明日が待ち遠しい!!
大浴場に入った桃達は体を洗っていると、ナギ国王が桃に近付いて「背中を流させてくれないか?」と言った。
桃が「王様が俺の背中なんか洗っていいのか?」と聞くとナギ国王は微笑み「国1つ救えない王など飾りでしか無い、今、私に出来る最大の感謝を贈らせてくれ!」と言った。
それを聞いた桃はニコッと笑うと「んじゃ!頼む!」と背中を出した。
そしてみんなが洗い終わり湯船に浸かると、オーニー13世は湯船の外に居た。
それに気付いたナギ国王がオーニー13世に「何をしている?!早く一緒に入ろう!」と言うと、オーニー13世は「いやいや、、私は鬼、同じ湯船など、」と言いかけた所で、ナギ国王は「いいから入ろう!君の働きは天音から聞いている!共に戦ってくれた者に、人も鬼も無い!」と言った。
オーニー13世は目頭を押さえて「うぐっ、では、お言葉に甘えて」と言って湯船に入った。
ナギ国王はオーニー13世に「明日の式典に君も来るんだぞ、気に入ってくれるか分からないが、それなりの地位は用意するつもりだ!この度の戦い誠にありがとう!」と言った。
そしてナギ国王は立ち上がり大きな声で「本当にみんなありがとー!」と叫んだ。
桃は笑って「にゃははっ!いい王様だな!」と言うとみんな頷いた。
その声は女湯まで響くとナミ王妃は笑い「ふふっ、あの人ったら珍しく大声なんか出しちゃって」と言いながら、ツクヨをワシャワシャと洗った。
天音は不死子の背中を洗いながら、それを聞いて頷いた。
そしてみんな洗い終わると大浴場を出て、各自部屋に戻って行った。
次の日の朝、天音が式典の準備をしていると、部屋のドアのコンコンと言う、ノックの音が聞こえた。
アラガがドアの外から「隊長、準備出来たか?」と声をかけた。
天音は「あぁ!入って大丈夫だ!」と返した。
部屋に入って来たアラガは着飾った天音を見て「ふふっ、鎧じゃない隊長もいいな!」と笑った。
天音は真顔で「からかってるなら斬るぞ…」と言うと、アラガは慌てて「いやっ、からかってる訳じゃ無くて、、そのなんかいいなぁ〜って思って」と言った。
慌てるアラガを見て天音は吹き出し「ぷっっ!冗談だよ!」と微笑んだ。
天音は続けて「桃達の準備は終わってるのか?」とアラガに聞くと、アラガはエッと顔をして「少し前に出発しちゃいましたよ…、式典は出ないのかって聞いたら、四人は笑ってガラじゃねーよ!って言って歩き出しちゃいました。隊長に挨拶無かったんですか?」と返した。
それを聞いた天音は走り出し、振り返りアラガに「桃達はどこに向かって行った??」と聞くとアラガは慌てて「お菓子の家だと思う!隊長!もう式典始まるよ!?」と言うと天音はニコッと笑い「遅れるって言っといてくれ」と言って部屋を出て行った。
天音は走り、白馬に乗り桃達の後を追った。
天音は白馬を走らせながら心の中で(何故、一言言ってくれないのだ?一緒に戦った仲ではないか?まだまだ桃達には礼を言いたいんだ!くそっ!間に合え!見失う前に、、我等を、、いやっ!私を暗闇から救ってくれた光達に!!)と思っていた。
しばらく走ると桃達の背中が見えて来ると天音は「間に合った!!」と言って桃達に追いついた。
桃はンッと天音を見ると、ニコッと笑い「よー!大剣どうした?綺麗な服なんか来て!」と言うと、天音は白馬から降りて「なぜ、、式典に出ないのだ?」と言った。
桃はンーと首を曲げ「なぜって言われてもなぁ、欲しい物も手に入ったしな、式典出ても俺達の欲しい物は無いからな!にゃはっ!」と笑って言った。
納得のいかない天音は「でわ!なぜ私に一声もかけずに国を出た!?共に戦った仲では無いのか?」と桃達に聞くと桃は笑って「にゃははっ!別に一生逢えなくなるわけじゃねーだろ!何処に居たって、俺達友達だろ!!」と言った。
それを聞いた天音は目頭が熱くなり、それを隠すように頭を下げて「本当にありがとう!」と言うと、桃が真剣な顔になり「なぁ!天音!、、まだ死にてぇーか??」と聞いた。
頭を下げたままの天音は、肩を震わせて涙声で「私は、、今、私は今っ!!」と言って顔を上げた。
涙や鼻水でグチャグチャにした顔で「明日が待ち遠しい!!!」と言った。
桃が笑いながら「にゃははっ!んじゃ良かった。また悪者退治して遊ぼーな!」と言うと天音は「うんっ!」と涙顔で笑った。
その顔を見た不死子が「可愛い顔が
台無しやで!これで顔拭きっ!」とハンカチを渡した。
天音はハンカチで顔を拭き「ありがとう!」とビチャビチャよハンカチを不死子に返そうとすると、不死子は嫌そうな顔をして「返さんでええわ!そのハンカチ、ウチらやと思って大事にしてや!」と笑って言うと、皆んなで大笑いした。
桃が「んじゃ!そろそろ行くかー!大剣!またな!」と言うと天音は「あぁ!またな!気を付けて行ってくれ!」と言うと、桃達は手を挙げ、歩き出した。
天音は桃達の後ろ姿に頭を下げ、白馬に乗り「さてと、式典に行ってナギ国王に怒られて来るかな」と笑いながら城に戻った。
続




