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使い魔勧誘

 新しく手にしたスキル『使い魔』。

文字通りモンスターを、自分の下僕にするスキルのようだ。

自分が相手を下僕にしたいと思うだけで発動するが、攻撃的なモンスターは戦って勝たなければならない。

もちろん100%ではないので、運次第といったところだ。

条件もある


使い魔は3体まで(ランクアップにより増加)


呼び出せるのは1体まで(ランクアップにより増加)


強いモンスターほど勧誘しにくい


使い魔は主人の能力と互いの信頼度によって成長する


 重要なのはこんなところか。

ちなみに召喚しなくても信頼度は上昇するようだ。


となると、

1.初期に弱いモンスターを使い魔にして成長させる

2.後半に強いモンスターを勧誘する

どちらかを選ぶべきだろう。


 俺は前者を選んだ。

ポ〇モンだって弱いうちから育てたほうが、最終的には強くなるし。


 そういえば【召喚】スキルの召喚獣や【テイム】スキルの従魔とどう違うのだろう?

またあとで情報交換サイトで調べよう。

おっとサハギンのドロップを忘れるところだった。

落としたのは


単独撃破報酬 耐水の腕輪  効果 水耐性(小)


最速撃破報酬 アメンボの指輪  効果 水上移動


 ほう、おもしろいものがでた。

耐水の腕輪はランク4、アメンボの指輪はランク5だ。

2つのアクセサリを着けて水へ向かう。


パシャ


 少しフワフワするが水の上に立てた。

フィールドによっては頼もしい効果だ。

 

「じゃ、町に戻るか」


 そして俺は町に引き返した。

戻る際に水上を歩いていたら、真下からアリゲーターが襲いかかってきて死ぬほど驚いたのは余談だ。

モンスターパニック映画かよ……。


 

 町に戻り休憩した俺は森に向かっていた。

やはり使い魔にするなら奴だろう。

まっていろシャドウウルフ。




 夜になってしまった。


 倒しても倒してもシャドウウルフは使い魔にならない。

プレイヤースキルでなぎ倒しているが、ST的にはまだ奴は強敵の部類に入るのだろう。

引き返すか。


 夜の森はさらに不気味だ。

ふと気が付いたのだが、明かりもなにも用意していない真っ暗闇。

なのに最低限は見えている。

悪魔には暗視能力もあったのか。

ありがたい。


 行きに倒しまくったので敵が出ない。

暇な帰り道だ。

と、その時木の上に光が見えた。

ゴーストより小さい。

ウィスプか?


〈クスクスクス〉


 10cmほどの光球が笑い声を上げた。


「妖精?」


 木の上からこちらを見つめていたのは、小妖精『ピクシー』だった。

今まで夜に森に来たことが無かったので、木の上の彼女たちの存在に気付かなかったようだ。

攻撃的なモンスターなら不意打ちを受けていたところだ。

あぶないな、探知系スキルも要るなこれは。


「これも何かの縁か」


 スキルを発動する。

ピクシーはふわりと寄ってくると、両手を差し出した。

? 何か欲しいのだろうか。


 色々アイテムを見せてみるが、お気に召したものが無い。

花、草など、それっぽい物は見せたのだが。


「光り物かな?」


 ウィスプのドロップ「魔力の欠片」を差し出してみた。

当たりだ。

ピクシーが笑顔で受け取ると、欠片は光の粒になって消え彼女に吸い込まれた。



〈契約に成功しました〉


〈名前を付けてください〉


 聞こえてくるアナウンス。

名前か……


「よし。フェイにしよう」


種族 『ピクシー』

名前 『フェイ』

属性 『風』

ランク 1

使い魔登録完了


 契約を終えるとフェイは光の粒子になり、俺の影に吸い込まれて消えた。


「死霊の森にピクシーか……」


 以前何かで、行き場を無くした子供の魂がピクシーになるという話を聞いたことがある。


「そう考えるとミスマッチとも言えないのかもな」


 開発者の誰かがその話を知っていたのかもしれない。

そんなことを考えながら俺は町に引き返した。


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