燃えるような髪色
ポー達と出会った次の日の朝。
桃は歌を歌いながら洗濯をして、ゴリは朝ご飯を作っていた。
「見える物全部見さしてくれ!聞ける物全部聞かしてくれ!っと」桃は上機嫌で洗濯物を干していく。
ゴリママは鼻歌を歌い、フライパンを振るって何かをひっくり返して
「brother!そろそろ焼き終わるから、お庭にお皿とテーブル用意しといてちょーだい!」と言った。
桃は「わかった!」と言い、用意して席で待っていた。
するとゴリママがやってきて、
目の前の皿にパンケーキを置くと
「今日はポーさんからハチミツを貰ったからパンケーキよ!」と言った。
桃は目をキラキラさせて「うんまそーだなぁ!」と喜んでる。
二人で席に着いて、いただきますをしようとしたら何やら声が聞こえてきた。
二人は耳を澄ましてよーく聞いてみると
「たーすーけーてー!誰かー!たーすーけーてー!」
二人は声のする方を向くと女の子がドタドタと走ってくる。
見た目、年は17、18ぐらいで身長は154センチぐらいだった。
遠くからでもよくわかる、燃えるような髪の色が特徴的だ。
ドタドタと走り、桃達のすぐ側まで来て、
「ちょっと!ウチの事助けてくれへん!鬼にめっちゃ追われてんねん!」と桃達に言った。
桃とゴリは、真顔でじーっと見てるだけだった。
すると追いかけて来た鬼達も追いつき
「もー逃がさねぇぜ!痛い思いしたくないだろ?!さっさと俺達に着いて来いよ!」と息巻いている。
「んっ?!」と一匹の鬼が桃達に目をやり
「てめぇら!何見てんだ!!仲間か?邪魔するならやっちまうぞ!?」と凄んでくる。
桃は真顔で左右に手を振り
「いいえ!全くの無関係です。僕達の事はほっといてください」と言った。
それを聞いた燃える様な髪の女の子は驚いて
「ガビーン!助けてくれないんかい?!」と言いまた桃達の周りをグルグルと逃げ回った。
何度も周りをグルグルされてるうちに
桃の怒りが沸点に達し「お前ら、うるせー!」と言い、一匹の鬼の脇腹にパンチをめり込ませた。
殴られた鬼は「ほぐぅぁー!」と言い、脇腹を押さえてその場にしゃがみ込んだ。
すると他の二匹の鬼が
「なんだ!なんだ!やっぱり仲間なんだな?!おっしゃ!お前らからやってやるよ!と金棒を振り回して、二人を威嚇する。
運悪く、その金棒が二人の食卓に当たり、楽しみにしていたパンケーキがひっくり返ってしまった。
その瞬間、桃とゴリは顔をグワっとさせ、
同時に飛び上がり「食べ物は粗末にしてはいけません!!」と言って鬼達をぶん殴った。
殴られた鬼達は地面にめり込み、桃とゴリは
「礼儀のなってない奴等だぜ!」と怒りモードだった。
そして桃は三匹を正座させて、
何発もビンタをしながら「何やったかわかってんの?舐めてんの?」とお説教していた。鬼達は怯えグスグス泣いていた。
すると燃えるような髪の女の子が
「あ…ありがと!ウチ、不死子、助かったわ!」と言い頭を下げた。
桃は不死子の方を向いて
「別に助けた訳じゃねーよ。本当はやかましいお前も同罪だからな!そこで待っとけ!」と指差して言った。
そしてまた鬼の方を向いて
「なんで追いかけてたんだ?こんな山奥まで?」と鬼に聞いた。
鬼達は顔をパンパンに腫らしてビクビクしながら
「その女、魔法が使えるんですよ。しかも希少な回復魔法を。その女を鬼の島に連れて行けば、かなりの報奨金が出るから捕まえようと思いまして、、」と震えながら言った。
桃は呆れた感じで
「はぁ〜、くっだらねぇー、まっ今回はこれぐらいで勘弁してやるけど、またここでやったらもっと痛い目に合わすからな!ほらっ!帰れ!」と鬼達の尻に蹴りを入れた。
鬼達はそのまま走って逃げて、ある程度離れた所から「ばーか!紅様に報告してやるからなー、おぼえとけよー!」と捨て台詞を吐いて、また走り出した。
桃は鬼達が逃げた方を向いて
「馬鹿がっ!二度とくんなっ!」と言ってから
不死子の方を向いた。
続




