Baby don't cry
大剣を首に当て、天音はボォーッと戦っている兵達を見つめて考えていた。
(あぁ、私のして来た事は間違っていたのだろうか?国を思っての行動は全て間違いだったのか?何千、何万と振ってきたこの剣は間違いだったのだろうか?この反乱自体が間違っていたのか?私が紅に逆らわなければ、兵達は幸せに暮らせて居たのだろうか?幾ら考えてもこの状況を解決出きる方法が見つからない…あぁ疲れたな、、明日になれば、また誰か死ぬのだろ、、そんなのもう見たくないな、もう明日にならなくてもいいか…)と思い目を瞑り、首に当てた大剣に力を込めた。
しかしピクリとも動かない大剣、驚き目を開けて見てみると桃が大剣を血だらけの手で止めていた。
桃が静かな声で「何やってんだ?」と行った後、天音の胸ぐらを掴み「何やってんだよ!!」と叫んだ。
天音は力無く「もう終わりだ、、私が死ねば全て終わる、もう誰も死ぬ所も見たくない、もう私に出来る事も無い、、」と言った後、下唇を噛んで「もう私は明日なんていらない!!」と桃に叫んだ。
桃は静かに「まだ何も終わってねぇーよ、血が流れねぇー戦争なんてねぇーよ!」と言うと天音は荒い口調で「もう見てられないんだっ!昨日まで仲良く話してた奴が、次の日には死んでいる、毎日毎日、もうこんな辛い思いはしたくないんだっ!」と桃に言った。
桃は悲しみ、大声で「なら自分で死のうとするなよ、人生で1番最低の日に死のうとするなよ!!そんな日に死んだら、死んでからも哀しいだろうがっ!どうせ死ぬなら人生最高の日にしろよっ!」と叫んだ!
続けて桃が「大剣、この戦い勝ったら何がしたい?」と聞くと天音は目をウルウルさせて「もう1度、、もう1度浴びるほど仲間と酒が酒が飲みたい!」と大声で言うと桃はニッコリ笑って「飲もう!生きて、飽きるほど飲もう!」と言った。
それを聞き、少し笑った天音だったが、すぐに首を横に振り「ダメだ、もう手がない、きっとアラガの方にも手を回されていて、手も足も出ない状態にされている、、もう我々には打つ手が無いんだ、」とか細く言った。
桃は腕を組んで笑って「にゃははっ!打つ手が無い?? 俺達が居るだろ!!だからもう悲しむな!」と言った。
その笑顔を見て天音は「救ってくれるか? この国を?」と言うと桃は「任せとけ!天音!」と言った。
すると不死子が近寄って来て「話し終わったか?ほな、回復するで!」と言って桃の手と天音を回復し始めた。
天音が不思議そうに「なんでここに敵兵が攻めて来ないんだ?ゴリとツクヨだけでは厳しいだろ?」と聞くと不死子が「ツクヨは弟の面倒見に行ったで!敵兵が来ーへんのは、オーニー13世のおかげや!なんかむっちゃ怒ってたで!だまされたー!って、ほんでゴリと一緒に敵兵を無茶苦茶にしとるわっ!はははっ!」と笑いながら言った。
天音も笑い「ふふふっ!なんだか桃達と居ると死ぬ事すら馬鹿馬鹿しくなるな!私は元々大酒飲みでな、それでもこの戦いが始まってからは1滴も飲んでないんだ、もし本当にこの戦いに勝てたら、お前達には潰れるまで付き合って貰うぞ!」と言った。
桃はニッコリ笑って「あぁ!わかった!」と言い、不死子もニッコリ笑い「ええで!ウチらも沢山飲むでー!」と言った。
そんなやり取りをしている外側では、ゴリとオーニー13世が大暴れしていた。
ゴリが「オーニーちゃん!随分と荒れてんね!」と言うとオーニー13世は「あぁ!ゴリさん、聞いてくれるか?こんなに腹ただしい事は初めてだ!俺はこの国に、鬼と人の共生を夢見て、家族と鬼の島を出て来たんだ!それなのにこの国に着いて蓋を開けてみたら、紅の独裁じゃないか!?極め付けはさっきの反乱軍に対するやり方だ!同族ながら全く腹ただしい!!俺はもう許さん!」と二人で暴れながら話していた。
するとオーニー13世が「にしても数が多いな、このままでは負け戦だ、どれっ!我が一族に伝わる名刀エクスオニバーでも味合わせてやるか!」と言って口を大きく開け手を突っ込み、剣を取り出した。
それを見たゴリは「いやっ!サーカスかい!」とツッコミを入れた。
ゴリはプロレス技や、殴る蹴るでドンドン敵兵を蹴散らし、オーニー13世はバッサバッサと、自慢のエクスオニバーで敵兵を斬っていった。
その勢いに怯えた敵兵は次々と逃げ出し、残ったのは強化鬼1体と少しの怯えた敵兵だった。
ゴリがやろうと前に出て行くと、オーニー13世が「俺にやらせてくれ!手ぶらで天音さんに会うわけに行かないだろ!少し休んでてくれ」と言った。
ゴリはニヤッとして「あんた、とんでもねぇcool menだな!んじゃ、お言葉に甘えて見させて貰うぜ」と言うとオーニー13世はゴリに親指を立てた。
強化鬼と向かい合うオーニー13世は「言葉も忘れるほど改造されちまって、、今俺が楽にしてやるからな」と言って、エクスオニバーをギュッと握った瞬間、物凄いスピードで強化鬼をズバッと斬った。
斬り終わったオーニー13世は「我が一族に伝わる魔法、その名も[神速]!しっかり味わえたか?昔の友達よ!」と言った。
続




