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百腕の巨人

 霊峰を攻略した俺はオーブ屋に来ていた。

3つのドロップを見せたがやはり食いついたのは『万年雪の結晶』だった。

最上級魔法を込められるオーブは現在バレーボールサイズ。

このサイズでも結構売れているが、せめて標準サイズにしたいそうだ。

だが、上手く行かずスランプだったのだ。


「どうだ? 何かの参考になるか?」


「そうですね……。確かにこれは……」


 やはりオーブに近い素材らしい。

サイズはビー玉くらいなので、このサイズのオーブが作れれば凄い事になる。

バシリスクの時みたいに、口に突っ込み炸裂させるとか。


「しばらく借りてもいいですか? お代はオーブとソウルポーションで払います」


「ああ、気が済んだら返してくれればいい」


 ソウルポーションは上級のMP回復薬だ。

俺も大ボス戦など、自動回復が間に合わない長期戦では使用している。

決して安いアイテムではないのだが、オーブ屋はなんと30個も払った。

オーブもギアのブースター、ヴァーユのカートリッジを満タンにしてもらった。


 あいつの期待の表れだろう。

ブレイクスルーになると良いな。



 次にやってきたのは工房。

もちろんネクロスのハルバード作成依頼のためだ。


「たのもー」


「あん? なんだそりゃ? 風邪か?」


 俺が首に巻いたマフラーを不審そうに見るギルドマスター。

ふふふ、ならば聞かせてやろう。

この素晴らしきアイテムのイカした能力を。




「よし。じゃあ、しばらく借りるぞ」


「ああ……」


 あっと言う間に没収されてしまった。

だって、ハルバード無料で作って、ついでに大剣に余ってた強化宝石で風属性付けてやるって言われたんだもん。

思わずうなずいてしまったよ。

やっぱ、俺ってチョロイのか?


 ……まあ、レンタルなんだし帰ってくるんだけど。

でもなあ、昨日の今日だぞ。

しかも期限決めなかったし……。



 気を取り直した俺は浮遊島に向かった。

浮遊島の中ボス『ヘカトンケイル』は中ボスの中ではかなり強い。

脳筋かと思いきや土属性の魔法も使ってくる。

相手にとって不足無しだ。


 浮遊島は混んでいる。

中ボス討伐者もそれなりにいる。

初回討伐者は50人のレイドで挑んだそうだしな。

1パーティの人数が多い。


 俺も挑むとしますか。

端末に入力し戦闘フィールドに転移する。

目の前には城壁と城門、そして腕と目玉だらけの巨人。


「コール ギア シザー カリス」


 作戦はいたってシンプル。

100の腕を切り落とし、50の目を潰す。

それだけだ。


「さあ、いくぞ!」


 四方から囲む事で移動を封じ、伸ばされる腕を潰していく。

腕の数は多いが、太さは通常の巨人系より細い位だ。

ある程度伸縮するので間合いが取りにくいが、それだけだ。

シザーに切り落とされ、ギアに握り潰され、カリスに咬みちぎられ、そして俺に切り落とされ腕はどんどん減っていく。


ギロリ


「おっと!」


 目玉が俺を睨むと、大地が槍の様に隆起して襲いかかってきた。 

どうやら目玉2個で1本の槍を作っているようだ。

50個だから最大25本か面倒だな。


「シザー! お前は目を狙え! 【ブリューナク】!」


 腕の数が減ったのでシザーと共に目を狙う。

以心伝心でギアが胴体を抑え込み、目を狙いやすくする。

腕をもがれ、目を潰されたヘカトンケイルは、かなりグロい姿になっている。

そこにカリスが突進する。


グオオオン


ドゴォ


 うつ伏せに倒れたヘカトンケイルの上半身をギアが抑え込み、下半身にカリスがのしかかる。

シザーと俺は動けないヘカトンケイルを容赦なく切り刻む。

そして俺とシザーが離れたタイミングで、ギアがヴァーユを起動させ大ジャンプした。

カリスも慌てて離れる。


ボボッ


 落下が始まった所で、再度ヴァーユが起動し加速する。

当然の様に起動するアグニとインドラ。

ヘカトンケイルはヨロヨロと立ちあがった所だ。

その頭上に隕石の様に急降下するギア。


ズガアアアア


 ギアの両腕がハンマーの様にヘカトンケイルに直撃した。

ヘカトンケイルの立っていた場所はクレーターになり、中心にギアと元ヘカトンケイルだった肉塊が転がっていた。

肉塊はポリゴンとなって消え去り、俺達は戦闘フィールドから帰還した。



「ふむ、これもか」


 ソロドロップは『タルタロスの鎖』。

見た目はチェーンアクセサリだ。

効果は「土属性軽減(大)」。

やはり、これ系は他にもあった。

探してみる価値有りだ。


 そうだな、次はエルダードラゴン行ってみるか。

駆け足だが、次の試合までにできるだけ進んでおきたいしな。

ネクロスの装備が完成するのもすぐだろうし、新しい武器の試し切りにもなるだろう。


 ちなみに竜の谷の大ボスは火竜の王『ファイヤー・ドレイク』だ。

名前からいって火属性軽減装備を持っていそうだ。

しかし、テュポーン並の強敵らしいからな。

とりあえずはエルダー・ドラゴンからだな。


 翌日以降の予定を考えながら、俺は浮遊島を後にした。


かなりエグい戦いでした。


R15指定って感じ。

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