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古竜の力

「え? なにあれ? ドラゴン?」


「あれって、例の水晶竜?」


 彼らの視線が訴える。

説明プリーズと。


「開始!」


 しかし容赦なく開始を宣言する審判。

自分は戦わないからってひどいなぁ。

しかし、カリスは今回が初陣だ。

俺もどんな能力があるのか知らないのだ。


 プレイヤー達の警戒心は、もはやマックス。

一網打尽にされないように若干バラけている。


クオオオオン


 突如カリスが咆哮する。

するとプレイヤー達の頭上に、直径数mの虹色の光輪が複数発生した。

プレイヤー達も気付いて逃げようとする。

しかし、光輪は一気に収束し、光弾となって降り注いだ。

ラ〇ュタの主砲!?


 何人かの直撃をもらったプレイヤーは戦闘不能になっていた。

威力もとんでもない。

続いて虹色のブレスが放たれるがこれは回避された。


 隙がでかく直線的なブレスは、もっとタイミングを見ないと。

この辺はまだ未熟ということか。

プレイヤー達の反撃が始まる。

標的が散らばると判断に迷ってしまう様だな。

これも訓練だぞ、カリス。


 しかし、ふと気付く。

カリスの背中に背びれの様に並んだ8個の水晶。

その内6本が、赤、青、紫、緑、白、黒に輝いている。

最初は虹色だったのにどうしたんだ?


 弱点を探っているのだろう、後衛は色々な属性を打ち込んでいる。

大地の槍がカリスに打ち込まれる。

すると、水晶の1本が茶色に変わった。

どうやら属性攻撃を受けると、背中の水晶の色が変わっていくらしい。

残るは光の金色だけだ。


 そして、前衛のアタッカーが武器の魔剣を起動させる。

付加の色は金、光だ。

その一撃がカリスを切った瞬間、最後の水晶が金色に輝いた。

そして全身の水晶がでたらめに点滅する。


 弱点だったのか? 弱っているのか? 

プレイヤー達に希望の表情が宿る。

しかし、その表情は一転して凍りついた。


 カリスの全身が揺らめくオーロラに包まれたのだ。

なるほど、あの邪竜の赤いオーラと同じか。

発動条件が違ったが、能力自体は持ってたのね。

っていうか、やばいな。

プレイヤー達が。


グガアアアア


 一転して蹴散らされるプレイヤー達。

そりゃそうだろう。

俺だって殺されかけたんだし。



 まさに蹂躙としか言えない時間が過ぎた。

最後の数人の時点でオーロラは消えたが、最早逆転は不可能だった。

プレイヤー達は壁際で口からエクトプラズマを出している。

カリスはやる気満々だ。


「じゃあ、次もカリスで」


 本日最後のチームは暗い顔をしている者が多数。

何が不満なんだ?

逆に顔を輝かせている奴もいるけど。


「開始!」


 そして始まる戦闘。

パワーアップを警戒して属性の数を絞っているようだ。

すると、カリスの水晶の色が赤に変わった。

火属性の攻撃が吸収されている。


 カリス、なんて多才な奴。

まさかバリ〇チェンジまで持ってるなんて。

しかも徐々に動きが良くなっていく。

良く言えば知能的に。

悪く言えば狡猾に。

うん、それでこそ俺の下僕。


 変色に誘導され、ついに全属性を使ってしまったプレイヤー達。

頭では解っていても、ついつい有効な属性を狙ってしまったのだ。

纏われるオーロラ。

蹴散らされるプレイヤー。


 そして放たれた極太のオーロラブレス。

パワーアップは解除されるようだが、その威力はヴァルカンの熱線以上だった。

訓練場じゃなかったら荒野になっていただろうな。

こうして宴は終わった。


 技術班は劣化した武器や防具をチェックしている。

チームごとの反省会も行われている。

こっちとしても結構ためになったな。

報酬を受け取った俺はホームエリアを後にした。



 依頼を完遂した俺はギアを迎えに行くことにした。

いやー、それにしてもカリス初陣であれか。

まだ力押しなところはあるがさすが古竜だ。


 工房に入るとまだ職人達は作業場にいる様だった。

ギアはすでに立っていて、動きのチェックをしているようだ。

関節などがなめらかになっている。

うむ、さすがにいい仕事してくれる。


 ただ、勝手におかしな事はしないで欲しい。

遠目からでも明らかに判る変化。

あんな物の話は聞いていない。


 ギアの背中にはミサイルの様なものが取り付けられていた。

あれって、ブースターってやつだろ……。


カリス大暴れ。


そしてギアの身に何が?

って、まんまですけど。

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