ねぇちゃん
桃達が天音と合流した頃、ツクヨは[闇足]でアラガの所に飛び跳ねる様に向かっていた。
ツクヨはアラガ隊が居る辺りの立ち昇る煙を見て、頭の中で(あいつ、死んでないだろうな?間に合ってくれればいいが、)と思い急いだ。
一方アラガはグッタリと横たわり、後はトドメを刺されるのを待ってる状態だった。
銀太郎が強化鬼に「どけよっ!邪魔すんじゃねっ!」と斧を振り回すが、強化鬼に弾かれ思う様に進めない。
そしてアラガに敵兵が近付き「もー殴るのも疲れたからそろそろトドメといきますか!」と金棒を振り上げ、アラガの頭目掛けて振り下ろそうとすると、走って来たツクヨの飛び蹴りがドカッと敵兵を吹っ飛ばした。
アラガはツクヨを見るとボロボロと泣き出して「ねぇちゃん、、ねぇちゃん、、何で?」と言った。
ツクヨはアラガを見てニッコリ笑って「まだ生きてたな!良かった!泣き虫で甘ったれの弟を持つと、ねぇちゃんは心配なんだよ!少し休んでな」と言った。
そして敵兵を睨みつけ歩き、頭を掴み「誰の弟泣かしてんだ?!てめぇらぶち殺すぞっ!」と怒りながら叫んだ。
するとツクヨは両手を広げて、手の平から闇の玉を出して「あたしゃ、超攻撃特化だからね、闇に消えたくなかったら死ぬ気で避けろよ!!ぽまいらっ!」と言って[闇玉]を連発で敵兵に投げつけた。
当たってしまった敵兵は「うぎゃー、なんだこれ、力がドンドン抜けていく、、ううっ!」とバタバタと倒れた。
そしてツクヨは笑いながら「ふっはっはっ!闇から目覚めた私を止める物など無いんだよ!」と言ってまた手の平から闇の玉を出し、今度は細長く、まるで槍の様にして「今度のは痛ったいよ〜!」[闇槍]と言って空に投げ、無数の[闇槍]を敵兵に降らした。
すると銀太郎が苦戦してるのを見て「ふむふむ、お次はあのデカブツがお邪魔でござんすな!」と言って強化鬼にスタスタと近付くと、手の平で目を覆い[目隠し]と言った。
強化鬼は目が見えなくなり混乱して、敵味方構わずに暴れ出した。
その姿を見たツクヨは「3日は暗闇で生活する様だね!デカブツ乙!」と言った。
ツクヨが銀太郎に「銀太郎、大丈夫か?」と聞くと銀太郎は不思議そうな顔で「大丈夫だ、どこかであったか?」と聞き返した。
ツクヨは「あぁ、しばらく一緒に居るぞ、姿は違うがな!あははっ!」と言った。
するとアラガが傷付いた体を引きずりツクヨの元まで来て「ねぇちゃん!ありがとう」と言った。
ツクヨはアラガを見て「自己回復ぐらい出来るだろ?早く治しちゃえよ」と言うとアラガは首を傾げて「俺、魔法使えないぞ、、」と言った。
ツクヨは呆れた顔で「んな訳あるかよ!私達はあの親の子供だぞ!お前は水属性だっ!とっととイメージしろ!」と言った。
アラガはツクヨに言われた通りに、頭に水をイメージして両手を広げた。
すると水の玉を両手から出して「ねぇちゃん!出来たよ!何か出たよ!」と大喜びした。
するとツクヨはニコッとして「出来るに決まってるだろ!水に関連する物をイメージして、後は魔力で形作れ!さぁ!一気に城門まで行くぞっ!」と言った。
アラガ部隊は息を吹き返した様に「おぉーーー!」と言って敵兵に突っ込んで行った。
アラガは嬉しそうに手の平から水の玉を出して、[自己回復]をしてから、また手の平から水の玉を出して、大きな槍の形にして[水王の槍]を作り出して、敵兵に突っ込んで行った。
その後姿を見たツクヨは嬉しそうに「まったく世話が焼ける弟だよ!」と言って、銀太郎の尻をパチンと叩き「さぁ、行くぞ!丸出し君!」と言った。
銀太郎は「えっ!?なんでおらが尻丸出しだったの知ってんだ??」と言うとツクヨは「細かい事を気にするな!今は前に進め!行くぞっ!」とツクヨも両手に[闇玉]を作り、走り出した。それを慌ててコアラに乗って追いかける銀太郎だった。
時を同じくして、桃達も敵兵を蹴散らしながら、城門を目指していた。
敵兵を倒しながら、オーニー13世が天音に「さっきは助けに入れなくてすまなかった、、」と言うと天音は笑って「ふふっ!何の問題もない。今こうして助けてくれてるではないか!助太刀感謝する!」と言うとオーニ13世も笑い「感謝か、、俺には勿体無い言葉だ!罪滅ぼしでは無いが、大いに働かないとな、、」と言って[神速]を使い、バサバサと敵兵を斬った。
それを見た天音はニコッと笑い「また頼もしい仲間が増えたな!」と嬉しそうだった。
その後ろを走る桃達は退屈そうに「天音はなんで俺達に戦わせないんだ??俺もドカーンとやりてぇーよ!」と言うと、ゴリが「やべぇーの控えてんだろ?brotherが疲れない様に気ぃー使ってんだ」と言うと不死子が笑って「桃!これじゃ負けても言い訳出来ひんな!敵がむっちゃ強くても、ちびるんやないで!はははっ!」と言った。
桃も笑って「にゃははっ!漏らすかよ!誰が来たってぶった斬ってやるよ!」と言うと、天音が桃達に「さぁ!見えて来たぞ!あれが城門だっ!」と言った。
それを聞いた桃達は凛々しい顔で「おぅ!」と言った。
続