表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

80/127

痛み


 一方その頃、城外で戦っている天音(あまね、ツクヨ、アラガ、銀太郎、オーニー13世達は、続々と敵兵達を説得して、仲間の数を増やしていった。


それでも向かってくる敵兵にツクヨは大技を繰り出し応戦して「どーした!ぽまいら!早く白旗を上げて道を開けろ!」と言った。


それを見たアラガはツクヨに「ねぇちゃん!魔力切れになるぞ!」と言うとツクヨはニヤッとして笑い「ふははっ!私に魔力切れなど無いのだー!」と言ってドッカンドッカン暴れた。


するとツクヨが足元の瓦礫につまずき、体勢を崩すと、敵兵に囲まれた。


ツクヨは「やばっ、、」と焦ると、敵兵が「もらったー!」と金棒を振り下ろした。

ツクヨが目を金棒の方に向けると、一瞬でアラガがツクヨの盾になり、頭から血を流しながらニコッとして「危ないって、ねぇちゃん!」と言った。


ツクヨが「バカっ!何やってんだよ!」と言うと、アラガは敵兵に[水槍]を刺しながら「いつまでも弱虫アラガじゃないから!ねぇちゃん、仲間の所行きたいんだろ?だから大技ばっかり出して、すぐ終わらそうとしてたんだろ?もう大丈夫だから!いつまでも俺は弱虫アラガじゃないから!!」と大量の[水槍]を出して敵兵に投げつけた。


そしてツクヨに「行って来なよ!仲間の所にさ!俺はもう大丈夫!!」とまた大量の[水槍]を出しながら言った。


ツクヨは涙目で笑い「ふふっ!強くなったね!んじゃ!ここは弟に頼んで、ちょっくらあいつらの所でも行ってくるかね!」と立ち上がり、アラガのお尻を叩いて「頼んだぞ!王子様!」と言って城に向かって走り出した。


するとアラガは大声で「銀ちゃーーん!何処だ!!」と言うと、コアラに乗った銀太郎がアラガの元に来て「どうした?アラちゃん」と言った。


アラガは凛とした顔で「さぁ!共にこの国を守ろう!期待してるぞ!オノゴロの戦斧!我が右腕よ!」と言うと銀太郎は笑い「はははっ!就職先が見つかったどー!」と喜び、そして真面目な顔でアラガに「この命尽きるまで、王の思うがままに」と言った。


そう言うと、二人は大笑いしてアラガが「はははっ!何年先の話しをして、我らは笑ってるんだか!?」と言うと銀太郎も「んだんだ!まっ!この戦いに勝たねーと、この先も無いってこった!さぁ!もうひと踏ん張り!」と言って敵兵に突っ込んで行った。


オーニー13世も天音に「さぁ、ここは我らに任せて城内に入ってください。結果はどうであれ、天音さんはこの戦いの結末を見る必要があります」と言うと、天音はコクッと頷き「頼むぞ!同志!」と言って城内に向かって走り出した。


オーニー13世はその後ろ姿に「同志と呼んでくれるのか?、、鬼の私には勿体無い言葉だな、、感謝する!」と言い、エクスオニバーを構えて[神速]で敵兵に突っ込んで行った。


アラガ、銀太郎、オーニー13世の三人で陣形を組み、退路を作って行った。

ある程度、退路の目処が立つと、三人は中央に集まり指示を出して、退路が途切れない様に保った。


すると一人の10歳ぐらいの子供が三人の前に立った。


子供がオーニー13世に怒った顔で小さなナイフを持ち「やいっ!鬼!なんで人間の味方してんだっ!」と言った。

アラガと銀太郎がその子供を止めようとするが、オーニー13世がそれを止めた。


オーニー13世が子供に「私は鬼と人が仲良く住む世界を目指している。だから人の味方をさせて貰ってる」と言うと子供は泣きながら「嘘つけっ!!どうせお前も人を殺すんだろ?!笑いながら人を殺すんだろ!俺の父ちゃんを殺した様に!!」と言った。


すると子供はナイフを手に「父ちゃんの仇だ!俺がお前をやっつけてやる!!」と言ってオーニー13世に向かって行った。


オーニー13世は大きく手を広げて、向かってくるその子供を抱きしめた。

オーニー13世は「うぐっ!」と言うと、子供は「うわあっ!」と言って、自分の血だらけの手を見て泣いた。


それでもオーニー13世は子供を抱きしめ、大粒の涙を流して「ごめんな、、ごめんな、、俺のこんな痛みじゃ、君の味わった痛みには程遠いよな、、鬼への憎しみは消えないよな、、それでも我々は前に進まなきゃ行けないんだ、、君の様な気持ちの鬼の子供も居る、鬼達も痛みに耐えて生きている。頼む!もう少し我慢してくれ!必ず世界を、、必ず世界を変えて見せるから!!」と言った。


子供は血だらけの手を何度も見て、頷きながらウワーンウワーン泣いた。

アラガと銀太郎が駆け寄り「大丈夫かっ?!」と聞くとオーニー13世は笑いながら「はっはっ!この様な小さなナイフでは私は死にはしないよ!心配ない!」と言って、子供の頭を撫でた。


そしてオーニー13世は子供に「その血はまるで真っ赤なジャムみたいだな!? そのジャムをこの世界に塗って食べようとしてる悪い奴が居るんだ! 一緒に悪者退治してくれるかい?」と聞くと子供は泣くのを我慢しながら「うんっ!」と頷くと、オーニー13世は「ありがとう!また頼もしい騎士が一人増えたな!」と笑った。



           続





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ