オノゴロの大剣
拠点に着いた桃達は中に入れて貰ってくつろいでいた。
ぐーぎゅるる、ぐーぎゅるる、と腹の虫の音が鳴る桃と不死子。
桃が悔しそうに「くっそー!もう少しで飯が食えたのに」と言うと不死子も悔しそうに「くっそー!飯食ってから助けたらよかったわ」と言った。
ゴリ、ツクヨ、銀太郎は呆れた感じで、出して貰ったコーヒーを飲んでいた。
そんな桃と不死子を見たアラガは「飯食うか?少しなら出せるぞ」と言うと桃と不死子はよだれを垂らして「食うーー!!」と言った。
出された食事をムシャムシャ食べてると、パカパカと馬が帰って来る音がした。
拠点のドアが開くとそこに入って来たのは160センチぐらいでロングヘアー、褐色の肌、美人なサル顔の右腕にクローバーのタトゥーを入れた女兵士だった。
その女兵士をアラガが見ると「天音隊長、お帰りなさい!」と言うと天音は「ただいま!ふふっ!客人はもうご飯を食べてるのか?」と笑うとアラガは「こいつらの腹の虫がうるさくて出しちまったよ!」と言った。
桃達はジロジロと天音を見て、桃が口をモグモグさせながら「さっきメチャクチャでかく見えたんだけど、意外と小せぇーんだな!」と言うと天音は笑い「はははっ!よく言われるよ、馬に乗ってあの大剣を使ってると体まで大きく見られるらしい!ははっ」と言った。
ゴリが天音に「助けてくれてありがとう!ところであんたがオノゴロの大剣か?」と聞くと天音は「そうだ」と頷いた。
ゴリが「そうか」とバックの中をゴソゴソして一枚の手紙を出した。
それを渡しながら「鍛冶屋の鉄から預かった。あんたに会えたら渡して欲しいと」と言った。
天音は手紙を受け取り読み始めると「ふふっ、また鍛冶屋を始めたんだな、鉄さんは…」と言い手紙を読み終えると桃の顔をジーッと見た。
そして天音は「お前達の事を教えて欲しい。少し話してくれるか?」と言った。
桃達は自己紹介とどうやってここまで来たかを話した。
話しを聞き終わると天音とアラガ、周りにいた兵隊は大笑いした。
笑い過ぎて涙を流しながら天音が「ははは!主人公が嫌だ、嫌だ、してるのに陽炎まで倒してるのか?紅3鬼だぞ!赤鬼軍の幹部だぞ!あー可笑しい!」と言った。
桃も笑って「にゃははっ!別に倒したくて倒してる訳じゃねーよ!向かって来るから倒してるだけだ!」と言った。
天音は笑い終わると「陽炎が倒されたなら今が攻め時だな!桃達手を貸してくれ!」と頭を下げた。
桃はキッパリと「嫌だ!」と言った。
天音もキッパリ「うん!私も嫌だ!」と返した。
そして天音はテーブルの食べ物を指差して「この食べ物は数少ない我々の食料だ、これを食べたと言う事は桃達は私の仲間と言う事になる!」と言うと桃と不死子はイーっと顔をした。
それを聞いたゴリが手を叩いて笑い「はははっ!brother!こりゃ断れねーな!城を奪い返さなきゃ、俺達もゆっくりオノゴロ観光も出来ないからな!手ぇ貸そうぜ!」と言った。
桃は嫌な顔をして「うー!飯食っちゃったしな、わかったよ!手ぇー貸すよ!」と天音と握手した。
それを見た銀太郎が天音に緊張しながら「おらっ!銀太郎と言います!オノゴロ国の兵隊さなりたくて田舎から出て来ますた。よろしくお願いします」と頭を下げた。
天音は微笑み「ありがとう!でも今我々は反乱軍と呼ばれる立場だ、君の気持ちは嬉しいが、今の私では、ウンとは言えない。だが城を取り返せた時に、軍団長としてまた話しを聞こう!」と言った。
銀太郎は「はいっ!わかりますた!」と言って椅子に座った。
するとアラガが「なぁ?この銀狐ってツクヨって名前なのか?」と桃達に聞くとゴリが「あぁ、そうだが何か気になるか?」と聞くとアラガは「俺にはねぇちゃんが二人居るんだけど、ツクヨねぇちゃんは小さい頃に行方不明になっちゃったんだよ」と言うとツクヨが落書き帳に「人違い!」と書いてアラガに見せた。
それを見たアラガは「言葉わかるのか?凄いな!そーだよな!違うよな、あぁーあ!ねぇちゃんに会いたいな!」と言った。
天音が桃に「一休みは終わったか?」と聞いた。
桃はンッと顔をして「あぁ!腹も一杯だし、ゆっくりできたぞ!」と返すと、天音はニヤッとして「では剣の訓練に行くぞっ!」と言った。
桃は驚き「えっ!訓練とか嫌だよ!」と言うと天音は手紙を出して「剣を教えてやってくれと鉄さんからのお願いだ!桃は刀を曲げるから、ちゃんと教えてやってくれと書いてあった。私は頼まれるとちゃんとやるタイプの人間でな!」と言った。
続けて「さぁ!少し歩いた所の山に、私の訓練する場所がある!そこでミッチリ基礎を叩き込むぞ!」と言い桃の腕を引っ張った。
桃は「たーすーけーてー!人攫いだ!ゴリ、不死子、ツクヨ!たーすーけーてー!」と大騒ぎしながら連れて行かれた。
不死子が「がんばってなー!」と言うと不死子、ゴリ、ツクヨは手を振って見送った。
桃は「ゴリ!俺の留守中頼んだぞー!」と言って山の中に消えていった。
続




