眠れない夜
ご飯も食べ終わり、不美とエプロンをしたゴリママは洗い物をして、桃と不死子は布団を準備して、ゴロゴロしていた。
洗い物をしているゴリママが
「今日のお料理美味しかったわー!後でレシピ教えて貰えるかしら?」と不美に言うと
「あらあら、気に入って貰えたのかしら?いいわよ!紙に書いておくわ」と奥様トークで盛り上がっていた。
ゴロゴロしてる不死子が桃に
「なぁ!これから桃はどーするん?どっかに向かうんか?」と桃に聞くと
桃は「んー、どうかな?せっかく山から下りたからな。とりあえずゴリが行きたい所に行ってみるかな?」と言った。
それを聞いた不死子は
「ふーん、そっか!ウチの村におったらえぇのに」と言った。
桃は「そーもいかねぇーよ、俺が居ると鬼が来るんだってよ!薄着の女神が言ってたよ!主人公の宿命だかなんだかでよ。しかも、天下五剣と太郎の想いが、俺を主人公に導いてるんだって!迷惑な話しだよ」
と呆れた感じで言った。
ちょうど洗い物が終わった不美が、その話しを聞いていて桃に
「天下五剣ならここからずーっと先のオノゴロ国にあるってお話しよ、歴史も深いから、行ってみるのもいいかもね」と言った。
桃はやられたって顔をして
「にゃはは!ママさんも許さない系だな」と言った。
それを聞いたゴリは、目を輝かせて
「brother!俺、行ってみたいな!オノゴロ国行ってから、山に帰ろうぜ!」と桃に言うと
桃は「はいはい!言うと思ったよ!ちょっと観光したらすぐ帰るからな!」とゴリに言った。
ゴリは笑顔で「やったー!」と両手を突き上げ喜んだ。
その光景を羨ましそうに眺める不死子が居た。
その不死子を優しそうに見つめる不美も居た。
不美が
「あらあら、そー言えばお洋服作って欲しかったのよね、私は今から作るから、あなた達は疲れたでしょうから早めに寝なさい」と言って
奥の部屋に行き、カタンカタンと音を鳴らして、洋服を作り出した。
桃は大きなあくびをして「ふぁー、んじゃ寝ますか?おやすみ!」と言って布団に横になった。
ゴリと不死子も布団に入って「おやすみ」と言って眠りについた。
眠りにつき、夜も更けてきた時に
桃がムクッと起き上がり、外の星空を眺めていた。
すると後ろから優しい口調で
「あらあら?眠れないのですか?」
と不美の声がした。
桃は不美の方を向いて
「んーなんだか目が覚めちゃって」と言った。
不美は桃の隣に座り
「ふふっ、眠れないなら少しお話ししましょうか?」と桃に言った。桃はコクッと頷いた。
不美は星空を見ながら
「これからオノゴロ国に行くのですね?」と桃に聞くと桃は
「あぁ、多分行く、ゴリが行きたがってるからな、後、集めたく無いけど天下五剣があるなら行くしかないんだろうな…主人公辞めたい…」と言った。
不美は桃の言葉を聞いて微笑み
「あらあら、主人公は嫌なんですね?なら辞めてしまえばいいじゃないですか?」と桃に言った。
桃はエッて顔をして
「辞められるの?主人公って?!」と不美に聞くと
不美は笑いながら
「えぇ、主人公の宿命とか気にしないで、楽しくお友達と冒険すればいいじゃないですか?辿り着く場所が同じなら、ゆっくり楽しく行きなさい!」と桃に言った。
その言葉を聞いて桃は笑い
「にゃははっ!そーだなぁ!こないだ会った金色の熊もそんな事言ってたな!川は何かを知ってるとかなんとか」と言った。
不美は少し驚き
「あらあら、もしかしてポーさんかしら?魔法の国の住人に会えるなんて、やっぱり桃ちゃんは選ばれてるのね」と言った。
桃はベーっと下を出し
「選んで欲しくねぇーわ」と笑いながら言った。
すると不美が
「ねー、桃ちゃん。あの子の事、一緒に連れて行ってくれない。きっと桃ちゃんの旅の助けになると思うの、一緒に冒険出来たら、あの子の夢も叶うし、お願い」と両手を合わせ、お願いポーズで言ってきた。
桃は「夢?!俺は人の夢まで背負うほど、人間出来てねぇーぞ、しかも不死子が行きたいか、わからねぇーし」と言うと
不美は「ふふっ、親だから分かるわ!あの子絶対行きたいはず。明日、あの子がモジモジしてたらお願いね」と言った。
桃は「うーん、わかったよ。でも行きたいって言ったらだぞ!」と言った。
不美は微笑んで「ありがとう!」と言った。
続




