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それぞれの戦い


 [火葬]で燃やされた兵隊を見た天音(あまね)は声にならない叫びを上げた。

(くれない)が天音をグイッと兵隊に近付け「別れの言葉でも聞いてやれ!隊長さんよっ!」と言った。


炎に包まれた兵隊は天音に向かってニッコリ笑い「必ずいい国を、、必ずいい国にしてくだ、、、」と言って倒れていった。


それを見て、力が抜け、へたり込む天音に、紅が「どーした?!終わりか?あーぁ!なんか飽きたな」と言って天音部隊の方へ天音を投げた。


紅があくびをしながら「おいっ!お前達!天音が居なければ問題無いだろ、この部隊を壊滅させろ!あっ!天音は生かしとけよ!俺のおもちゃだからな!はーはっはっ!」と笑いながら城に戻って行った。


投げられた天音の元に、天音部隊の兵隊が集まり「奥に運べ!」「オノゴロの大剣を守れ!」と言って天音を奥に連れて行き、兵隊は「ここでお休みください、我々は前線に戻ります」と言って歩き出した。

天音は前線で戦う兵達を力無く見つめて、静かに大剣を持ち、それを自分の首に当てた。


一方その頃、アラガ部隊も苦戦を強いられていた。


敵兵を薙ぎ倒しながら銀太郎が「アラちゃん!なんだあのどでけぇ化け物は!」と言うとアラガも敵兵を殴りながら「銀ちゃん!俺も見た事無いな、あんな奴!」と言った。


そしてアラガ部隊の道を塞ぐ様に、二体の縦にも横にも大きな鬼が立っていた。

敵兵が「ひっひっ!どーだ!邪鬼(じゃき)様が生み出した強化鬼は、怖いだろ!戦闘鬼10体から生み出されたこの鬼の強さを味わえ!」と言った。

強化鬼は「うぎぎ!ごぎ、ふしゅー」と言葉にならない言葉を発していた。


アラガは切ない顔で「可哀想に…言葉も喋れないか…だが我らの前に立つなら潰すのみ!なぁ!銀ちゃん!」と言うと銀太郎も「あぁ!アラちゃん!」と言ってアラガ軍で一斉にかかって行った。


強化鬼は向かってくるアラガ軍に、金棒を振り回して突っ込んで行った。

銀太郎が「遅いって!」と言って2本の斧で強化鬼の足を狙い転ばすと、飛び上がったアラガが「どりゃー」と顔に蹴りを入れた。


するともう1体の強化鬼が金棒で銀太郎を跳ね飛ばす。その強化鬼目掛け、アラガが攻撃をする。

そんな攻防を繰り返していたが、アラガ達がドンドンと劣勢になってくる。

アラガが(強いな…しかも周りの敵兵が[火玉]まで使ってくる、どうする?!)と考えてると、「アラちゃん!あぶねぇーー!」と声が聞こえたが、強化鬼の金棒でアラガは吹っ飛ばされた。


銀太郎が助けに行こうとするが、敵兵と強化鬼に囲まれて助けに行けなかった。


アラガを囲む敵兵が「はっはっは!反乱軍も今日で終わりだな!天音以外は皆んな始末しちまっていいとの命令だから、お前も始末するな!」と言った。


すると違う敵兵が「おい!俺にやらせろ!こいつには俺の弟をやられてるんだ!たっぷり痛ぶって、泣かせてから始末してやるからな!」とアラガの体に金棒を振るった。


「ぐわぁー!」叫び声を上げるアラガに、敵兵は容赦無い攻撃を浴びせた。

しばらく痛ぶられるとアラガは息を荒くして「フーフー、今に隊長が来てお前達、ぶった斬られるぞ、フーフー」と言うと、敵兵は笑い「あっはははっ!天音の所には紅様が行く予定だ!今頃もうあの世に行ってんじゃないのか?ははっ!」と言うとまたアラガを殴った。


銀太郎も強化鬼との戦闘で動かないでいた。

銀太郎は頭の中で(父ちゃん、俺、村では1番強かったのに、外に出てみたら化け物だらけだよ、くっそーもっと強くてなりてぇよ!)と思いながらアラガの元に行こうと必死だった。


そして少し遡り、走り出した桃達は敵兵の少なさに戸惑っていた。

不死子が「なぁ?!桃、敵兵少なすぎへんか?」と言うと桃も「少ねぇな、これじゃ俺達1番か?」と言ってると、ゴリが敵兵を捕まえて「おいっ!なんでこの通りは兵隊が少ないんだい?正直に言わないと、いーったいパンチお見舞いするよ」と拳を見せながら言った。


敵兵は苦笑いして「へへっ、何でだろうな、俺にもわかんないよ、、」と言った瞬間ゴリはドカッとぶん殴った。

ゴリは「正直に言えって言ったろ!?」と言った。


桃が気付いた様に「大剣だっ!狙いは大剣だっ!行くぞっ!!」と言って天音の方に向かおうとすると、ツクヨが申し訳なさそうに「悪い、ちょっと席外すわ」と言った。


ゴリが「どうした?どこ行くんだ?一人で大丈夫か?」と聞くとツクヨは「弟の面倒、一人で大丈夫だ」と言うと桃はニッコリ笑って「わかった!頼むな!」と言った。

ゴリもニッコリ笑って「気を付けてな!」と手を挙げた。

不死子は「この戦いが終わったら一緒に買い物行こな!ウチと服でも選びっこしよや!」と言った。


ツクヨもニッコリ笑って「あぁ、可愛い服でも買いに行こ、んじゃ、ちょっと行ってきま!」と言って桃達と反対方向に走り出した。



           続





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