涎垂らして昼寝
ノスフェラが吸血鬼の村に来て何日か経つと、すっかり村にも慣れ、穏やかな時間が過ぎていった。
昼食を済ませ、ノスフェラが外のベンチで昼寝をしていると、エミアが横に座った。
それに気付きノスフェラが涎を拭きながら「あぁ、あんまり平和なんで昼寝しちゃいました」と言うとエミアは微笑み「ごめん、起こしちゃったな!あんまり気持ち良さそうに寝てるから、顔が見たくなってな」と言った。
続けてエミアは立ち上がり、背伸びをしながら「私はずーっと毎日、こんな涎を垂らして昼寝が出来る平和が続けばいいなと思うよ!」と言うとノスフェラも立ち上がり、エミアの横に立ち「そうですね!私もそう思います」と言った。
ノスフェラがエミアに「今更何ですが、何故種族を問わず、この村に住めるのですか?」と聞くとエミアは笑い「はははっ、そうか!話してなかったね。私は鬼の中でも特殊な存在でな、鬼にも馴染めず、人にも馴染めずだったんだよ、鬼産みの樹から生まれた時からずっとね、、」と言った。
ノスフェラはエミアの顔を見て「話していて辛い話しなら、話さなくても大丈夫ですよ」と言うと、エミアは首を振り「大丈夫!今はノスも居るし、村のみんなもいるから!」と笑顔で言った。
続けてエミアは「それで私は鬼の島を出てこの地に着いた。色んな傷付いた人や鬼を助けては、この地に住んで貰うようにしたんだ、傷付いて悲しんでる者に種族の差は無いからね、もれなく私の血を分けてしまうから吸血鬼になっちゃうけど!はははっ!」と笑った。
ノスフェラは微笑み「私もその優しさに救われた一人ですよ」と言うと、ノスフェラは真剣な顔になり「私の誰にも話せなかった話しを聞いて貰っていいですか??」と言うと、エミアはニコッと笑い「いいですよ!」と言った。
ノスフェラは「ありがとう」と言って話し始めた。「私は殺し屋でした。家が殺し屋の家系なので、私に職業を選ぶ権利はありませんでした。ある程度の年齢から、毎日毎日、殺し屋の訓練をして過ごす日々でした。何が正しくて、何が正しくないかもわからないままに、、私はこの過去を今でも恥に思って生きています。本当にこのまま生きていて良いのかさえ、、」と言った。
エミアは片手で、グッとノスフェラを抱き寄せると「過去とは全て戻れない夢みたいなもんだよ!ノスは悪夢を見てるだけなんだよ!生きてればみんなやり直したい過去の1つや2つあるもんだ!私は未来に向かって行く者は見たことはあるが、過去に戻ってやり直した者は一人も見たことが無い!ノス!今生きていて楽しい??」と言った。
ノスフェラは空を見上げ「えぇ!すごく楽しい!!」と言うとエミアは笑い「はははっ!なら、いいじゃないか!過去の悪夢に縛られ過ぎても、いい明日はやって来ないよ!」と言うと、空を見たままノスフェラは頷き「ありがとう、、やっと話せたら少し心が楽になりました、、ありがとう」と言った。
エミアは微笑み「また辛くなったらいつでも話して、何回だって聞くからさ!」と言った。
そして暫く経ったある日の事だった。
エミアとノスフェラの家に、一人の村人が走って来て「はぁはぁ、、エミア女王!赤鬼の軍団がこっちに向かって来てます!どうしますか?逃げますか?」と言った。
エミアは立ち上がり、凛とした顔で「この地を守る!戦える者は準備を!戦えない者や子供は裏山に待機!状況によっては逃げる体勢でいる事!私が前線に出るっ!!」と言うと、村人は「はいっ!わかりました!」と言った。
エミアが寂しそうな顔でノスフェラに「幸せな平和は長くは続かない物だな、、ノス、、貴方も逃げ」と言いかけた時、ノスフェラは「さてと!貴女が前線に立つなら、私が1番前になりますね!」と言いエミアの手を取り、手の甲に口付けすると「これが終われば、また平和な日々が続きます」とウィンクした。エミアはニッコリ笑った。
エミアとノスフェラが外に出ると、三十人ほどの村人が立っていた。
村人の一人が「女王!準備完了です!」と言うとエミアは「ありがとう!共に戦ってくれて!さぁ!行くぞっ!」と言って、鬼が向かって来る方向に歩き出した。
村の少し外れまで歩くと、赤鬼の軍団が見えてきた。
エミアは手を上げ、村人達を止めると、その場に立ち止まった。
鬼の軍団もその場に着くと、兵隊鬼達がニヤニヤしながら「なーんだ!お前が吸血鬼か??」「へへっ!こいつ始末すれば俺も階級アップだぜー!」と言った。
すると奥から一際大きな鬼が歩いて来て、大きな声で「久しぶりだな!吸血鬼!お前の心臓を食えば不老不死になれる!!さっさと心臓渡せ!」と言った。
エミアは冷静な顔で「相変わらず口がクセェーな!赤鬼!!」と言うと赤鬼は「赤鬼様と呼べよ!出来損ない!!」と言った。
エミアはイラッとした顔で「誰が出来損ないだって、、無い物ねだりの赤鬼ちゃんよ!希少な吸血鬼の力、また昔みたいに味合わせてやるよ!!」と言うと赤鬼は「ほざけっ!今日こそその心臓貰っていく!!お前らやっちまえ!!」と言うと、一斉に鬼達が走り出した。
その瞬間、ノスフェラがユラ〜ッと動くと、バタバタと鬼たちが倒れた。
倒れた鬼達の真ん中でノスフェラはニタァ〜と笑い「ふぅー!血の魔法は良いもんですね!ナイフの弾切れの心配がありませんから!さぁ!死にたい奴からドンドン来なさい!1番残酷な殺し方で殺してあげますから!あーはっはっはぁ!!」と笑った。
続




