奪還作戦
途中、道草を食いながら、何とか肉眼で住処を確認出来る場所に二人は着いた。
崖をくり抜き、丁寧に石を積み上げて出来た住処はとても立派だった。
その住処を見て桃は「めちゃくちゃ良い家だな。早く行こうぜ!ゴリ!」と突入しようとしていた。
ゴリはそんな桃を止め、言った
「こいつは奪還作戦だ!勝手な行動は許さないぞ!桃二等兵!まずは作戦を聞け!」と意気込んでいる。
そしてゴリは話しを続ける。
「ところでbrotherは強いの?」と桃に聞いた。
桃は「んー多分強いと思う?!何で?」とゴリに返した。
ゴリは腕を組み、桃を上から下まで見ると
「いやぁ、あんまり強そうに見えないから、、いやっ!その、、友達としては最高よ!でも戦闘になると、ちょっと心配かなぁ〜って思っちゃった…」と気を使いながら言った。
桃は少しふざけながら
「あっ!弱いと思ってんだな!そーかそーか!良いよ!ではゴリ隊長!作戦をお願いします!」
ゴリはシュッと敬礼して
「了解!では作戦を伝えます。」そして住処の方を見ながら話し始めた。
「まず、鬼の数は約十体!正面突破は難しいと思われます。そして奥にはこの鬼達よりも強い鬼が控えていると思われます。左右に見張りが、二体ずつ、正面に鬼六体と桃が一人居ます!、、、桃?」
ゴリの話しも聞かずに、桃はもう住処にスタスタと歩いて行った。
「い〜〜やっ!!もう行っとるんかい!ガッチリ正面突破決めとるやないかーい!」と激しいツッコミを決めてゴリは桃の元へ走り出した。
一人突っ込んで行った桃は鬼に向かって
「ここ、友達の家だから帰れよ」と言った。
鬼はそんな桃を見て
「あぁ〜ん!手前どっから来た?!あんまりシャバい事言ってると泣かしちゃうよ!?」と桃に凄んできた。
桃は鬼達を睨みつけ
「やっぱりやるしか無いか。一応どいてって聞いたからな!」と言い、刀に手をかけて、刃の短い刀で、鬼に斬りかかって行った。
一匹、二匹と流れる様に斬って行くと
「こらこらこらー!」と聞こえてきて、ゴリが走って来た。
ゴリはその走って来た勢いで、一匹の鬼にドロップキックをお見舞いして桃の横に来て
「何で先に行っちゃうの?こーゆうのって二人で助け合ってやるんじゃ無いの?おう!桃さん!おう!ゴリさん!ってさぁ〜」と興奮して言った。
桃はちょっと引き気味に
「おぉっ、、悪い。何か俺、弱いって思われてんのかと思ってちょっと張り切っちゃったわ!」と言った。
ゴリは両手を首の横に持ってきてヤレヤレのポーズをして、その後キリッとした顔で
「では!改めて奪還作戦の始まりです!」
桃はその言葉を聞いて
「OK!さっさと奪い返して俺達の楽園にするぞ。ゴリ!」
すると鬼達は金棒を振り回しながら
「さっきからゴチャゴチャうるせーぞ!おい!そこのゴリラ!てめぇは俺達の為に金を掘って加工してればいいんだよ!人間なんか連れてきたって、まとめボコボコにしてやるからよ!」と息巻いていた。
桃はゴリを見て
「あの時の傷はこいつらにやられたの?」と聞くと
ゴリは「十対一は無理!」とキッパリ桃に言った。
桃はふふっと笑い
「怖くなったら俺の後ろで見てろよ!」と鬼に向かって行った。
ゴリは何だとって顔をして「馬鹿言え!やられた日は熱が42℃あったんだよ、、嘘じゃないもん!」と言いながら鬼に向かって言った。
次々に鬼を斬っていく桃。その桃に向かって来る鬼に対してラリアットやバックドロップや喧嘩キックのプロレス技で応戦していくゴリ。
息の合ったコンビにあっという間に鬼達はやられてしまった。
桃は刀を肩に乗せて、髪をかき上げて、
ふぅーっとひと息ついていると、住処の奥から一匹鬼が飛び出し、桃を襲った。
桃は焦る様子も無く「ゴリっ!」と叫んだ!
するとゴリが桃の真横まで来ていた鬼に思いっきりパンチをして「合点承知!!brother!!」とキメ顔で言った。
すると奥からパチパチと拍手の音が聞こえてきた。
続