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お気に入りのおもちゃ


 人の姿に戻ったツクヨに桃が「ところでツクヨは強いの?」と聞くとツクヨは笑い「ふっふっふっ!ふぁーはっはっ!わたくしメチャクチャ強いですのよ!ふぐっ!わたくしの左目を見るなよ!お前達石化してしまうぞっ!!」と言った。


桃とゴリは驚き「何っ!?ヤバいぞ!」と目をつぶった。

それを見た不死子が二人の頭にチョップして「アホか!?さっきまでガッツリ見とったやないか!」と言うと桃とゴリはホッとした顔で目を開けた。


続けて不死子が「ほんで、ツクヨは真面目に強いん?」と聞くとツクヨは「あぁ!控えめに言っても強過ぎる!あたくし闇魔法の使い手ですからね!」と言った。


不死子は「ほんなら良かった!頼りにしてるで!ツクヨ」と親指を立てた。ツクヨも不死子の方を向いて親指を立てた。


桃がツクヨにニコッと笑い「よかったな!戻れて」と言うとツクヨは「皆んなありがとうな!拾ってくれて、そしてここまで来れると思って無かったよ!桃、ゴリ様、不死子、ほんとありがとう」とお礼を言った。


ゴリが悩ましげな顔で「んーこれで狐に戻らなかったら、もう膝の上に来ないって事か?少し寂しいな、ツクヨを膝の上に置いて新聞を読むのが俺の癒しだったんだが、、」と言うとツクヨは照れながら「うふふ!ゴリ様がもしお望みなら、このままの体でも膝の上に乗りますわよ」と笑って言った。ゴリも照れて笑った。


不死子が「なんだか楽しそうやの!?ほんでゴリ?時間どーなってる?」と聞くとゴリは時計を見て真顔で「うんっ!10分過ぎてる!」と言った。


桃が笑って「にゃははっ!突撃ーー!!」と言って走り出した。それに合わせて三人も着いて行った。


そんなやり取りから少し遡り、(くれない)の部屋に艶火(えんび)が戻って来た。


紅がボロボロの艶火を見て「おーおー!随分とやられて帰って来たもんだな!んっ!お前も死にたいのか?」と聞くと艶火は震えながら「いえっ!死にたくてここに戻って来た訳ではありません!回復出来たら、今度こそあいつを始末して来ます!」と言った。


紅は笑い「ぶっはっ!冗談だよ!本気にするなよ、でも艶火にそれだけの傷を負わせたとなると、あいつら来るな!おいっ!力火(りょくび)!兵をあいつらに向かわせろ!お前達二人は城の中で待機だ!万が一城門を突破されたらお前達で始末しろ!」と言うと紅は歩き出した。


力火が「どちらへ?」と聞くと紅はニヤッとして「おもちゃで遊んで来るよ!あっ、今日、邪鬼(じゃき)様が来る予定だから、俺が居ない時に来たら待たせといてくれ」と言って城を後にした。


その頃、桃達の方で1番最初に動きがあったのは天音の場所だった。


前方から迫ってくる紅軍をバシバシッと斬りながら進む天音軍。

天音が先頭で斬りながら指示を出してドンドンと進軍して行く。

天音が「この調子なら私達が1番に城門に着きそうだな」と進んでいると、物凄い威圧の鬼が立っていた。


その鬼が「久しぶりだな!天音〜!」と言うと天音が怒りに満ちた顔で「紅っっーー!!」と言って斬りかかって行った。


紅は天音の攻撃をスルスルと避けながら「おいおい!久しぶりだってのに、これじゃゆっくり話しも出来ないじゃないか?!んっ?」と言って、天音のお腹に拳をめり込ませた。


「ごはっっ!」と天音が膝をつくと、紅が笑い、馬鹿にした様に「はははっ!お〜い!一発か?」と言うと天音は歯を食いしばり立ち、また斬りかかって行った。


紅は天音の攻撃を避けては殴り、避けては殴り、決して壊れない様に戦った。まるでおもちゃで遊ぶ様に。


息も荒く、ボロボロの天音が紅に髪を掴まれ、何度も顔を殴られた。

天音がボソボソと小さな声で「殺せ…」と言うと紅は吹き出して「ぶっはっ!おいおい!お気に入りのおもちゃ壊すわけないだろ?!お前とはまだ遊ぶつもりなんだから!はーっはっはっ!」と大笑いした。


天音は悔しそうに下唇を噛み耐えていると、紅が「んー?泣かないな!少し飽きて来たな、、そうだ!お前を殴っても泣かないから、周りの奴を始末する事にしよう!」と天音の髪を掴んだまま引きずり天音の兵隊に近付いて行った。


天音は叫び「やめろっ!私をやれば済む話しだろっ!」と言うと紅は「お前は馬鹿だなぁ〜!俺が国王になったら、どの道人間は全員皆殺しなんだよ!あーそうそう!そろそろ終わるからいい事教えてやるよ!お前の大好きなナギもナミもありゃ偽物だ!変化の魔法が使える鬼だよ!」と言った。


続けて紅が天音をグイッと持ち上げ、顔を近付けて馬鹿にした様な顔と口調で「あれもダメ、これもダメ、どうすれば国が良くなるんだ?どうすれば国が救えるんだ?ぶはっっはっ!お前は最後まで生かしておいて、この国の最後を見せてやるからな!その時は最高な絶望の顔を見せてくれよ!はっはっはっ!」と言った。


そして近くに居た天音部隊の兵隊の胸に、真っ直ぐ伸ばした手を突き刺して[火葬]と言ってその兵隊を燃やした。



           続







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