最後の晩餐
皆んなで笑いながら拠点に帰り、不死子が傷付いた兵隊達を治していった。
その間にゴリは食べ物を作り皆んなに食べさせた。
天音が険しい顔で「明日の夜、城に攻めようと思う、皆んなはどう思う?」と聞くとアラガや兵隊達は頷いた。
すると桃がはてな顔で「なんで明日なんだ?飯食ったら、今日行けばいいじゃねーか!」と言うとアラガが「おいおい、準備ってもんがあるだろ」と言うと天音が大笑いして「あはははっ!そーだな!なんで明日なんだろうな?」と言った。
そして天音はキリッとした顔で「全員覚悟は決まってるか?!」と言うと皆んな「おぉーーー!!」と叫び、拳を上げた。
すると天音はニヤッと笑いゴリに「すまない!ゴリさん、食べ物と酒をあるだけ用意して欲しい!」と言うと兵隊達に「さぁ!手が空いてる者はゴリさんの手伝いをしてくれ!そして飲んで食べながら作戦を立て、本日!オノゴロ国奪還に向かう!!」と言った。
次々とテーブルに用意される料理と酒。それを囲む様にワイワイとする兵隊達。まるで最後の晩餐を楽しむ様に大騒ぎしていた。
桃達もご飯を食べてると、天音が来て「ちょっと話しがある、皆んなで少し来れるか?」と言った。
桃はニコッと笑い「あぁ!」と言って、桃達はゴリを呼び天音の後を着いて行った。
少し離れた家に入るとアラガ、銀太郎もそこにいた。
すると天音が「これより作戦会議とする、私の考えを言ってもいいかな?」と言うと全員頷いた。
天音は「では、話させて貰う。まず城に行くまでの道は大きく分けて左、中、右の3本になる。部隊を3つに分け、進みたいと思う。」と言うと桃が「全員で真ん中ドーンじゃダメなのか?」と聞いた。
天音は微笑んで「ふふっ!私もそれが1番安心だと思うのだが、進んで行って囲まれては全滅だ!だから3つのルートを3部隊で進み、城門まで辿り着いたら、遅れてるルートのサポートを頼みたい」と言った。それを聞いた全員はまた頷いた。
続けて天音は「部隊の編成なのだが、我が部隊は今300弱だ!1部隊100人編成にしての3部隊で行きたいと思う」と言うと桃が笑って「にゃははっ!俺達は四人でいいよ!その方が動きやすい!」と言うとゴリ、不死子、ツクヨも頷いた。
そして不死子が手を挙げて「はいはーい!もし大怪我したら呼んでや!ウチが行って治したるから!」と言った。
天音も笑い「ふふっ!頼もしいな!では言葉に甘えて、アラガ、銀太郎の部隊と私の部隊、そして桃達のグループでいいか?」と聞くと桃は両手をグーにしてゴチゴチしながら「おうっ!」と言った。
天音が「では、各自部隊を編成し、部隊を配置、アラガ、銀太郎が左、私が右、桃達が中、日付の変わる十二時に全軍突撃でいいな?」と言うと全員頷いた。
話しが終わり外に出ると綺麗な満月が出ていた。
それを見た天音がポツリと「綺麗だな、また見たい物だな…」と言って歩き出した。
宴も早々に、各々が部隊を編成して持ち場に向かって行った。
真ん中に着いた桃はゴリに「なぁ?ゴリ、なんか食べるの持ってない?腹減ったな!」と言うと不死子も「あぁ、ウチも腹減った!」と言った。
ゴリは頭を掻きながら「まったく、、君達は緊張感が無いねぇー!」と言いながらバックからパンを取り出して二人に渡した。
ゴリはツクヨにも「食べる?」と聞くとツクヨも頷いた。
四人で座って食べてると、ちょうどツクヨのお尻が桃の方を向いた。
桃はイーッとした顔で「飯の時に尻向けるなよ」と左手でツクヨのお尻をグイッと押すと、ドロンっと白い煙が上がり、煙の中から四つん這いの裸の女性が出て来た。
身長170センチぐらい、前髪パッツンの肩ぐらいまでの髪、顔はキツネ顔の可愛い顔をしていて、ケモ耳と尻尾も付いていた。
桃が驚き「お前誰だっ!?」と言うと女性は「はぁ?何言ってんだ?おま」と言うと、女性自分の体を触り「ぷぎゃー!元に戻ってる〜!えっ!なんで?なんで?たまらんのですけど!!」と飛び跳ねた。
不死子がすかさず桃の目を塞ぎ「桃!見たらあかんでー!ゴリ!なんか布待っとるか?この子お胸丸出しやんか!」と言うとゴリは近くにあった布をその女性に渡した。
女性はスルスルと体に布を巻くと「えーえー!わたくしツクヨでござんす!でもなんで人に戻れたんだろ?自分でもわからないな」と首を傾げて言った。
三人は驚き「ツクヨーー!!??」と言った。
ゴリが「これはたまげたな、、ほんとに人だったとは」と言うとツクヨは「ゴリ様!この姿が見せられて光栄ですわ!いつも狐の私ばかりじゃ飽きてきたでしょ!」とはしゃぎながら言った。
不死子が「なんや?桃が触った途端に変身して、ほんでもいつも触ってたよな?桃?」と桃に聞くと「あぁ!触ってたぞ!変身したのは初めてだな、、」と言った。
ツクヨは空を見上げて「今日は月が綺麗ですな、満月の夜と桃の魔力で、何かが起きたのかも知れないですな」と言った。
続




