表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

66/127

よく見る悪夢


 天音はうなされながら夢を見ていた。

そこには太い木の棒に縛られた夫婦の姿があった。

紅が夫婦に向かって笑い「ふははっ!とんでもない娘を持ってしまったものだな!お前達の娘は反乱軍のリーダーだ!この国を脅かすとーっても危険な存在だ!だからそんな娘を育てた罪でお前達を処刑する事にした。何か問題あるか?ふははっ!」と言った。


それを聞いた父親が「なぁ?母さん、今日の晩ご飯はなんだい?」と聞くと母親が「あの子の好きなすき焼きにでもしようかしらね」と言うと父親が「いいね!それにしよう!」と言った。


紅は怒り「お前ら今の状況わかってんのか?!お前らは処刑されて今日終わるんだよ!娘の犯した罪で処刑されるんだよ!さぞ憎たらしいだろ、あの娘が!!」と言った。


夫婦は笑って父親が「憎たらしい?俺達が天音の事を?お前馬鹿か?どんな理由があろうと俺と母さんは天音の事を憎む訳ないだろ!何か理由があって反乱軍のリーダーをやってんだろ!リーダーやってるなんて親として誇らしいよ!」と言うと母親も頷いた。


紅は「子が子なら親も親だな、さっさと処刑して終わりにしよう!剣を持って来い!!」と部下に剣を持って来させた。


父親が母親に手を伸ばし手を繋ぐと、母親が「あらっ?珍しいね!ふふっ!」と笑うと父親も笑い「ふふっ!最後くらい手繋がせろよ!お前と一緒に逝けるなんて俺は幸せ者だよ!」と言うと母親が「あんた、今までありがとうね!」と言うと父親は「こちらこそ!また迎えに行くから、待ってろよ!」と言った。


そして紅が近付いて来ると父親は大きな声で「天音ーー!!お前は間違ってなーーい!!自分の信じた道を進め!!父さんと母さん先に逝って待ってるからな!」と言うとニッコリと笑った。


その瞬間紅の振り下ろした剣が夫婦を襲った。


天音は「父さん!!母さん!!」と飛び起きた。

それを見た桃は「どうした?酷くうなされてたけど?大丈夫か?」と聞くと天音は「あぁ、大丈夫だ、よく見る悪夢だ、起こして悪かったな、顔を洗って来る」と立ち上がり歩き出した。


天音は川で顔を洗いながら「くそっ!くそっ!」と言っていると、桃が後ろからタオルを差し出して「大剣に何があったかは俺にはわからない。でもなんか燃えてきたわ!俺っ!」と言った。


天音は笑い「ふふっ!主人公みたいなセリフだな!」と言うと、桃は悔しそうに「くっ!うるせー、早く寝るぞ!」と寝る場所に帰って行った。


朝日が昇ると、また桃は練習用の剣で訓練を続けた。天音はそれを見守り、指導した。


一方その頃、訓練に行く桃を見送ったゴリ達は久々の休息を満喫していた。


サングラスをかけた三人は、サングラスをかけ両手に紙袋を持って城下町をブラブラしていた。


不死子が露店で売ってる面白おもちゃを見つけて「なんやこのゴリラのおもちゃ!お腹押すと、目飛び出すで!わははっ!なぁ?おもろいな!桃!」と言った。


ゴリは哀れんだ顔で「どうした?お嬢ちゃん!brotherが居ない寂しさでイマジナリー桃でも見えちまったか?」と言った。


不死子は照れ笑いして「ははっ、ずっと一緒におったから、居ないと寂しいな…」と言うとゴリが「すぐ帰ってくるって、のんびり待ってようぜ!brotherが帰る場所は俺達の所なんだから!」と言って不死子の肩をポンッと叩いた。


不死子は「せやな!訓練終わったらどうせ忙しくなるんやから、今の内にのんびりしとくかー!」と言って、お店の人に「すいません!これ1つちょーだい!」と言い、ゴリラの面白おもちゃを買って帰った。


拠点に着くとアラガが「どこ行ってたんだ?!心配したぞ!」と言うと不死子が城下町を指差して「買い物や」と言った。


アラガはビックリした様な顔で「おいおい…自分達が狙われてるって自覚してるか?」と言うとゴリが笑って「はっはっはっ!君は心配性だな!俺達がやられると思ってんのか?それに変装も完璧にしてったから問題無いよ!」と言って、三人でサングラスをクイクイさせた。


それを見たアラガは思った事を口に出そうと思ったが諦めた。

(変装って、いやいや隠すとこ違うだろ、不死子はまずその燃えるような髪を隠せよ、ゴリに至ってはもう柄シャツ着たゴリラだよ、しかも銀狐がサングラスしたら余計目立つだろ!」と思ったが口から出た言葉は「次出かける時は、どこ行くか教えてくれ!」だった。


続けてアラガが「皆んな訓練してるけどどうする?」と兵隊達が筋トレや剣の稽古をしている場所を指差した。


それを見たゴリは「んー、俺はパス!」と言うと不死子も「ウチもパスやな!」と言いツクヨも歩き出した。


ゴリはアラガに「悪いな!今日は俺達、オフだから部屋の中でのんびりさせて貰うよ!」部屋に入って行った。


ゴリは三人分の飲み物を入れロッキンチェアでコーヒーを飲みながら、新聞を読み始めた。



           続






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ