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トラウマ同盟

「二日酔いが無いのはどうなんだろうな……」


 食堂での大宴会。

俺は下戸なのでさっさと逃げ出した。

酒を飲めば酔っ払うし、二日酔いもある。

しかし、混乱や毒扱いなのですぐに回復できるのだ。


 結果、現実の様に限界が存在しなくなる。

だから良く飲む。

樽ごととか馬鹿やる奴もいる位だ。

喧嘩しても禁止コードが働きダメージが入らず、止めるまで延々と殴り合う。

見ている分には面白いが、自分であの醜態はさらしたくないものだ。



第3の町 大工房


「こんちわー」


「おう、ヒーロー。何かいいもの見つけたか?」


「勘が良いな。それとヒーロー呼ぶな」


 ボロクソに言われるより恥ずかしい。

まあ、こいつら曰くダークヒーローだそうだが。

まあ、いい。

早速ブツを見せることに。


「これだ。ボルボックスのソロドロップなんだが」


「あれを1人でか……。どれ」


 呆れつつも調べ始めるギルドマスター。

その顔が驚愕に染まっていく。

それはそうだろう。


「……ドロップ関連のアイテムは初登場だな。量産できれば全プレイヤーが買おうとするだろう」


「そうだろうな。で、量産できるのか?」


「木製だから植物関連の素材だろうな」


「腐海か?」


「多分な。あそこの素材は魔法系装備と相性が良い。ティルナノグの連中がよく行ってる」


「聞いた話だな。なるほど、何で好き好んであんなキモイ所に行ってるのかと不思議だったんだが」


「とりあえず、1日貸してくれ。素材の目星をつけたらクエストを出す」


「まあ、構わんが装備依頼の時値引きしろよ」


「そこで金を払えと言わない所がお前だな」


「要らんことに使っちまいそうな気がするんだよな」


 お守りを渡して工房を後にした。

さて、たまに冒険者ギルドに顔出すか。

面白い依頼があるかもしれないし。

最近レイドにも参加していないからな。



「何だこりゃ……」


指名依頼

対象 フィオ

依頼者 トラウマ同盟

内容 使い魔との戦闘訓練


[ぜひ、我々にリベンジの機会を下さい。先日の戦いを見て大切な事に気付きました。]


 トラウマ? 使い魔にやられたことか?

連合やら同盟やら流行ってんのか?

あの試合っていうか処刑を見て気付いた事?

良心の大切さとかか?


「というか、これだけじゃ誰か解らないし」


「俺達ですよ。受けてくれますよね」


 いつの間にか、以前使い魔達にボコられたメンバーが来ていた。

このタイミング、見張ってやがったな。

逃がさないつもりか。


「まあ、構わんけど。大切な事って何だ?」


「ふふふ、それは『絆』です!」


「はあ……」


「デッド氏をかばったゴーレム! レイラ氏の相棒のヒッポグリフ! 我々は従魔の存在を軽く見過ぎていた!」


「まあ、確かに」


「我々は従魔とのコンビネーションを鍛えるべきだと考えたのです!」


「まあ、単純に数は2倍になるしな」


「今後の対抗戦は、徐々に人数を増やしていくだろうと予想されています」


「そうだな」


「我々も自分が参加する時の事を考え、訓練するべきなのです」


 確かにこいつらクラスならすぐに出番が来るだろう。

100人選べと言われても何人か入るくらいだ。

言っている事も正論だ。

だが、


「トラウマ同盟の名が全てを台無しにしているぞ」


「意気込みだと思って下さい」



 結局、依頼は受けることにした。

今、目の前では50人のチームが2つ、ギアとバイトにいたぶられている。

この間の試合の所為で、使い魔までドSに目覚めてしまったのだろうか。

まあ、従魔の訓練だから手加減してるんだろうけど。


「うーん、連携がいまいちですね」


「これじゃ、従魔がいない方がスムーズですよ」


 技術班の評価も辛口だ。

まあ、俺も同意見だが。

従魔はバイトの霧に囲まれただけで混乱し、連携も何も無くなっている。

ギアはギミックを使ってすらいない。

まだ、従魔が自主的に動けないのが大きいな。

フードによる強化もまだの様だし。


 そういえば、原始肉は一個で数十人分の食事になった。

モンスターフードも大量に作れるんだろうか?

こいつらの様に従魔に注目するプレイヤーは今後増えるだろうし。

モンスターフードを大量に作って売れば、結構な儲けになるかもしれない。



 翌日、素材リストを受け取った俺は腐海に向かうことにした。

相変わらずティルナノグもアタックしてるみたいだし、もしかしたら向こうで出くわすかもしれないな。


連携強化には時間がかかりそうです。

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