救済
愛おしいと煩わしいは紙一重ではないか。
私はそれらを行ったり来たりしては、だけどどうしたって離れられないのだと思い知る。
嫉妬なんてしたところでどうしようもないというのに、いつだって私は嫉妬で狂わされる。
先生はやはり私のことをなにも分かっていない。
先生のことも自分さえも誤魔化すように笑うが、それでも夜、1人になると考えてしまう。なにもかも放り出して先生のことろへ行けたらと、この世に絶対はないと言うけれど、絶対に叶うことのない想像をして憂鬱な夜をやり過ごしている。
私を抱く先生を思い出す。包み込むような優しいキスを。いじわるそうな笑顔を。私の中で果てる時のあの情けない声がとても愛おしい。背中を波打たせながら私を抱きしめる時の先生を、私だけが知っていたい。
永遠に私のものにはならない人。だから余計に欲しくなってしまうのだ。
全部欲しいです先生。
ずるいです。
愛しても愛しても愛し足りなくて、愛されても愛されても満たされません。先生のことを想うと苦しくて苦しくて、涙が出ます。なんでもないふりをして返信を打つのがとても辛いです。先生が言う、一緒に暮らしたら幸せだろうねとか、死ぬまで恋人でいようねとか、そういうのも全部辛いのです。
本当に現実だったらどれだけいいか、決してそうはならないこの現実があまりに滑稽で、いっそ全て壊してしまいたいと、そう思ってしまうのです。
いったい私は何がしたいのだろう。我に返る。ぼやける視界で先生へ返信を打つ。深夜1時半。
先生が不幸だといい。私も不幸でいいから。こんなのは誰も救われない。