ペット一匹
おじいさんと別れ、三人は山を下り始めた。
山道を下りていると、桃とゴリがふぅーっとため息をついて「敵じゃなくて良かったな?」
と、桃が言うと「あぁ、敵だったらあの強さはヤバかったな、ははっ」と言った。
その話しを聞いて不死子が興味を持って
「なんの話しや?仲間外れにせんといて」と二人に聞いた。
すると二人は
「あのおじいさんだよ!もー気配ビンビンで、時折り周囲に殺気まで放っちゃってたからな!」と言った。
不死子は不思議そうに
「ふーん?そんな強かったんや?あのじいさん。それより桃!ネックレスの[モモのトップ]光っとるで!」とネックレスを指差して言った。
桃がジャラッとネックレスを持ち上げて見ると
「おおー本当だっ!」
と、桃がトップを手に持つと、光が吸い込まれていった。
「んっ??消えちゃった?」
と、桃が言うとゴリが少し笑い
「ふふっ、あのおじいさん、まさか太郎だったのか?」と言った。
その言葉を聞いて三人はぶはぁっと大笑いして
「ないない!!!あんなイカレの酔っ払いが太郎?ないない!でもあの強さ…」
すると桃が「にゃははっ!まっ!太郎だったら、また何処かで会うだろ。ほらっ、もうすぐ森を抜ける。早く行こう」と言った。
不死子は「そやな!気にしてもしゃーないな!はよ行こう!」と言い
ゴリは「俺が1番に抜けちゃうよー!」と走りながら言った。
森を抜け、道を歩いていると不死子が指を指して
「あれだっ!見えてきたでー!もう少しや」と言った。
桃は指さす方を見て
「おぉ、けっこうおっきいんだな!んっ?!村を木の壁で囲っているのか?」と聞いた。
不死子はそれを聞いて
「大きい町や近くに鬼の村があったりすると、危ないから、囲んだりするみたいやな!んー昔来た時は無かったと思うんやけどなぁ?まっ!行ってみようや!」とドンドン村に近付いて行った。
村の入り口に着くと門番が立っていた。
門番が「おいっ!止まれ!」と三人を止めた。
三人止めると門番が
「旅の者か?それともこの村の知り合いに会いに来たのか?」と三人に聞いた。
桃が「あー、俺達は旅の者だ。刀鍛冶がここに居るって聞いて来たんだけど」と門番に言った。
門番は三人をジロジロ見て
「鬼じゃ無さそうだな、入っていいぞ!人間二人とペット一匹どうぞ!」と言った。
桃と不死子はワハハと吹き出して
「にゃはは!ペットだってよ!」
「ゴリちゃん!アカン!笑わせんといて!」
と、ゴリをバンバン叩いた。
ゴリは冷静にそして極めて紳士的に門番に
「三名です!私、むしろ保護者に近い立場ですが!」と伝えた。
喋るゴリを見て門番は
「あっ!喋るんだ!失礼しました!野生のゴリラかと思いました!えへへ、どうぞ」と苦笑いした。
ゴリは「わかってくれればよろしい!」と言い村に入って行った。
桃と不死子は笑いながら村に入って行った。
村に入るとゴリが
「さぁ、鍛冶屋を探そう」と言うと
桃が腕を組んで真剣に
「おいっ!飯屋が先だ!米が食いたい!硬くなったパンはもう嫌だ!」と言った。
不死子も腕を組んで
「ウチもご飯食べてゆっくりしたいわ!」とゴリに言うとゴリは「そーだな!少しゆっくりして、鍛冶屋を探すか?」と言った。
二人は「やったー!!」と手を上げて喜んだ。
三人は村を歩き、一軒のご飯屋を見つけた。
ゴリが「ここにするか?」と聞くと桃は「OK!」
と言って不死子は
「ええで!ここなんか見覚えあるなぁ?」と言いながら、ご飯屋の引き戸を開けた。
中に入ると、女店主が
「いらっしゃい!空いてる所座って!」と言った。
三人は空いてる席に座わった。
女女将が水を持って注文を聞きに来た。
「いらっしゃい!あらっ?見ない顔だね?旅の人かい?」と言いながら水を置いた。
桃が「あぁ!旅の人だ!鍛冶屋を探してここまで来たんだ」と言うと、
女女将が「あら、そうなんだ。でも残念!鍛冶屋はもうかなり前から、休業中よ。一応後で場所教えるわね。あっ!注文決まった?」と言った。
三人は注文をして、料理を待っている時に桃が
「なぁ?休みだってよ!どーする?」と二人に聞くとゴリが「とりあえず行ってみるか?作業場があれば借りて、俺が直すよ」と親指を立てて言った。
不死子はウンウンと頷いた。
続




