愛を込めた花束
桃が目を覚ます少し前、天音はオノゴロ国の外れの、お墓の前に花束を持って立って居た。
オノゴロが見渡せる風の気持ち良い丘にお墓はあった。
天音は髪をなびかせながら手を合わせて「父さん、母さん、やっと終わったよ、、たくさん血が流れてしまったけど、私ちゃんと真っ直ぐ進めたよ。それから、新しい友達も出来たんだよ、それがもう、物凄く強くてびっくりしたよ!父さん、母さんにも見せたかったなぁ〜、それから鬼の仲間も出来たんだ。その鬼もやっぱり強くて[神速]って技も教えて貰ったんだよ」とニコニコとお墓に話しかけた。
続けて天音はキリッとして「これからもオノゴロ国を守る大剣として、日々努力していくね!見守っていてください」と手を合わせた。
そして微笑んで「また、愛を込めた花束持って来るから、待っててね!」と言った。
振り返るとアラガ、銀太郎、オーニー13世が馬とコアラに乗って、天音に向かって来ていた。
三人が天音に頭を下げると、アラガが「隊長!ここに居たんですね!?」と言うと、天音が「どうした?こんな所まで?」と聞いた。
アラガは嬉しそうに「桃が目を覚ましました!」と言うと天音も嬉しそうに「そうかっ!やっと目を覚ましたか!よし!城に帰ろう!」と言った。
天音が白馬に乗ろうと歩き出すと、後ろから少し強めの追い風がフワッと吹いた。
その追い風を受けた天音はニコッとして、お墓に向かって振り返り「ふふっ!大丈夫、真っ直ぐ歩けるよ、、父さん、母さん、ありがとう!」と呟いて、白馬に跨った。
それを見ていた銀太郎が「どうした?独り言言って?」と聞くと天音は笑い「はははっ!親子の会話だ!それより銀太郎!桃が起きたって事は、ついに役職が決まるな!銀太郎の今回の働きは部隊長級の働きだったから楽しみだな!」と言った。
銀太郎は驚き「あっ、、えっ、オラ部隊長?」と言うとアラガも天音も頷いた。
オーニー13世は「ふふっ、就職先が見つかって良かったですね、私はまたオノゴロに住まわせて貰えれば言う事無いです」と言った。
天音はニコッと笑い「ふふっ!謙遜するな、オーニーも居なければこの戦いは負けていたと、ナギ国王に報告してある、そなたも悪くない待遇にしてくれるはずだ!」と言った。
そして白馬を走らせると、笑いながら「はははっ!城まで競争だっ!」と言って、城に向かって走り出した。
三人はアッと顔して「ずるっ!」と言って天音の後を追いかけた。
風をかき分けながら白馬で走る天音は、とても楽しそうに笑いながら「こんな日が来るなんてな…」と呟いて城を目指した。
城に着くと桃がテーブルに置かれた大量の料理をムシャムシャと食べていた。
桃がご飯を口一杯に頬張り「よー!大剣!おはよう!」と言った。
天音は微笑み「ふふっ、あぁ!おはよう!」と言った。
天音は桃の前に座り「体の調子はどうだ?まだどこか痛むか?」と聞くと、桃は両腕に力瘤を作り「完全復活!!またすぐにでもボス鬼と戦えるぞ!」と言った。
天音は笑って「はははっ!ならよかった!我々も不死子のおかげで完全復活だ!」と言うと桃はニッコリ笑って親指を立てた。
するとナギ国王とナミ王妃が、桃達の所に歩いて来た。
桃達四人を除く全員が膝を着いて頭を下げると、ナギ国王が笑い「ははは、よせ、全員頭を上げてくれ!玉座に座ってない私達は王でも何でもない!良ければこんな時は友達みたいに接してくれるか?」と言った。
そして全員頭を上げて微笑むと、桃が笑って「にゃははっ!やっぱりあんた、いい奴だな!ここ座れよ!」と桃は席を指差して言った。
ナギ国王とナミ王妃は桃に言われた場所に座り「天音から聞いたのだが、天下五剣を探してるのか?」と桃に聞いた。
桃は「あぁ!ここにあるって聞いた」と言うとナギ国王は「あぁ、ある、だがなぜ桃が天下五剣を探してるんだ?」と聞くと、桃は「薄着の女神が探せって言ったんだよ!あいつに会ってから、俺の周りには、俺が主人公辞めるのを許さない奴ばっかりだ!にゃははっ!」とベロを出して笑った。
するとナギ国王とナミ王妃は顔を見合わせて驚き、ナギ国王が「もしかして育ての親は、、桃太郎?」と聞くと桃は「んっ?じぃちゃんの事か?あぁ!桃太郎だって言ってたな!」と言った。
それを聞いたナギ国王は目を輝かせて笑い「ははっ!時代が動くぞ!ついに新しい世界に向かって動き出すぞ!」と喜んだ。
そのナギ国王を見た桃はウゲーって顔をして「絶対、俺が主人公辞めるの許さない人間の一人だな、、」とゴリに言った。
ゴリは両手を叩いて笑い「はっはっは!brother!まだまだ住処には帰れなそうだな!」と笑うと、不死子も笑って「もー諦めーや!このまま世界救って、ほんで平和になったら、皆んなで宿屋やったらえぇやん!」と言うと桃はベロを出して「うげーー!!」と言うと、その場に居た全員が大笑いした。
続




