【プロットタイプ】治る見込みはないのだと
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
一日の目で見れば、僅かな時間。
けれどもその僅かな時間が、致命的。
くたばった状態から、漸く体が自由が効くようになった。まだ万全とは言えないが、日常生活に支障はない。今のうちにやれる事をやらねば。そう思って立ち上がると、椅子に腰掛けた瑠衣と目が合った。そう言えば、弁当用の小鞄がない。どうやら後始末をしてくれた様だ。
「弁当箱、有難う」
瞬き一つ。どうやら返事のつもりらしい。私も先程、返事が出来ない程に憔悴していたので、これに噛み付くつもりは無い。
「体調は?」
「万全じゃないよ。でも、手足の自由は効くからね」
まだ倦怠感はある。動悸もある。呼吸の乱れも僅かにある。けれども、目を瞑れば何てことは無い。何時もそうしている様に、振る舞えば良いだけの話だ。
瑠衣の切れ長の目が訝しげに歪む。信用していない様だった。
「本音は?」
「一分一秒毎に変わるから」
「今の気分は?」
「まぁボチボチ」
早くしないと。自律神経の気が変わる前に、風呂に入るなり、作り置きを温め直すなり、家事に手を付けないと。
そう思っていると突如、視界が歪む。酩酊感が体を襲い、呼吸が乱れにかかる。其れを落ち着ける為に、深呼吸を繰り返す。吸っては吐いて、吸っては吐いて。余計な空気が肺に溜まり、奇妙な脳内電波がバグを引き起こす。
気持ち悪いかも知れない。立って居られないかも知れない。先程まで融通が効いていた手足の神経回路が遮断される。
今、私は何をしようとしていた? 起き上がって、瑠衣と会話して、何を?
倒れそうだ。でも倒れる訳にはいかない。倒れたら痛いから。打撲の後が残るから。だから手をまさぐって、必死になって壁を探して手を着いた。
「はぁ……はぁ…………はぁ……はぁ」
ここならば、別に座り込んでも大丈夫だろう。変な目で見られることも無い。心配を掛けることも無い。面倒だと思われることも無い。兎に角立って居られなくて、その場に座り込んだ。
動けない……。何も出来ない……。ただ気分が悪い。
「お前、ずっとそんな状態だったのか」
淡々とした声音の中に心配が混ざる。
「今が取り分け悪いだけだよ……」
これから先、生きていく限り、この呪縛から逃れられないのだと思い知る。寧ろ悪化して、改善の見込みは無いのだと。其れが何より絶望的で、死にたくなる。
ちょっと生々しい話。
PMSの症状、人によります。
だからこれは一例。
一日の目で見れば、そこまで酷くはない。
恐らく合計四、五時間。
ただその時間が、動けない程にしんどい。
何故生きてるのか分からないぐらいにしんどい。
腹が痛いって訳じゃない。
だったら楽じゃん? って訳でもない。
周りの重力が二倍になった感じ。兎に角体が重い。
怠過ぎて立てない。
倒れようにも体を傾ける事も出来ない。
だから傍から見れば何でもない様に見える。
これ、このまま歳を取り続けたらどうなるんだろう。
意地にも見栄にもプライドにも縋れなくなって、廃人になるのかな。
それは嫌だな。






