不死鳥親子
鬼の団長を斬り、スタスタと二人の所に戻る桃。
桃が二人の元に着くと、ゴリと不死子が笑いながら親指を立てて桃を迎えた。
桃も笑いながら親指を立てた。
三人で仲良く、村の皆んなの所に戻る時に不死子が
「二人共ありがとなぁ!ほんま助かったわ、感謝、感謝!」と両手を合わせて言った。
桃は頭を掻きながら
「んー、ゴリ?俺達って不死子を村に送るって話しだったんだよね、、なーんで、鬼退治しちゃってんだろ?」とゴリに聞くと、ゴリは口笛を吹いて
「まっ!お嬢ちゃんを村には送れたから、結果オーライでしょ!」と笑って言った。
不死子も
「そやで!これでウチはちゃんと村に着いたんやから!あんま細かい事気にすんなや!もてへんで!」と笑った。
桃は両手を何故?のポーズにして首を振り
「はぁ〜着実に主人公に向かってる気がする、、」とトボトボと歩いた。
三人が村のみんなの所に着くと、不美がみんなの手当てをしていた。
三人が帰って来るのを見ると
「あらあら、もう倒しちゃったのね?私もサポート行こうと思ってたのに」と言った。
それを聞いた不死子は
「サポートならウチ、一人でも充〜分やっ!なぁ?桃とゴリ?」と言った。
桃とゴリはニコリと笑い、グッと親指を立てた。
すると不美が沈む夕日を見て
「二人共、今日はもう日が落ちるから、私の家に泊まっていきなさい。いっぱいご飯作ってあげるから!村の修復は明日また日が昇ってからやりましょう」と言った。
それを聞いた不死子は頷き
「ママのご飯、むっちゃうまいでぇ〜」と言った。
桃とゴリは唾をゴクリと飲み
「お言葉に甘えさせて貰います」と言って
四人で不美の家に向かった。
歩いていると、不美が一軒の家の前で止まり
「さぁ、着いたわよ。遠慮しないで自分の家の様に過ごして」と言い玄関を開けてくれた。
古い民家の様な作りのその家は、まるで建てたばかりの様に綺麗だった。
すると不死子が
「建てたばっかりみたいやろ!ママの回復魔法は、大体の物に効くねん!ウチはまだまだ全然やけどなぁ〜」と説明した。
その話しを聞いて桃とゴリは
「魔法すごいなぁ」と言って
「お邪魔しまーす!」と家の中に入ると不美が
「あらあら、三人共汚れちゃってるわね、ご飯作っておくから、先にお風呂入っちゃいなさい。」
と二人に言った。
それを聞いた不死子は
「お風呂こっちやで!」
と二人をお風呂に案内した。
不美は料理の用意をしながら、お風呂から三人の楽しそうにお風呂に入る声を聞いて思った。
(あらあら、三人で入ってって言ったかしら?あの娘にはもう少し、男女のお勉強をさせとくべきだったかしら?)と複雑な気分で料理を作った。
お風呂から三人が出て来ると、テーブルの上には料理が並んでいた。
お風呂出てきた三人を見て、不美が
「あらあら、パジャマのサイズが合ってよかったわ。ゴリラさんもピッタリね。さぁ!ご飯を食べましょ!」と三人をテーブルに招いた。
四人で「いただきまーす!」
と言ってご飯を食べ始めた。
桃と不死子でご飯を取り合い、ゴリは静かに食べていた。
みんなでワイワイご飯を食べていると桃が
「あのさ、不思議に思ってるんだけど、なんでママさんと不死子は魔法凄いんだ?」と聞くと
不死子が「んっ?だってウチら親子は不死鳥やで!」とサラッと言った。
それを聞いたゴリは、イッと驚き
「山暮らしの俺だって、不死鳥伝説の話しは、村に下りた時に聞いた事あるぜ…まさか本当に居るなんて…」と驚きを隠せないでいた。
桃は驚きもせずに
「そーなの?俺、じぃちゃんにそーいう話し教わって無いから全然わかんねぇーや!にゃはは」
と笑ってご飯を口に運んだ。
すると不美が
「うふふ、伝説だなんて。もー昔々のお話しですよ。ところで桃のおじぃちゃまは何をなされてるの?」
と桃に聞いた。
桃はご飯を食べながら
「んー昔は桃太郎の宿命だとか何かで、鬼と戦ってたみたいだけど、今は小さな村の手伝いをしてるよ。俺には絶対主人公になるなって言って、育ててくれた。」と不美に言った。
それを聞いて不美は少し笑い
「あらあら、おじぃちゃまはやはり桃太郎だったのですね。」と桃に言うと
桃はンッと顔をして「じぃちゃん知ってんの?」と不美に聞き返した。
不美はまた少し笑い「うふふ、お名前だけはね」と言った。
続




