顔合わせ
店の外に出た四人は、見事に半壊した建物を見て笑っていた。
ゴリが「さて、こっからどーするかだな?」と言うと桃が
「んっ?宿取って寝て、明日オノゴロ向かおう!」と言うと、不死子が
「あかん!桃に壊されたピストルをジソンに直してもらわな!引き金パカパカやで!」と言った。
そんな会話をしていると物陰から声が聞こえてきた。
「ヒュー!とんだイカレた奴らだな!最高のクソッタレだぜ!」
桃が声のする方を向くと一人の男が立っていた。
身長は178センチぐらいでガタイは大きく、色黒で全身黒い服の坊主頭の男だった。
桃がその男の顔を見て
「にゃはは!ゴリ、お父さん迎えに来たぞ!」
と言うと、ゴリが「んっ?俺の親父??」
と、その男の顔を見ると「お父さん!!」と言った。
そう言われた男は
「違うわっ!!ゴリラ顔だけども」と言いながら
桃達の近くまで歩いて来た。
するとその男が
「俺の名前はアイスボックス!呼び方はアイスで良いぜ!それにしても派手な喧嘩だったな!最高に痺れたぜ!ほんとお前らクソッタレだな」と言った。
四人も自己紹介をすると、アイスが
「今日ここら辺に泊まるのは無理だな!
軍の奴らに見つかっちまう、もしよかったら俺の家に来いよ!
少し汚ねぇけどゆっくり出来るぜ!
お前達みたいなイカレた奴等を、仲間にも紹介したい気分だぜ!」とノリノリで言った。
不死子は
「怪しいなぁ!?人攫いちゃうん?」と言うと
桃が勝手に「んー!楽しそうだし行ってみるか!」と言って
桃はアイスに「んじゃ!今日泊まらして貰うわ!」と手を挙げて言った。
アイスは小踊りをしながら
「OK!OK!そーこなくっちゃ!俺に着いて来な!」と歩き出した。
不死子が頭を押さえて
「もーまた勝手に決めた…」と言うと
ゴリが笑って「ふふっ!お嬢ちゃん、また面白くなりそうだな!」と不死子の肩をポンポンして言った。
四人はアイスの後を着いて行き、華やかな所からドンドンと暗い所に進んで行く。
不死子が怪しんで
「なぁ?ほんまに大丈夫か?ドンドン暗い所に行くで?」と言うと
桃が頭の後ろに手を組んで笑い
「にゃははっ!なんかあっても大丈夫!ぶっ飛ばしてやるから!それより腹が減って死にそうだ」と言った。
アイスは時折りリズム良く踊りながら進み
「イェーイェー!」とご機嫌だ。
しばらく進むと、大きなゴミ山が、何山もある場所に着いた。
アイスは振り返り四人を見て、大きく手を広げて
「ようこそ!我が家へ!」と言った。
不死子が驚き
「ゴミ山やないか?こんな所に家なんか無いやろ!」と言うとアイスは
「ふふっ!まぁ、着いて来なっ!」と言ってまた歩き出した。
ゴミをかき分けながら進むと、捨てられた家のゴミを組み合わせた家が建っていた。
アイスが手招きをして
「さぁ!こっちだ!」と言って家の中に入って行くと、桃達もその後を着いて、家に入って行った。
桃達が家の中に入ると、160センチでモジャモジャ頭に帽子を被り、サングラスをかけたアヒル口の色黒の男と、185センチで坊主頭の全身デニムのセットアップを着た色黒のガタイのいい男が座っていた。
アヒル口の男がアイスに
「よー!どこで拾って来たんだ!その迷子の子猫ちゃん達を!」と言うと
アイスが桃達を紹介して、何があったかを説明した。
すると桃が不思議そうな顔でアヒル口に
「なぁ!もしかしてあんたハードイーか?」と聞くとアヒル口は
「はっはっ!こんな所に俺のファンが居たのかよ!最高にクソッタレじゃねぇーか!いかにも俺がハードイーだ!」と握手を求めて来た。
桃は喜び
「にゃははっ!!やっぱりどっかで聞いた事ある声だと思ったんだよ!最高だよ!あんたのラジオ!」と言って握手すると、イーにグイッと引っ張られ、肩と肩をぶつけた。
ハードイーが「これが俺達流の挨拶な!とりあえず飲めっ!」と瓶に入った酒を勧めてきた。
そしてガタイのいい男も「俺はD.Dモレー、呼び方はモレーで大丈夫だ!よろしくな!」と全員で握手した。
一通り挨拶が終わると、アイスがピザやホットドッグやご飯を持ってきて、テーブルに並べると
「いっぱいあるから好きなだけ食っていいぞ!」
と言った。
ゴリが「こんなにいいのか?」と聞くと
イーが笑って「ははっ!足りなかったら、また“あっち側”の金持ちから奪って来てやるよ!ボンッ!」
と手をピストルの形にして、撃つ振りをして言った。
不死子が
「なぁ?桃、ヤバい奴らなんやないの?ウチ怖いって」と言うと
桃は笑って「にゃははっ!ハードイーだぞ!ヤバい奴に決まってる!」と言って
出された飯をムシャムシャ食べながら
「不死子も食え!うめぇぞ!」とピザを不死子に差し出した。
不死子はピザを受け取りムシャムシャ食べると
「美味いなぁ!ウチ初めて食べたわ!」と喜んだ。
ふたりが食べる光景を見たモレーが
「あのふたり、、すげー食欲だな!半年ぐらい断食してたのか?」とゴリに聞くと
「半年?半日もすればあの食欲だよ!」と、言うと
ゴリとモレーで笑った。
続




