼人)・・・・・・ハイ・オーガノイド


ワーフォックスは魔法系だが、それ以外は物理系のほうが高いらしい。


 そして妖精種。

こちらもなかなか人気がありそうだ。

その中でも気になったのはおなじみのエルフだ。

上位種族が2種類あるのだ。

どうやらステータスのうち防御系が高いとハイ・エルフに、攻撃系が高いとダーク・エルフになるようだ。


基本種族    上位種族


エルフ・・・・・ハイ・エルフ  ダーク・エルフ


ドワーフ・・・・ハイ・ドワーフ


グラスワーカー・・・ハイ・グラスワーカー


フェアリー・・・ニンフ


 フェアリーはほぼ人間大の、まんま妖精の姿をしている。

エルフとフェアリーは魔法系、ドワーフとグラスワーカーは物理系が得意とバラバラだ。


 おっと、忘れてはいけないのが飛行スキルの存在だ。

ハーピーとフェアリーは翼と翅で飛行できるのだ。

ただし飛行中はハーピーはスタミナ、フェアリーはMPを消費する。

高く速く飛ぶほど消耗も激しい。

そして、空を飛ぶという行動は人間が本来行えない行動なので、慣れるのが大変なのだ。

しかし、緊急離脱や偵察など有用性は大きいといえる。


 最後に特殊種族。

その名の通り、特殊な条件を満たすことでなれる種族で条件は不明。

マニュアルに載っているのは悪魔、天使、ヴァンパイア、リッチの4つだ。

まあ、今は関係ないだろう。


 なお、VRゲームはアバターとプレイヤーの体格が違いすぎると操作に支障をきたす。

よってRWOも種族による体格の変化は、操作に影響の無い範囲になっている。

カラーは自由だが。


「属性は8種か」


 属性は火、水、風、土、氷、雷、光、闇の8種類。

これも種族によって得意不得意があるらしい。

例えば同じ妖精族でもエルフは水と風、ドワーフは火と土が得意属性だ。


「通貨はゴールドね」


 おそらくは金貨なのだろう。

もっとも電子マネー方式なので現物のコインをやり取りするわけじゃない。

実物だったら「どれだけ金がありふれてるんだよ」と突っ込まれそうだな。


「とりあえずこんなとこか」


 マニュアルを閉じる。


「……あいつらにも教えとこうかな」


 ふと思い立ち、かつて共にプレイした友人たちと妹には報告しておこうと考え携帯電話を手に取った。

ゲームから離れていた俺と違い、連中はゲーム人生を謳歌している。


 嫉妬で呪われないだろうな……。


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