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対戦開催

 やってきました開催日。

町の至る所にモニターが設置され、対抗戦を見れるようになっている。

対抗戦は結構広めのフィールドに4人を一気に転送して、バトルロイヤル形式で行うらしい。


 第2サーバーの代表は、どうも堕天使に決まったみたいだ。

最も遅れている事を自覚している彼らは、今回の対戦でできる限り他のサーバーの情報を得たい。

しかし、それは代表者が咬ませ犬となる事でもあった。


 一般プレイヤーと犯罪プレイヤーは代表を押し付けあった。

そして数に勝る一般プレイヤーが勝利したというわけだ。

で、ターゲットは恨み重なる堕天使だったということか。


 時間になると代表者は戦闘フィールドに転送される。

俺は今セコンド衆に囲まれて最終チェックをしていた。


「メンテナンスは完了だ」


「ほれ、注文されてたコート完成したぞ」


「やっぱ、お代は取るのか」


「当り前だろう」


 職人連中の破産は回避され、とっくに持ち直している。

職人以外にも交流のあるプレイヤー達が激励に来ている。

彼らの意思を纏めるとこうなる。


今後のペースを握るためにも必ず勝て。


そして相手の心をへし折りトラウマを植え付けろ。


 過激というか、物騒というか。

参加する俺より気合いに満ちていた。

他のサーバーでも似たような感じなのだろうか?



第1サーバー


「いいですか、絶対に正面からやり合っちゃ駄目です」


「卑怯だろうがなんだろうが手段を選んじゃだめだ」


 代表のレイラは、第3サーバー代表の友人達にアドバイスを受けていた。

彼らは言う、相手は存在自体が卑怯と言ってもいいのだからできる事は何でもやれと。

噂はまぎれもない事実であると。


 残念ながら装備を強化するには時間が足りなかった。

まだ、上級鉱石が出回っていないし、職人の技術が足りないのだ。

しかし今用意できる最高の物を用意した。

従魔もフードで強化し『ヒッポグリフ』となった。


 だが、アドバイスを基に作戦は立てた。

役に立つマジックアイテムも手に入れた。

相手の情報もかなりある。


「でも、4人のバトルロイヤルのはずなんだけどね。悪魔君対策ばっかりね」


「ええ、敵に回してあれほど恐ろしい相手はいませんから」


「正直7:3に届けば恩の字と思ってますよ」


「そこまで……」



第2サーバー


「クソ! 何で俺が!」


「落ち着いて下さい、イコンさん」


「考えようによっちゃチャンスですよ」


「そうそう、連中ぶっ倒せば箔がつきますよ」


 楽観的な事を口にする配下達。

しかし、頭は切れるイコンには解っていた。

自分の勝ち目は限りなく低い。

たとえSTが互角だとしても、装備の質が違いすぎる。

自分は生贄の羊なのだ。


 せめて邪竜素材があれば良かったのだが、ディアボロスのメンバーは邪竜討伐に関われなかった。

まあ、有ったとしても加工できる技術がまだ無いのだが。

手段は一つ、戦闘を回避して他の3人の共倒れを狙う。

漁夫の利を得る以外勝ち目は無い。


第4サーバー


「頑張って下さい。デッドさん」


「意地を見せろよ!」


 代表のリッチ、デッドは仲間達に激励を受けていた。

『亡者の都』に籠り現在の上限の30体のアンデッドを支配した。

装備もできる限りの物をそろえた。


「ああ、勝てないにしても一矢報いるよ」



第3サーバー


「そろそろ時間だな」


「モニター見てるぞ」


「いいか。今日は便利屋の聖魔さんは要らない」


「そうだ。今日のキャラは残虐な魔王様で行け」


 残虐な魔王様ねえ。

じゃあ、今日は悪役ヒールにチャレンジしますか。


対抗戦を開始します。


 アナウンスと共に俺の足元に転移陣が現れる。

一瞬の浮遊感の後、俺は森の中に立っていた。


「ここがフィールドか」


 探知範囲内に敵はいない。

ちょっと進んだ所は森が途切れている。

とりあえずそっちに行ってみることに。


「うーん、待ち伏せするか? でも時間かかりそうだし……」


 よし、ここはハンティングと行くか。

頼むぞ猟犬。

こっちに追い込んでくれ。


「コール ハウル」


 ふふふ、今日の俺は外道になる。

我が悪役ヒールっぷりをご覧あれ。

覚醒 黒主人公!


このままドSに目覚めてしまうのか?

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