姉を探して
私には姉がいる。
血のつながりがあるのか、
同じ種で年上だから姉なのか、
もう覚えていない。
それくらい、長い時間を
二人で生きてきた。
我々は物に憑依する生物だ。
人にも化けられる。
化け物は、
人と関わりを持ちたかった。
友達が欲しかった。
仲間が欲しかった。
だが、飢えが来ると、
人を食べなければならない。
呪いの動画になったこともある。
犯罪者を喰ったこともある。
ただ、そこにいた人間を貪ったこともある。
仕方ない。
人が弱いのが悪い。
生きるには、食べなければならなかった。
ある時、私は友人を作った。
夢中になって、
姉との連絡を疎かにしてしまった。
姉は心配性だ。
だから、探しに来た。
巨大な体で、
町を飲み込みながら。
私はまずいと思い、
友人たちを街の外へ逃がした。
途中、我々を狩る者に出会ったが、
姉の大きさに呆然と立ち尽くすだけだった。
姉はビル群に憑依し、
ところ構わず街を壊し、
多くの人を殺した。
必死だったのだ。
一人になりたくなかったから。
唯一無二の弟だから。
狩る者は、一瞬で姉に食われた。
私は姉を見つけ、謝った。
姉は安堵したように、
私を抱きしめた。
そのあと、
ものすごく叱られた。
全面的に私が悪い。
だが、姉はやりすぎだ。
そんなふうに、
仲睦まじく話していた時――
空が、白く光った。
次の瞬間、
私と姉は蒸発した。
たぶん、核兵器か何かだろう。
消えゆく意識の中で、
私は思った。
姉と一緒に死ねるのなら、
それも悪くないな、と。




