教わった言葉や文字
九人が歩き出すとジャンジーが桃に
「陽炎は俺が預かるよ。連れて行っても邪魔だろ?」と、言うと
桃は「そーだな!こいつ何時迄も引っ張ってんのも疲れたしな、でも目覚ましたらまた暴れるぞ?」
とジャンジーに言うと、ジャンジーは腰に付けた手錠を陽炎につけた。
桃が不思議そうに「何だそれ?」と、聞くと
ジャンジーは「ははっ!これか?これはジソンが発明した脱力の手錠だ!これを付けられると、何の力も出せなくなる代物だ!」と言った。
ジソンは笑って
「はははっ!私が作ったのは、寝る時に力が入らないようにする快眠サポート発明だぞ!そんな物騒な物は私の発明を改造して誰かが作ったんだろ!」と言った。
続けてジソンは
「いつだって私は、人の暮らしが良くなる物しか作らん!だが、使い方に寄っては人を傷付けるし、戦争の道具にもなる!是非、正しい使い方をして欲しい物だな!」と言った。
そして陽炎をジャンジーに預けると、九人はキャンプトンに向かって歩き出した。
時々残った兵隊が居るが、九人を捕まえようとする者は一人も居なかった。
談笑しながら皆んなで楽しく帰っていると、
ジソンが「私の発明は人の役に立ってるのかな?私の発明によって辛い思いをしてる人はいるのだろうか?」と呟いた。
するとイーが笑って
「ははっ!何言ってんだよ!作りてぇーもん作って何が悪い!どう使うかはそいつ次第だろ?!」と言った。
ジソンはニッコリ笑い
「そーだな!考えてもしょーがないな!いつか命が作れるその日まで発明を続けるか!」と、言うと
イーが「俺達だって…“ジソン製の発明”なんだぜ!
あんたに教わった言葉や文字。それに優しさ!
あんたが居なかったら俺達はどうなってたかわからねぇー、まっ!俺達は人に自慢出来る様な“発明”じゃねーけどな!はははっ!」と笑って言った。
するとジソンはイーをギューっと抱きしめて
「お前達が私の発明なら、私はもうこれ以上の者は作れんな!また、こんな風に抱きしめられる日が来るとはな!自慢の息子達を!」と泣きながら言った。
イーも泣きながら
「うるせぇーよ!背中に鼻水付けんなよ!」と言った。
それを見たモレーが
「へっ!おい!イー、次は俺の順番だぞ!早くおんぶ変われ!」と笑いながら言った。
アイスもスクープも
「じゃ!その次俺!」
「早く変われよ!キャンプトンに着いちまう!」
と、言いながら皆んなでジソンをおんぶした。
それを見た不死子が桃の背中に飛び乗り
「ウチもおんぶしてってーや!」と言って、桃の背中に顔をスリスリした。
桃は「なんだよ!俺だって疲れてんだぞ!」と言いながら不死子をおんぶした。
不死子は笑いながら
「えぇやん、えぇやん!なんかあいつら見てたら、キュンキュンしてもうて!ウチもおんぶして欲しくなってもうたわ!」と言った。
するとツクヨもゴリの前に立ち、抱っこのおねだりをした。
ゴリは笑い、しゃがんでツクヨを肩に乗せて歩き出した。
しばらく歩くとキャンプトンが見えて来た。
皆んなでンーッと背伸びをして
「長ーーい、夜だったな!さぁ!帰ろう」と家に入って行った。
家に入るとゴリがササッとエプロンをして
「さぁ!キッチン借りるわよ!ここの家のキッチン担当は誰かしら!」とゴリママに変身した。
イー達はビックリして桃達を見ると、
桃は「あぁ!いつもの事だ!エプロンするとこうなっちゃうんだよ!にゃははっ!」と笑った。
スクープが手を挙げ
「俺が居る時は大体俺が作る!手伝うよ!」と、言うとゴリママは「お願い!忙しくなるわよ!」と言った。
するとアイスが大きな袋を2つ、キッチンに置くと
「ははっ!金持ちの家から美味そうなの持って来た!これも使ってくれ!」と笑って言った。
次々とテーブルに置かれる、酒と食べ物。
乾杯と、頂きますをしてワイワイと宴が始まった。
桃と不死子の食べっぷりを見てイーが
「やっぱりスッゲー食うな!」と驚くと
桃と不死子は「腹ペコだからな!食わねぇーなら貰うぞ!」と手を伸ばすと「それはウチのやっ!」と取り合い、笑いながら食べた。
イー、モレー、アイスは酒を飲みながらグラスを桃達に見せて「俺達はこっち専門だ!飯は好きなだけ食ってくれ!はははっ!」と言った。
キッチンではスクープが木の枝を咥えて、煙を出しながら料理を作っていく。
ゴリママが「あらっ?!それは何を吸ってるのかしら?」と聞くと、
スクープはンッと顔をして「あぁ?これか?これは毒草の木の枝だっ!毒草より爽快だぜっ!かますかい?」とポッケからゴリに差し出した。
ゴリママはニヤッと笑い「一本貰うかな!」と咥えて煙を出し始めた。
そしてゴリママはスクープに
「それは何を作ってるの?」と、聞くと
スクープは「俺の得意なチキン料理さ!あと俺はこう見えて甘党なんでね、デザートも得意なんだぜ!」とノリノリで料理を作っていく。
ゴリママは笑い「新聞だけじゃなく、料理本も出したら面白そうね!後でレシピ教えて!」と二人で煙をモクモクと出しながら料理を作っていった。
続




