作り物の眩しさ
「さてと、どこから聞いて貰うかな?私の息子達と出会うまでの話しでもさせて貰うかな?」と話しを始めた。
「私には昔、妻が居てな、、子供には恵まれなかったが、二人で楽しく幸せに暮らしていたんだ。
だがそんな幸せな時間も終わりを迎えた。
ネオヨークシティーの裏道を歩いてる時に鬼に襲われて、目の前で妻を失った。」
「それから私はどう歩いてそこまで行ったかは覚えて無いが、ゴミが山のように積まれた場所に着いたんだ。私はそこのゴミで色んな物を作り始めたんだ」
「どんどんと溢れてくるアイデアに、いつしか妻も作れるんではないかと、ひらめきのままに作り続けた。しかし沢山の発明を作ったが、やはり命までは作れなかった」
「何度も街に行っては作った物を売り、そしてまたゴミの山を前に発明を続けた。
作った物の中には、自分でも何に使うのかわからない様な物もあった。
だがきっと100年先には、私の作品は役に立つと自分に言い聞かせて作り続けた。
そしていつか命を作れると信じて」
「私はいつもの様に街に行き、発明を売った帰り道だった。
四人の少年が1枚のガムを4等分して食べてる光景を見て、私は眩しかった。
そして私は思った、きっと未来は彼らの様な若者が作って行くのだと。
彼らの眩しさには私の発明など、作り物の眩しさだと……」
「そして彼等が自分の答えを出すまで、私が見守ろうと決めた。
長い年月を共に過ごして、そして彼等の出した答えを受け止め、私はネオヨークシティーに帰った。
最初はとても受け止められない答えだったがな……」
ここまで話した所で兵隊が口を開き
「受け止められない答えなら何で受け入れた?」と言った。
ジソンはボロボロと下を向き泣き出し
「子供が…子供が一生懸命考えた答えを否定する親がどこにいる?
どんな気持ちで私にあの答えを言ったのか?
どんなに悲しい答えでも、あいつらが…息子達が考えて出した答えなんだよ!うっうっ」と言った。
そしてグシャグシャになった顔をあげて
「あぁ、もういちどこの手で!息子達を抱きしめてやりたかったなぁ!」と辛い声で言った。
すると部屋の扉が開き兵隊長が入って来た。
兵隊長はジソンを見ると、兵隊に笑いながら
「おいおーい!こんなに泣くまで追い込むなんてお前やるな!そろそろ吐きそうか?」と言った。
兵隊は冷静に「はい、もう少し追い込めば全部吐くでしょう。私一人でも大丈夫ですので、皆さんはお休み下さい」と言った。
兵隊長は嬉しそうに
「そうかそうか!よし、お前に任せよう!金庫の開け方がわかったら報告しろ!俺達はまた休んでくる」
と、ジソンと兵隊を残して部屋を出て行った。
全員出て行くのを確認すると、兵隊は小さな声で
「今回動いてるのはイーか?」と、ジソンに聞くと
ジソンはビックリして首を振って
「わからん、だが今このネオヨークシティーで暴れられるのはあの四人以外に考えられん!ところで、なぜイーを知っている?」と言うと兵隊は少し笑った。
兵隊は微笑みながら
「俺も出所はゴミ山でね!部屋の中がまるでケーキ屋の様にゴミの粉で真っ白だったよ。
あなたにもあの四人にも世話になった。
お陰様で職に着き、家庭まで築く事が出来た。
ありがとう!立場上逃す事は出来ないが、あの四人が来るまで出来る限り守らせてもらう!」と言った。
ジソンはニッコリ笑い
「なんだ!息子達の友達か?名前は?」と聞くと
兵隊は笑い「ふふっ!友達と呼んでくれるかどうか?俺の名前はジャンジーだ」と言った。
ジソンはニッコリ笑い
「よろしくな!ジャンジー!危なくなったらお前さんはすぐ逃げるんだぞ」と言った。
続けて、ジソンは窓の外を眺め
「あいつら無茶して危ない事してなきゃいいけどな…」と呟いた。
ジソンがジャンジーと会話をしている頃、桃達はドンドンとネオヨークシティーの中心に近付いて来た。
イー、モレー、アイスが暴れて沢山の兵隊を倒して行く。
イーが倒した兵隊を踏みつけ、銃を頭に突きつけ
「おいっ!早くジソンの場所を言えよ!バンッ!っといくぞ!」と言った。
兵隊は怯えて「知らない、本当に知らないんだ」と震えていた。
イーはスクープに「どうだ?スクープ、見えたか?」と聞くとスクープは辺りを見回して
「いや、、まだだ。見えさえすればすぐに飛べるんだが…」と言った。
それを聞いたイーは
「もっと奥か?よしっ!もっと奥で暴れるか!」と前に進もうとすると一匹の鬼が立っていた。
それに気付いたスクープがイーに向かって「避けろ!イー!!陽炎だっ!!」と叫んだ。
イーがスクープの方を向く瞬間に、陽炎の拳がイーを吹っ飛ばした。
イーは建物の壁に叩きつけられて倒れた。
すると陽炎が冷静な口調で「躾のなってない犬があまり騒ぐな、馬鹿犬共」と言った。
イーが立ち上がり、よろけながら
「ずいぶんとご機嫌な挨拶してくれんじゃないの!?このクソッタレ野郎!今、ぶっ殺してやるよ!」と言うとイーは銃を構えた。
続




