食欲
掲載日:2026/05/09
お腹が空いた…。
すぐに食べれるものがないかとキッチンを漁る。卵、牛乳、バター、パスタ、生米…
何もない。何も作る気がしない。
何でもいいから胃に入れたいという気持ちだけで家にあるチョコレートを口に放り込む。美味しい、でも足りない。もう一つ、またもう一つ口に詰め込む。埒が明かない。
戸棚の奥に牛乳を袋に入れるだけで完成するホットケーキミックスがあったのを思い出す。
作るか…、ナイフでバターをすくい熱したフライパンに放り込む。袋を破り牛乳を入れ、そのナイフでそのまま混ぜる。
混ぜた液もフライパンに流し込む。表面がふつふつしてきた。フライ返しを洗う手間を考えて嫌にり、ナイフでひっくり返すのを試みる。…失敗した。
グチャッとなったそれを見て、やる気をなくした。
お皿に移して、見栄えの悪いそれにハチミツをかける。ナイフで切って、フォークで口に押し込む。
…美味しくはない、さらにそれにハチミツをかけた。バターも上に添えた。甘いだけの味がつよいだけのそれをただひたすら口に押し込む。食べ終わって、水を一気に飲み干して無理やり胃の奥へ流し込む。…気持ち悪い、でもお腹は、いっぱいになった。
ただ自分の欲求を満たすだけの行為だった。




