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反撃開始


 不死子ふじこを掴んでた鬼が後ろを振り返ると、

目の前に斬りかかってくる鬼の形相のももの姿が見えた。


次の瞬間ズバッと鬼を斬る音と共に

「俺の仲間に何やってんだ?!」と桃が言った。


鬼は「くぎゃー!」と言って、掴んでた不死子を離してその場に倒れた。


桃が不死子に

「にゃはは!悪りぃ悪りぃ〜!遅くなっちゃった」と言いながら腕の傷を見た。


「その腕?回復出来そうか?」と不死子に聞くと

「助かったわ!ありがと。もう魔力が無いから、すぐに回復は無理やけど治るで!」と桃に笑いながら言った。


桃は不死子にニコッと笑い

「そっか!まっ!後は俺達に任せて村のみんなと待ってろ。すぐぶっ飛ばしてやるから!」と言った。


ゴリもニコッと不死子に笑いかけて、鬼の方を向いて指をポキポキ鳴らしていた。


すると何処からか声が聞こえてきた。


「あらあら?私が留守にしたら村が大変な事になってるじゃないの?」


その方向をみんな向くと一人の女の人が立っていた。

年齢は四十代でTシャツにジーパンのムチムチした燃えるような髪の女の人だった。


すると不死子が「ママっ!」と叫んだ。

ママはその声を聞いて、不死子に向かって走り出し

「あらあら、帰ってたのね?ママ心配しちゃったわよ。良かった!無事で」と不死子を抱きしめた。


不死子は照れながら

「あかん!恥ずかしいって!ママこそ、どこまで探し行ってたん?!」と聞くと

ママは「あらあら、恥ずかしがっちゃって、あなたを探してる途中で美味しそうな山菜があったから、ついつい遅くなっちゃった!」とペロッと舌を出した。


そして村のみんなに

「あらあら、みんな傷だらけ。ごめんね、私が居なかったばっかりに」と言って両手に光の球を作り出した。


それを村のみんなに

「いたいのいたいのとんでいけ!」とふりかけた。

すると、みるみると村人の怪我は治っていった。


そしてママは不死子の怪我も見て

「あらあら、不死子も怪我してるのね?いたいのいたいのとんでいけ!」と不死子の手の怪我も治した。


不死子は「ありがと、ママ」と言ってママに抱きついた。


ママは桃とゴリを見て

「あなた達は怪我は無い?」と聞くと

二人は親指を立てて

「こっちは問題無い!」と言った。


ママは二人にニッコリ笑い、不死子に

「あらあら、随分と素敵な友達が出来たのね。村のみんなは私に任せて、お友達と遊んでらっしゃい」と不死子に言った。


不死子は悔しそうな顔で

「ウチも桃達の手伝いしたいねんけど、もう魔力がないねん…」とママに言うと

「あらっ?少しずつ回復してるはずよ、お友達のあの黒いシャツの子、特殊な力を待ってるから!」と返した。


不死子は自分の魔力を確かめるように体に力を入れた。すると不死子の体がフワッと光った。


「ほんまや!少しだけどもう回復しとるわ!これならいける!」と喜んだ。


ママはニッコリ笑い

「あらあら、喜んじゃって!」と言って

不死子のお尻をパンッと叩いて

「頑張って行ってらっしゃい!」と言った。


不死子は「うんっ!行ってくる!」と言って

桃とゴリが居る場所に行った。


ママはその後ろ姿を見て

「あらあら、大きくなったわね。そしてこの巡り合わせもまた運命なのかしらね…」と三人を見ながら言った。


ママが三人を見ていると後ろから

不美ふみさん…すまなかった、不死子ちゃんが危うく連れて行かれる所だった…くっ、ほんとすまない、約束を守れないところだった」とおっちゃんが不美に言った。


不美はおっちゃんに向かってニコッとして

「ごめんなさいね、私が娘可愛さに、村を出て行ってしまって、約束を守れないのは私の方ですよ。私の力はこの村のために使うなんて言って、危うくみんなを失う所でした」と言い頭を下げた。


それを聞いてた村のみんなは

「頭なんか下げねぇでくれ!子供が居なくなったら、心配しない親なんかどこにもいねぇ、俺たちだって心配だった。良かったよ。不死子ちゃんが見つかって!」と口々に言った。


その言葉を聞いて、不美は村のみんなにまた頭を下げた。

そして桃とゴリと不死子に向かって

「さぁ!三人共!村のみんなの心配はいらないわ!反撃開始よ!」と手を振りながら言った。


三人は不美と村人に拳を突き出して笑った。



            続


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