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拠点解放

 第3試合開始まで現実時間で後1日。

ようやく拠点に入れるようになった。

転移ゲートには続々とプレイヤーが集まり、バケツリレーの様に物資を搬入している。


 俺も物資を抱えてゲートに踏み込んだ。

転移先に在ったのはかなりの大きさの砦だった。

作りは結構シンプルで、周囲をぐるりと防壁に囲まれている。


 占拠されると負けになる防衛ポイントは砦の中にある様だ。

あちこちに物資保管所が建設され、薬や食糧が運び込まれていく。

プレイヤーの所持限界量を超える物資はこうやって保管しておき、消費したらここで補充するのだ。


 鉱石、特にアダマンタイトは門の外に運び出されていく。

何かと思ってみてみると、何と防壁の外側にもう1つ防壁を作っているようだ。

2つの防壁の間では発石車が組み立てられている。

建設中の防壁にはバリスタを設置する予定なのだろう。


 ミサイルと輸送機も続々と運び込まれている。

元からある防壁はオリハルコンで強化しているのか。

バリスタの矢は中級鉱石の柄に、ヒヒイロカネの鏃を取りつけたものを作っているようだ。


 いやはや凄い規模だ。

初日からこの勢いか。

圧倒されてしまうな。


 俺もサボっているわけではない。

ギアとカリスは新防壁の建設に貸し出し、ヴァルカンは旧防壁の強化に駆り出している。

アダマンタイトを積み上げ、オリハルコンのプレートを溶接と大活躍だ。

俺自身も、広大なフィールドの地形調査に参加した。 


 結構起伏に富んだ所もあり、罠の設置なども問題無く行えそうだ。

砦の大広間に設置された本部に調査結果を報告した後、少し砦を見て回る事にした。

結構休憩所が多いな。


 考えてみれば現実で8時間、ゲーム内で8日間ずっと戦えるはずが無い。

頻繁に交代して休憩する必要があるだろう。

そういった設備の充実も結構重要かもしれないな。


 備え付けの工房に行ってみると怨敵を発見した。

一緒にいたオーブ屋に言われた様で謝罪に来たが、数日中にまたやらかす気がする。

それはともかく、工房の規模も大したものだ。

これなら装備の修理も迅速に行えるだろう。


 もちろん武器庫もあちこちに設置され、魔剣クラスの予備武器が満載されている。

一度試合が始まれば、耐久度なんて気にしていられないだろうしな。 

鍛冶プレイヤーは、放置される壊れた武器を回収して修理する予定らしい。

矢もできるだけ回収してリサイクルするとか。


 試合が始まれば物資は有限だからな。

場合によっては、倒した敵からはぎ取ってしまえば足しになるだろう。

追剥みたいだが甘い事は言っていられない。



 外に出ると、砦自体の改修も始まっていた。

オリハルコンのプレートが取り付けられ、設備も拡張されていく。

この分だと全くの別物に改造されそうだな。


 見張り台とか矢倉も建築されてきた。

和洋折衷の要塞になりそうだな。

これに罠の設置があるんだろ。

うわ、自分じゃ攻めたくないな。


 他サーバーもこんな感じなんだろうか?

参加メンバーに職人を多く入れていないと、拠点の強化は時間がかかる。

俺たちは1000人の職人がバックアップしているわけだが。

はたして支援部隊の重要性を解っているんだろうか。


 ふと、気付くと日が傾いていた。

そこら中で炊き出しが行われている。

もちろん高級食材を使っているわけではない。

しかし、今の内からここでの食事には慣れておくべきだろう。


 なんだか、キャンプみたいな雰囲気だな。

周りにプレイヤーも和気あいあいって感じだ。

うむ、良い雰囲気だな。

気負いが無い。


 さて、明日も忙しくなりそうだな。

今日はもう休むか。



 後から聞いた話では、その後酒が入ったらしい。

泥酔、乱闘、嘔吐と酷い有様だったという。

テンションが上がり過ぎるのも考えものである。


 っていうか、酒はまずいだろ。

翌日、掃除が仕事に追加されたし。

ちなみに酒を飲んだ奴らの中には二日酔いになった連中もいたが、回復魔法のおかげで回復し、翌日も働いてもらった。

馬車馬のように。



拠点要塞化開始。

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