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1本目


 皆んなが大笑いする中、ナギ国王が「よしっ!食事が済んだら、天下五剣の1本、あの酒呑童子を切ったと言われる、童子切安綱どうじぎりやすつなを祀ってある場所に案内しよう」と言った。


それを聞いた桃は口に食べ物を沢山頬張り、一気に飲み込むと親指で口を拭い、ニヤッと笑って「もう行ける!案内してくれっ!」と言った。


ナギ国王は桃を見て微笑むと、手招きして歩き出した。

不死子が着いて行きたそうにしていると、ナギ国王が「ふふっ、みんな着いて来て大丈夫だぞ」と言った。


不死子は嬉しそうに「やったー!」と言って桃の横を歩くと、その後ろをみんな着いて来た。


部屋に着き、刀の前に案内される桃。

桃は刀をジロジロ見て「んー!どうしたらいいんだ?」とナギ国王に聞くと、ナギ国王も首を傾げて「んー私にもわからないな!取り敢えず持って見たらどうだ?」と言った。


桃が「おうっ!わかった!」と言って刀に触ると、桃は刀に吸い込まれて行った。


桃がビックリして「うえっ!なんだここ?どこだ?」と言って周りを見渡すと、そこには真っ暗な空間が広がるだけだった。


桃が「おーい!みんなー!どこだー!」と大声で呼ぶと、何処からか声が聞こえて来た。


「はっはっはっ!やっと来たのか?随分と待ちくたびれたぞ!このまま錆びて朽ち果てるかと思ったわ!」と爽やかな声がした。


桃は声のする方を見て「お前誰だ?!」と言うとそこには身長171cm、髪の毛は真ん中分け、顔はケチャップ顔の王子様フェイス、そして黒のスーツを来た男が立っていた。


その男は「んー!俺が誰かってか?名前は無いんだわ、、お前が付けてくれよ!ところでお前の名前はなんだ?」と言った。


桃は笑って「にゃははっ!俺は桃だ!名前無いんじゃ可哀想だな!よしっ!お前はてんだ!」と言うと、男は呆れた顔で「うわぁ、、簡単な名前付けられたな、、もう少しこう、童子とか安綱とか来ると思ったのに、、まっ!名前なんかいいか!あははっ!」と笑って言った。


桃も笑って「なぁ!天!ここはどこだ!早くみんなの所に帰りてぇんだけど」と言うと、天は「あぁ、ここは童子切安綱の中だ!まっ!簡単に言うと、俺の修行をクリアするまでは一生ここの中だ!あははっ」と笑って言った。


桃はエッて顔をして「一生!?刀の中?嫌だな、早くみんなのところに帰りてぇー!」と言うと、天は「まぁまぁ、焦らなくても大丈夫だ、ここは精神の世界みたいな物だから、修行が終わって、桃が元の世界に帰った時は1秒も経ってないよ!だから安心して修行したまえ!その代わり終わるまでは帰れないからね!」とニヤッと笑い言った。


それを聞いた桃はニコッとして「うしっ!それじゃ始めよっか!」と準備体操を始めた。


それを見た天は「OK!俺の修行は簡単だ!俺が高速で動くから、それを捕まえれば良いだけだ!しっかり見て頑張れよ!」と言った。


桃は笑って「にゃははっ!それなら簡単だな!」と言った瞬間に走り出して、天の目の前まで行って「はいっ!捕まえた!!」と言って、天に両腕を伸ばしたが、そこにもう天は居なかった。


天は桃から少し離れた所で「おいおい!ちゃんと見たか?そこに俺は居ないぞ!ちゃんと見ないと、いつまで経っても帰れないぞ〜」と言った。


桃は「くっそ〜!捕まえたと思ったんだけどな、、よしっ!もう1回だっ!」と走り出し、捕まえようとするが、また天は少し離れた所に居て、ニヤニヤしていた。


それから桃は何度も何度も捕まえようとするが、全く捕まえられなかった。


桃が疲れて、息を整えていると天が「お〜い!もう終わりか?」と言うと、桃はまた走り出して「こんの野郎!!」と捕まえようとするがダメだった。


天が「ヒントやるよ!しっかり目で相手の動きを見てから行動してみろよ!少しずつでも見えて来るはずだ!実は動かされてるのは桃の方かもな、、」と言った。


桃が怒り、頭から湯気を出して天を指差して「ムッキー!なぞなぞみたいな事言いやがって!絶対捕まえてやるからな!」と言うと天はあくびをして「ふぁ〜!早く来い!これじゃ一人で居た時のが退屈しなかったぞ!」と言った。


その言葉でまた怒った桃は、走り出しては飛びかかり、走り出しては飛びかかりを繰り返した。


長い時間ずっと天との追いかけっこをしていると、ある日桃は自分の動体視力が異常に良くなった事に気付いた。


桃が上を見上げて「あぁ、、すっげー見える、、天が言ってる事ってこう言う事ね、、」と言うと、続けて、天に向かって「楽しかったよ!そろそろ終わりにしよう!!」と言うと、桃は後ろを振り向き手を伸ばして「捕まえたーー!!」と天を捕まえた。


天は笑い「あっはっは!動き出すのと同時に後ろに回り込んで居たのがバレたか!」と言うと、桃も笑い「にゃははっ!やっと見えたよ!」と二人で笑った。


天はニコッと笑い「これにて俺の修行は終わりだ!たまには遊びに来いよ!」と言った。

それを聞いた桃は笑って「にゃははっ!何言ってんだ!天!一人じゃ退屈だろ?!俺の刀に入れよ!」と言った。


天は笑い「そんな事言われたの初めてだな、、ふふっ!外の世界を見るのも悪くない!言葉に甘えてしばらく世話になるぞ」と桃の刀に吸い込まれて行った。


すると桃も現実の世界に戻って行った。



           続






読んでくれている皆様、いつもありがとうございます。

お陰様で3000PVになりました。本当読んでくれて感謝です。

日々、これで楽しめてるかな?とか、読んだ人が嫌な気持ちになってないかな?と考えながら書く毎日です。

よかったらこれからも読んで応援してください。


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