前提万里(ぜんていばんり)
朝日が昇り、三人は目を覚ました。
口々に「おはよー!」と言い、用意を始めた。
ゴリが作ってくれたリヤカーに
ドンドンと荷物を乗せていく。
荷物が積み終わり、桃とゴリはしっかりと着替えてきた。
それを見た不死子は笑いながら
「いやっ!服持ってたんかい!ウチはてっきり、豚革腰布マンと裸ゴリラやと思ってたわ!」と言った。
二人は「服ぐらい待ってるよっ!これ一着しかないけど、、」と照れ臭そうに言った。
桃が頭を掻きながら
「あぁー!なんか始まっちゃいそうだな〜!なぁお前ら、なるべく揉め事に首突っ込むの、ナシルールだからな!」と言った。
それを聞いてゴリが
「まっ!何も無ければ送って、帰って来れる訳だから、深く考えてもしょうがない!何も無ければね、、」とニヤリとした。
不死子はそんなやり取りを聞いて
「ほらー!ママが心配するから早よ行くで!」と言った。
二人は「おうっ!」と返事をし、
桃が「あっ!ゴリ、リヤカー担当ね!」と言うと
ゴリは「でしょうね!」と返した。
桃とゴリは住処の玄関の前に立ち、
頭を下げて「行ってきます!」と言って歩き始めた。
三人は楽しく山道を下りて行く。
これから先、長い旅路になる事を薄々感じながらも、楽しく下りて行く。明るい未来を夢見て。
山を下りてると桃が
「なぁ?不死子の村って遠いの?」と聞くと
不死子は「んー必死に逃げてたからよーわからんな?!まっ!曲がらないで真っ直ぐ逃げたから、真っ直ぐ行ったら着くわ!GOGO!」と笑いながら言った。
それを聞いた桃は笑って
「にゃははっ!そっか!真っ直ぐ行ったら着くなら、真っ直ぐ進もう!」と言った。
そんなやり取りを聞いていたゴリは
「気楽な人達だね!まっ!のんびりと行きますか!」とカラカラとリヤカーを引きながら歩いた。
しばらく歩くと、日が沈んできた。
するとゴリが
「今日はここら辺で野宿だな!道が見えなくなると迷うからな!」と二人に言った。
桃は「OK!」と手慣れた様子でどんどんと野宿の用意をしていく。
不死子が「なんか手伝う事あるかぁ?」と聞くと
桃が「大丈夫。すぐ用意出来るからテキトーに待ってな!」と言った。
アッという間に、桃とゴリで野宿の準備が完了した。
三人でご飯を食べてると不死子が
「多分明日には着くと思うんやけどな?ここら辺、
なーんか見覚えある様な気がすんねん!」と言った。
するとゴリが頷き
「もう少しで山道を抜けると思うから多分、お嬢ちゃんも、ちゃんと思い出すだろ!」と言った。
桃が嬉しそうに
「そー言えば俺、ゴリに連れてって貰った町と自分の村しか見たことねぇーや!うぅー、ちょっと楽しみになってきたな。早く寝よ」と言った。
そんな桃を見て不死子が
「ウチの村も小さい村や!あんまり楽しい事もないでぇ!」と言った。
みんながご飯を食べ終わるのを確認するとゴリが火を消した。
そして「brother!不死子!おやすみ」と言った。
桃も「おう!おやすみ」とゴロンと横になった。
すると不死子が
「ちょっ!ちょっ!ちょい待ちぃ!こんな山の中でみんなで寝て、鬼きたらどーすんねん?!見張とかは?」と二人に言った。
桃とゴリは顔を見合わせて
「見張りなんかいらねぇよ!鬼が来たらぶっ飛ばすだけよ!」と桃が言うとゴリはウンウンと頷いた。
続けて桃が
「まっ!鬼来たら俺達がぶっ飛ばしてやるから早く寝ろ!」と不死子に言った。
不死子は信じらんないって顔をして
「あぁーウチ心配で寝れへんわ!」と言い横になった。
5分もしないで「ずーぴーずーぴー!」と
不死子のイビキが聞こえて来た。
桃は不死子を指差して、ゴリに笑いながら
「にゃはは!これどういう事?もう寝てるよ」
と言うとゴリは
「ふふっ!疲れてるんだろ?そっとしといてやれ」と言ってふたりは眠りに着いた。
そして朝日が昇り、不死子が目覚めると
二人共、もう起きて、出発の準備をしていた。
起きた不死子に気付いた二人が
「おはよー!準備出来たら出発するぞ!」と
不死子に声をかけた。
不死子は
「ふわっ!うち寝てた?もう朝かい!」と言って準備を始めた。
三人が出発して、しばらく歩くとやっと山道を抜け出した。
三人はうぅーんと、太陽に背伸びをして、体を伸ばした。
そして不死子が、辺りを見回して、指を指し
「ウチの村あっちやで!早よ行こや!」と歩き始めた。
続




