表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

episode4

  馬車が学園につくと、アレクシスが乗っている馬車の周りは女の子たちが集まってきていた。

見目もよく、毎日騎士に混じって鍛錬をしているアレクシスは学園でも、女の子たちからチヤホヤされていた。

ルドヴィックは知らなかったが、アレクシスには親衛隊と呼ばれる一部のファンによるグループが出来上がっていた。

その筆頭なのが、ロンバルディーニ侯爵と同じ爵位に位置する、オールドリッチ侯爵の娘カリーナになる。

 

 「アレクシス様おはようございます」

きゃーきゃーと女の子たちの黄色い声が、響き渡る。

セレスティーネは、女の子たちの様子に圧倒された。

尻込みしながらもおそるおそるアレクシスの手をとって、馬車から降りる。


 綺麗なプラチナブロンドの髪に、赤色のリボンをつけているセレスティーネはこの学園にいる誰よりも一番可愛いと思えるくらいの美少女だった。

 カリーナは、自分よりも可愛い容姿をしているセレスティーネが、気に入らなかった。

 

 自分のことでいっぱいいっぱいになっているセレスティーネは、気づかなかったが・・アレクシスは相変わらず女の子たちに、冷たい反応を返していた。

冷たく返されても、そんなところが素敵ですと言っている女の子たちも後を経たない。

中には、ロンバルディーニ侯爵家との関係が出来上がるならと、アレクシスに婚約の打診をしてくる家も少ないない。アレクシスには事情があるため、安易に婚約を結ぶことはない。


 セレスティーネは、アレクシスに連れられて学園長室へと案内された。

「じゃ。俺は、ここで行くから。学園では、俺に話しかけ・・って言ってもキミが話すことなんてないから、余計な一言だったな、じゃな」

アレクシスはセレスティーネに、背中を向けるとバイバイと手を振って、別れた。


 アレクシスと別れた後セレスティーネは、学園長であるカーター・クラビンスと対面した。

「そうかそうか、君が・・・かわいいかわいいと言われていたエリーゼ様、そっくりだね。彼女はとても成績優秀で、賢い子だったよ。あぁ・・災害で大変だったルーベルト地方を、立て直したんだったな・・。偉大な人だったよ」

カーターは、セレスティーネの前でエリーゼを褒めちぎった。


 カーターは、ルドヴィックから大方家庭の事情は聞いていた。

英雄と慕われるようになった戦果の前に、エリーゼとの間にできた子であること。

ルドヴィックの邪魔にならないようと、秘密裏に出産していたこと。

そして何よりも心の問題で、話ができない事が挙げられていた。

果たして、セレスティーネがどこまでできるのか、カーターは計りかねていた。


(本来なら、アレクシス様と同じ教室にいていただいた方が、安全の確保はできるのですが・・。なにぶんあのクラスは、文武両道ですからね・・)

カーターが見るかぎりでは、セレスティーネはとても運動ができる状態とは思えなかった。

入学前の試験では確かに、学力はAクラスではあったが・・身体を動かすことは苦手なようで何もできなかった。

総合的に見てCクラスになった。


 カーターが教室に案内すると、その後ろをゆっくりとセレスティーネがついてきた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ