表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
127/228

第3試合 内容決定

サーバー対抗戦第3試合の内容が決定しました。


参加人数は各サーバー5000名となります。 


形式は大規模侵攻拠点防衛戦となります。


試合開始前日に参加者は自軍拠点に転移できるようになります。


拠点は周辺も合わせてカスタマイズ可能です。


試合開始日時は後日連絡します。


公平を期すために現実時間で明日、第1、第2、第4サーバーでイベント『死神の襲撃』を実施します。




 今日遂に最終試合となる、対抗戦第3試合の内容が発表された。

予想に反して人数は5000と一桁多かった。

そして、参加者以外は拠点に入れない様なので全員を戦闘職にするわけにはいかない。

その辺のバランスも考えて人選を行ってくれ、ということか。



「こんちわー。装備できてるか?」


「あ、どうも。リーダーは今日留守なんです。装備と借りていたアクセサリは預かってますよ」


「ああ、サンキュ」


 ネクロスを呼び出し風属性を付加した石化大剣、氷のハルバート、ドラゴンのフルプレートを装備させていく。

うむ、ついにフルアーマーネクロスが完成したな。

予備のダマスカス武器とメテオライト防具は、また投擲ナイフの材料にしよう。

マフラーを首に巻き、気になった事を聞いてみる。


「そういや、お宅のリーダーはどこに行ってるんだ?」


「人選会議ですよ」


「え? そんなのやってるの?」


「そういえば伝言も受け取ってました」


「……何?」


「えーと、心配しなくてもお前の事はバッチリ推薦してきてやるぜ! ガハハハ! 、と……」


「そっすか……」


 脱力してゼクの様な口調になってしまった。

まあ、確かにそんな会議に呼ばれてもやることないしな。

ギルドに所属していれば推薦とかいろいろあるだろうけど。


「じゃ、また来るわ」


「ハイ、ありがとうございました」


 代金はすでに払っていたので、そのまま工房を後にした。

ふと見渡すと、町中が浮足立っている。

第3の町にいるプレイヤーは大半が中級以上だ。

5000人も選ばれるなら、ここにいる連中の大半は入るだろうし当然か。


 モニターで見るだけだった試合に自分が参加する。

素人がテレビに出るような緊張と不安を覚えるだろうな。

だが、それだけではないだろう。

彼らもどこかで思っていたはずだ。

自分もあの舞台に立ちたいと。

町の浮つきはその興奮を表しているようだった。



 手の空いた俺は、ホームエリアで飛行訓練を行うことにした。

未だフラフラしがちな俺を、並んで飛ぶフェイとベルクが眺めている。

彼らに追いつけるようになればな……。

高望みしすぎか。


 そういえばキノコハウスからは素となる胞子を回収できた。

俺のハウスは一般的な『ヒラタケハウス』というらしい。

ほかに縦に高い『エリンギハウス』、横に広い『マイタケハウス』、小部屋の多い『シメジハウス』などが有るそうだ。

そして一番レアな『マツタケハウス』は、周囲に高級食材の『ゴージャス・マッシュ』が生えるらしい。


 『ゴージャス・マッシュ』は腐海に出現する『マタンゴ』のレアドロップだ。

しかし、『マツタケハウス』の方がはるかに効率よく集められるという事で、料理人たちは争うように『キノコハウスの素』を集めているとか。

俺ももう1個植えてみたが、まだ種類までは解らない。

そして俺には生産系壊滅と言う爆弾があるので、正直期待はしていない。


 さて、運営の話しぶりだと第3試合まではまだ時間が有るだろう。

第3エリアでまだ行っていないのは『古城』のみ。

『クラーケン』、『テュポーン』『ファイヤードレイク』も未討伐だ。

テュポーンとファイヤードレイクに関しては、話を聞くかぎりレイドで挑んだ方がよさそうな気がした。


 まずは『古城』とクラーケンを攻略して、その後レイドに参加するのが良いかな。

情報収集と偵察もしなければ。

いよいよβテストも終盤って感じがする。


 ふと、隣のフェイとベルクを見る。

βテストが終わると、こいつらともお別れってことなんだよな。

ゲームのキャラでモンスターの下僕といえばそれまでだ。

しかしこいつらのAIは俺と共に成長してきた。


 寂しくなる。

純粋にそう思えた。

しかし、夢には終わりが有り、終わらせる事が今回の目的だ。

モチベーションが下がったわけではない。

だが、胸にモヤモヤする感情が有る事も否定はできなかった。


使い魔たちはもはや相棒。


別れは寂しいけど何時か来てしまいます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ