創造物
ネオヨークシティーに歩き出した八人はドンドンとイーを先頭に、ネオヨークシティーに近付いて行った。
景色が華やかになってくると、門が見えてきた。
イーが後ろを振り返り、みんなに「始まるぜ!」
と言って、前を向いて門の方へズンズンと歩いて行った。
すると門番が駆け寄って来て
「おい!ゴミ溜めの連中はこっから先は入れないぞ!」と言うと
何も言わずにモレーが門番の肩を銃でバンッと撃った。
モレーが門番に一言
「ジソンはどこだ?」と聞くと、
銃声を聞いた他の門番が集まって来た。
門番達は慌て怒り
「何のつもりだ!」
「捕まえて牢獄に入れてやる!」
「このっ!ストレイドッグ共がっ!」と殺気だっている。
そんな門番を見てイーは笑い、前に出て
「相変わらずモレーは優しいな!肩撃つなんてよ!俺ならこうしちゃうぜ!」と言って
バンッバンッバンッと銃を門番の太ももに撃った。
イーは足元にうずくまる門番の頭に銃を突きつけ
「ジソンどこだよ?早く言わないと頭ぶち抜くぞ!」と言った。
門番は怯えて
「ひぃーやめろ!撃つな、俺達は何も知らない、ほんとだ、やめてくれ!」と命乞いをした。
するとスクープがイーに近寄り
「こいつらはほんとに知らないだろ、ただの門番に知られる様な話しじゃない、早く街に入ってジソンを見つけよう」とイーに言った。
イーは「そうだな!」と言い
門番に向かって「差別用語使う時は気を付けろよ!俺達は今、非常に機嫌が悪い!死ななかっただけ良かったな!」と言って、またバンッと肩の辺りを撃った。
アイスとモレーで残りの門番を倒して、紐で門番を縛った。
スクープが
「さぁ!中に入ったらひたすら暴れるぞ!騒ぎが起きれば必ず守ろうとして、ジソンがいる所に兵隊が集まる。場所さえ分かれば、俺なら一瞬で飛べる!今はとにかく暴れるぞ!」と言った。
みんな頷きネオヨークシティーの中に入って行った。
銃声を聞きつけ集まる兵隊を皆んなで倒しながら、ドンドンとネオヨークシティーの中心に向かって行く。
イーが「さぁ!灯りに群がる虫ども!死にてぇー奴からドンドン向かって来い!」と言って進んでいく。
アイスは鉄の棒を振り回して戦い、モレーは銃を撃って戦い、スクープは倒れた兵隊にジソンの居場所を聞きながら、辺りを見回していた。
桃は退屈そうに腕を組み
「あぁーあ!これじゃ俺達の出る幕ないなぁ!」と言うと
不死子が桃に
「出る幕なくてえぇわ!こんなめちゃくちゃなの、ウチ出来へんもん!怖い怖い!」と言った。
ゴリは時折り自分達に向かってくる兵隊を殴り倒し、サポートしていた。
次第に大騒ぎになるネオヨークシティー。
その騒ぎが陽炎の耳に入る。
「陽炎様!大変です、ストレイドッグの連中が街で大暴れをして、ジソンを探しています」と一人の兵隊が陽炎に報告に来た。
報告を聞いた陽炎は
「なんでジソンを捕まえたのがわかったんだ?まぁそんな事はどうでもいいか、とりあえずあの野良犬達に躾でもしてやるか!」と言った。
続けて陽炎が他の兵隊に、冷静な口調で
「おい、お前達、俺は犬退治に行ってくる、お前達は引き続きジソンの金庫の扉の番号を吐くように。しっかり拷問しろよ」と言い陽炎は外に出て行った。
残された部屋には20人ほどの兵隊とボロボロにされたジソンの姿があった。
兵隊がジソンをドカッと殴りで
「おい!早く金庫を開ける番号を言え!死ぬぞ!どの道死ぬのだからお前の資産は俺達が使ってやる!おらっ!」とまた殴りながら言った。
ジソンは「なぜ、私が死刑なんだ?!この事をナギ国王やナミ王妃は知っているのか?」と聞くと
兵隊の隊長鬼が
「ぎゃはっはっ!めでたい奴だな!今だに王や王妃が生きてると思ってんのか!おらっ!」とまた殴った。
ジソンは気を失いそうになりながら
「やはりそうだったか!?人と鬼の共生に夢を見た私が馬鹿だったか」と嘆いた。
その後も隊長鬼は何度もジソンを殴り、金庫の開け方を吐かせようとするが、
ジソンは笑い「私の金庫の中身はお前達には使いこなせんよ!ゴホッ、新しい世界の答えのために、私が創造物だからな!」と言った。
隊長鬼は顔をしかめて怒り
「なに訳のわからない事言ってんだ!オラッ!いいからさっさと言え!」と殴るとジソンは気を失った。
隊長鬼が人の兵隊に
「ちっ!やりすぎたか?おいっ!こいつが目を覚ましたら呼べ!俺はあっちで休んでくる」と部屋を出て行った。
ジソンが目を覚ますと、人の兵隊がジソンの見張りをしていた。
ジソンはボロボロの顔を上げて笑い
「へっへっ、お前さんは殴らないのか?」と言うと
兵隊は無言で真っ直ぐ前を見ていた。
ジソンはまた笑い
「ふふっ!お前さんは人か?私と話すと罰せられるか?」と聞いても、兵隊は真っ直ぐ前を向いていた。
ジソンはため息をつき
「ふぅー、ならこの爺さんの独り言にでも付き合って貰うかの」と話し始めた。
続




