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リベンジ ベルク

 中央の戦場に現れた空色のグリフォン。

その姿を見た瞬間、レイラは飛び出しそうになる自分を必死で抑えた。

勝手な行動をとるわけにはいかないし、闇雲に飛び出しても返り討ちに合うだけだ。

そう自分を納得させた。


 しかし、心の中では闘志を燃え上がらせていた。

もう一度ベルクに挑み、勝つために。

その日は結局、戦闘に参加する機会は無かった。


 2日目は攻撃部隊に編入された。

そして、朝になったら彼女は出撃する事になっている。

再戦の時は近付いていた。



 一方第3サーバーでは、2日目の方針が話し合われた。

決定された方針は、まず第2サーバーを落とすというものだった。

第4サーバーの防御は侮れないが、代わりに向こうから攻めてくる可能性は低い。

とりあえず後回しにして、もし攻めてきたなら逃さず倒せばいい。


 逆に第2サーバーの拠点はボロボロだ。

偵察班の知らせによると、リンクスによる炉の爆発の被害は深刻らしい。

防壁はまだ無事だが、内部が相当被害を受けているそうだ。


 どうもあえて資材は節約せず、短期決戦に賭けているらしい。

向こうが出撃しようとしたら、逆に攻め込むことで心理的に有利に立とうという作戦だ。

まあ、心理面云々はともかく、攻めやすいとこから攻めようということだ。

第4サーバーは破壊された防壁は完全に放棄したみたいだし。



 そして、第2サーバーの拠点が見える所まで来た。

しかし、なんていうか貧弱に見える。

まあ、第4サーバーの拠点見た後だしな。

攻める側としては貧弱な方が良い。


 今回は地上をギアとシザーに任せ、俺はベルクと飛行部隊に参加する。

そういや、大砲馬鹿に変なモノを渡されたんだよな。

見た目はスイッチだ。

ギアがピンチになったら押せ、と言われたんだが、怪しさマックスだ。


「行くわよ!」


「攻撃開始だ!」


「うむ」


 飛行部隊のリーダーはルーシア。

地上部隊のリーダーはダムドとハイドさん。

地上部隊は南側に陽動作戦をかけ、北側を破る予定だ。

飛行部隊はゲリラ的に地上部隊のサポートをする。


 拠点自体もできれば攻撃したいが、突出しすぎると魔法で狙われる。

第1サーバーからの援軍も来るだろうしな。

慎重に攻めたいところだ。



 戦況は順調だった。

なんか陽動とか考えなくても正面突破できそうだな。

ギアを止められる奴がいないし。


 とか考えてたら第1サーバーの部隊が到着した。

お、レイラさんがいる。

従魔の色が赤くなってるな。

確かランク4のファイヤー・ヒッポグリフだったか。


 うおう……、こっち見てる。

怖っ、リベンジする気満々だよ。

ん? となりには見た事ある顔が。

妹の友人のハルとカヨだな。

二人とも魔法を使うスタイルだったっけ。


 しかし、気になったのは2人の乗っているモンスターだ。

翼のある蛇『ケツァルコアトル』は確かランク4のレアモンスターだ。

良いもんに乗ってるな。

でも、あの2人は従魔なんて持ってたっけ?

最近用意したんだろうけど。


「この前のお返しをしに来たわよ」


「フィオさん、覚悟!」


「リンチにしてやるわ」


 オンナッテ、コエーッス。

呑まれてる? この俺が? 何、このリアルな殺気。

試合なんだからもっと気楽にいこうよ。


ヒュン


「おっと」


 飛んできた矢を撃ち落とす。

気が付くと、周囲を20騎以上の部隊に囲まれていた。

ふむ、この質でこの数か。

俺一人によくこれだけ集めたもんだな。


 あんまり時間はかけたくないんだよな。

拠点攻めが目的だし。

とりあえず、挨拶代わりに暗剣をばら撒いた。



 おかしいな……。

敵がどんどん増えているぞ。

倒しても倒してもゾロゾロ寄ってくる。

うっとおしい。


 こっちを見る目は明らかに怯えている。

そんな目で見るなよ、殺人鬼か俺は。

ふと、少し離れた所に目をやる。

そこではベルクが同じように囲まれていた。


 これって、第1、第2サーバーの飛行戦力の大半じゃね?

味方はこれ幸いと拠点攻めてるし。

確かに囮と単独行動は慣れてるけど、冷たいよ。


 と、HPの減ってきたベルクが攻撃を緩め出した。

防御に気を配り、ダメージを調整しているようだ。

チラリと目が合う。

これは奥の手を出す気だな。


 ベルクのHPがレッドゾーンに入った所で合流する。

体毛が帯電して紫色に光出しているな。

やっぱりアレを使う気か。

タイミングを合わせないと。


「止めよ!」


「落ちなさい!」


「行くよ!」


 追いつめたと思い、勢いに乗る皆さん。

包囲網が狭まる、ここだ! 脱出!


ボッ


 ギアのヴァーユの要領で下方向に風魔法で加速する。

強引に包囲網を突破し、地上から空を見上げる。

瞬間ベルクを中心に雷光が球状にほとばしり、周囲のプレイヤー全てを薙ぎ払った。

3人も巻き込まれ従魔ごと脱落した。


「ひゅう、すげえ威力」


 アレがベルクの切り札【復讐の雷火】だ。

1日1回、HPがレッドゾーン以下の時に使用可能。

HPが減っているほど威力が上がるのだ。


 威力、範囲共に優秀だが欠点もある。

一つは当然使用条件のリスク。

もう1つは敵味方無差別ということだ。


 フレンドリーファイアでもダメージがでかいのだ。

よって、俺が乗ってたり近くにいると使用できない。

しかし、威力は見ての通り。

敵空中部隊は、ほぼ壊滅した。


「ごくろうさん。さすがにこの辺にしとこうか」


 傷ついたベルクを戻し、地上の戦況に目をやる。

意外と防衛部隊が粘ってるな。

ギアとシザーどっちに加勢しようかな。


何とオチはベルクの逆襲でした。


何時から、タイトルの意味がレイラさんだと思っていた。

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