反乱軍リーダーとして
天音の訓練所に着くと早速訓練が始まった。
天音が「桃、この重い練習用の剣を振ってみてくれ!」と言うと桃はブンブンと振って見せた。
天音は顔を歪ませて「ふーむ!これは酷い!体に力が入りすぎている!もっと脱力して、斬る瞬間に力を入れるイメージだ!」と言った。
桃はムキーっとして「全然わからん!手本を見せろ!」と言うと天音は大剣を構え、深呼吸をして大剣を振り回した。
振り回し終わると天音は「こんな感じで手本になるか?」と桃に聞くと、桃は納得した様に「あぁ、手本になった」と言ってまた練習用の剣を握り、剣を振り始めた。
その桃の姿を見て、天音は昔の自分と重ね合わせていた。
少し若い頃の天音が練習用の剣を振っていると後ろから声がした。
「天音、今日も訓練かい?」と言われると天音は振り返り「はい!ナギ国王様。来るべき時が来た時に私の剣が役に立つ様に、日々精進しています!」と言った。
ナギは「ふふっ!頼もしいな!オノゴロ国に攻めてくる敵は天音と戦わないといけないのか?ふふっ!恐ろしいな!」と言うと天音は慌てて「からかわないでください!」と言うとナギは笑い「すまん、すまん!でもあまり無理はするなよ!」と言いその場を後にした。
天音は姿が見えなくなるまで頭を下げた。
そしてまた練習用の剣を振り「100で足りなきゃ1000!1000で足りなきゃ10000だっ!」言い剣を振り続けた。その剣を握る手からは血が垂れていた。
天音が昔を思い出していると桃が「大剣!ちゃんと見てんのか?どうだ?上手くなったか?もう訓練は終わりか?」と言いながらブンブンと練習用の剣を振っている。
天音は真顔で「さっきと変わってない。脱力からの爆発だ!まだ打ち込め!」と言った。
桃はエーッと顔をして「くっそー!まだか!もう強くなった気がすんだけどなぁー!」とまた練習用の剣を振り出した。
天音は笑い「はははっ!そんな簡単に剣を覚えられたら苦労はしない!」と言った。
しばらく練習用の剣を振るう桃が「なぁ?大剣はなんでオノゴロと揉めてんだ?」と聞くと天音は暗い顔をして「そうだな、何故私が反乱軍になったかを桃にも話しとく必要があるな」と言った。
天音が「元々、オノゴロ国は人と鬼が一緒に住めている所だった。ナギ国王とナミ王妃は慈悲深い方でな、傷付いた鬼や、鬼の島から逃げて来た鬼などを受け入れていたんだ。人と鬼の共生はとても上手く行っていた」
「ある日、一匹の鬼がナギ国王とナミ王妃に会いに来た。それが紅だった、紅が来てからは国に鬼が入ってくる頻度が高くなって来て、徐々に鬼の数の方が多くなって行ったんだ」
「その辺りからナギ国王もナミ王妃も言動がおかしくなって行き、次第に紅が国を動かす様になっていった。私はナギ国王とナミ王妃に意見しようとしたんだが、紅に邪魔をされて、反逆の罪で牢屋に入れられた。そこにアラガが助けに来てくれて、反乱軍の出来上がりだ」
「それからは何度も国王と王妃に話しをしたくて、国に行くがいつも戦闘になってしまって、今も話せず仕舞いだ。そして反乱軍リーダーの親と言う事で私の両親も紅に処刑された…ただ、私は国王と王妃に話しを聞きたかっただけなのに…私はなんのために剣を振るうのだろうか…大切な者を守りたいだけなのに」と話した。
桃は剣を振りながら「反乱軍のリーダーも大変だな、早いとこ紅ぶっ倒して王様と話ししないとな!」と言うと天音は顔をグッとして「あぁ!必ず紅は倒す!」と言った。
日が暮れるまで訓練をしていると、天音が「そろそろご飯にするか?と言っても自分で山に入って取って来るんだが」と言うと桃は「やったー!わかった!じゃ、ちょっと行って来まーす!」と山に入って行った。
少し経つと野良豚を掲げて桃が戻ってきた。
桃が「これ焼いて食おう!」と言うと天音はビックリして「一人で仕留めたのか?!」と言うと桃は「あぁ!俺とゴリは山育ちだからな!多分あっちの晩飯も野良豚だろ!にゃははっ!」と笑って言った。
野良豚を焼いて二人で食べてると桃の食べっぷりを見て天音が「桃はいつもそんなに食べるのか?」と聞くと桃は「んっ?あぁ!不死子がいると競争になるからもっと食べるけどな!にゃははっ!」と笑いバクバクと食べた。
食べ終わり桃が大の字に寝転び「大剣、今日は帰らないのか?」と聞くと天音は「あぁ、帰ってもまたここに来る様だからな、桃の訓練が終わるまではここで過ごす」と言うと桃は「そっかぁ、あいつらに会えないのは寂しいな!早く終わらせて帰ろう!」と言った。
天音は「早く終わればいいがな!早く脱力を覚えろ!明日も起きたら訓練だぞ。もう寝るぞ」と言うと桃は「おうっ!早く覚える。おやすみ」と言って二人で眠りに着いた。
眠りに着くと天音が昔の夢を見始めた。
「これより反乱軍リーダー天音の両親の処刑を始める!」と声が聞こえた。
続




