5鬼王集結
世界中に記事が出回り、オノゴロ国が勝ったと世界が喜んでいる頃、鬼の島が何やら騒がしくなっていた。
鬼産みの樹を囲むように鬼の城が建てられ、その1室に次々と料理が運ばれて行った。
その部屋には四人の鬼が大きなテーブルに所狭しと並んでいる料理を食べながら話していた。
赤鬼王がムシャムシャとテーブルの料理を食べていると、一人の体の大きな鬼がニタニタと「随分な食べっぷりだな!?右腕がやられたって言うのに!ははっ!」と言った。
赤鬼王はンッ?と顔をして「右腕?俺の右腕なら付いてるぞ!」と右腕を叩きながら言うと体の大きな鬼はムッとした顔で「紅の事だよ!!全く!お前達が失敗したから俺達が召集されたじゃねぇーか!」と言った。
赤鬼王は「まぁ、土鬼そんなカッカするな、飯でも食って落ち着けって!」と言うと土鬼は「あのな、オノゴロが落ちるかどうかで、今後が決まるって邪鬼も言ってたじゃねーか!落ち着いてられるかよ!」とテーブルの肉を頬張った。
その様子を見ていた背の高い鬼が「お前達は五月蝿いな、、飯ぐらい静かに食え!」と言うと土鬼が「あぁん!水鬼!てめぇーの方は順調なのかよ?!雪降らしてるだけで勝てんのか?!」と言うと水鬼は口を拭きながら「雪を降らしてるだけと思えるなら、お前も浅はかだな!そういうお前はファサム王に押されてる様じゃないか?プライド国は落とせるのか?」と言った。
土鬼はニヤッとして「ははっ!国落としの準備は着々と進んでるよ!外が固けりゃ中からってね!!ふははっ!」と笑った。
赤鬼王が爽やかな鬼に「なぁ、風鬼!雷鬼は来ないのか?」と聞くと風鬼は冷静な口調で「今居ないなら来ないだろうな、他に楽しい事でも見つけたんだろ」と言った。
そんな会話をしていると、邪鬼が大声で「全鬼王がお見えになったぞ!静まれっ!!」と言った。
扉が開きペタペタと歩きながら、全鬼王が部屋に入ってきた。
身長184センチぐらいで醤油顔、髪型は七色のアフロ、アロハシャツにTシャツ短パン、Tシャツには、俺はまだ本気じゃ無い!と書かれていた。
ポップコーン片手にイライラ歩きながらブツブツと独り言を言いながら、玉座に向かって行った。
「くそがっ!今日は俺の大好きなアイドル、オニアルピースのライブだったのによ!せっかく推しと写真撮ろうと思ってたのに、、あー!くそっ!」と言いながら玉座にドカッと座った。
全鬼王は全員を見渡し、邪鬼を睨むと「話し始めていいぞ!さっさと終わらせよう」と言うと、邪鬼は「はい!では始めさせて貰います。今回は赤鬼王に任せてあった、オノゴロ国を落とすと言う任務でしたが、紅の失敗により、国落とし失敗に終わりました。今回の召集は、どうすればオノゴロを落とせるかと言う話しをしたいと思います」と言った。
全鬼王は鼻で笑い「ふんっ!相変わらずくだらん話しだな!なぁ?邪鬼、人間と仲良くする未来は無いのか?」と聞くと邪鬼は「ありません!先祖代々、沢山の血が流れました、今更人間との和解など考える余地もありません!」と言うと、全鬼王は少し寂しそうな顔で「そうか、、肌の色や姿形の違いで争いは絶えないんだな、、同じ青空の下に居るのに」と下を向いた。
すると赤鬼王が「申し訳なかった、直ちに準備して、準備が整い次第、オノゴロを落としに行く!最初っから俺が動いてれば、こんな面倒はかけなかった。すまん!」と頭を下げた。
すると全鬼王がニコッと笑い「まっ!気にすんな!国の事は邪鬼がやってくれてるから、細かい事は邪鬼から聞いてくれ!」と言うと赤鬼王は「はっ!必ずオノゴロを手に入れます!!」と返すと全鬼王はニヤッと笑い「あんま気張りすぎて糞漏らすなよ!ははっ!」と笑った。
続けて全鬼王は空いている席を見て「雷鬼は来なかったのか?久々に会いたかったな、、」と言うと風鬼は微笑み「ははっ、全鬼王様、あいつの事だからまたフラッと帰ってきますよ!」と言った。
全鬼王は微笑み「ふふっ、帰って来たらまた飲みたいな!」と言った。
すると全鬼王が立ち上がり「鬼の島の事は邪鬼に任せてある、細かい事は邪鬼から聞いてくれ!それから俺のやり方に気に入らない者はいつでも挑戦待ってるから!いつも通り、喧嘩で1番決めようや!あとお前ら死ぬなよ!以上!解散!!」と言って部屋を出て行った。
すると邪鬼が「オノゴロは総力戦で落とすか?」と言うと赤鬼王が笑い「ふははっ!馬鹿言うなよ!俺一人で十分だ!お前達は死なない様に自分の心配してろ!じゃーな!」と言って部屋を出て行った。
他の鬼王達も部屋を出て行き5鬼王会議は終わった。
邪鬼が全員出て行くのを確認すると、キョロキョロと辺りを見回して、扉を魔法で開けて地下室に入って行った。
邪鬼はニヤニヤしながら「もう少し、、もう少しで人間を根絶やしに出来るぞ、、ひゃひゃひゃっ!」と笑った。
続




