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シオンの花束をたむける 1話目
ある男(主人公)は、名前や家族のことを忘れてしまった。だが主人公は、習慣を忘れてなかった。
毎回同じ公園で、主人公はベンチに座り、遊ぶ子どもたちを見るのだった。
主人公の記憶を思い出すための物語
自分の名前が…わからないただそれだけと思って今日も公園に来た。
名前がわからないのは、大変のことなのだが不思議に大丈夫だと感じた。何より今日も元気に遊ぶ子どもたちを見れて安心した。
ベンチにゆっくりと座り光景を眺めた。数分がたつと隣にスーツ姿の男が座りいきなり名前を聞いてきた。もちろん名前なんて思え出せないだから、「ナナシ」とだけ名乗った。それに対して、笑いながら言う「ありきたりすぎる冗談ですね」と、変な人だ…と思いながらも話していた。
ふと気づく、手には花束を持っていた彼女にも振られたかと思いつつも無視した。男が帰り際に、「これ、あげます」とだけ言いそそくさと立ち去った。その顔は、うれしそうにも見れ、悲しんでいるようにも見えた。もうこんな時間か…と思い自分は、いつものホテルに向かい公園を後にした。