オノゴロを舐めるなよ!
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知鬼と防鬼がそれぞれ前線にたどり着くと鬼達に指示を出し始めた。
知鬼が「ジリジリとすり潰すように攻めて行きな!!」と、言うと反対側では防鬼が
「ゆっくりでいい!確実に橋に追い込んで行けっ!!」と言った。
ジリジリと迫る鬼の軍団に、桃とゴリは、
中央に走り出して、暴れ出した。
中央を削れば、左右から押し潰してくる。
左、右を削れば、また反対から押し潰してくる。
桃とゴリは、どんどんとビックブリッジの方へ押し戻されて行った。
ゴリが
「おいっ、brother!昨日と違って押し戻されるぞ、、」と、言うと
桃が「わーってるって!今、どう勝つか考え中だよ!」と返すと
ゴリが「うそつけっ!!」とツッコンだ。
するとノスフェラが前線まで来て
「このままじゃ、まずいです。いずれ鬼の波に飲み込まれます、、一旦、橋まで引いて、みんなで橋で迎え討ちましょう」と言い、ふたりを後ろに下げた。
すると桃達の動きを見た知鬼が
「ふふっ、浅はかだね〜、私たちの目的は、“オノゴロ突入”だよ」と呟くと、
大きな声で「全軍突撃!!一気に橋を落とせっっ!!」と叫んだ。
するとそれに反応するように、防鬼も
「突撃だーー!進めーー!!」と叫んだ
未開の地と橋の間での攻防は続いた。
桃とゴリの攻撃を躱した鬼達が、どんどんと橋に流れこんでくる、、
それをノスフェラとツクヨが、また攻撃する。
みんなが倒した鬼を、うま子は後ろ足で、ジュジュはホウキで大地の裂け目に落とす。
だが圧倒的な鬼の軍団に桃達は押され始めた、、
不死子が
「あかんて、、このままじゃ突破されるでっ!!」と
桃とゴリに向かって叫ぶ。
桃とゴリはイラつきながら
「俺達、がんばってますっって!!」
とふたり同時に叫んだ。
するジュジュが慌てながら
「うっ、、うわっ!後ろからも何か来ますよ、、う、、うまっ!」と言うと、
桃が後ろから来る“それ”を見るとニヤッと笑った。
桃達が戦闘を始める前の夜、天音の軍はビックブリッジのすぐ近くまで来ていた。
アラガが軍の後ろを確認すると、天音に
「隊長、後ろがかなり離れちまってる、、ここらで少し休憩を入れよう」と言った。
天音は後ろを振り返り、少しため息をつくと
「ふぅ、そうだな、ビックブリッジはもう少しだ、、ここまで来て、赤鬼軍が来てないなら、橋で迎え討てるだろう、よし休憩だっ!」と言った。
天音達が休憩していると、オーニー13世が出した、偵察隊が戻ってきた。
偵察隊が天音の前に立ち、
「ご報告です!現在何者かがビックブリッジで戦闘を開始している模様です」と言うと
天音が
「んっ?!赤鬼がビックブリッジに到着してる?それでいったい誰が戦ってるんだ?!」と言った。
偵察隊は
「上下黒い服を着て、刀がピンク色に光る男、ゴリラ、燃えるような髪色、そして」
と言った所で、
天音が「もう“大丈夫”だっ!!」と立ち上がり言った。
ビックリする偵察隊に向かって、
天音は「報告ありがとう」と言うと、
アラガと銀太郎に
「先に行ってもいいか、、?」と尋ねた。
アラガは「あぁ、こっちは心配いらないよ。
部隊をまとめてすぐ追いかける」
と言うと、銀太郎も頷いた。
天音は「総隊長なのにすまない」と言うと、
大剣を手に持ち白馬に跨った。
そして「早馬、300は私について来い!!」と言うと
ニヤリと笑い「飛ばすぞ」と言って馬を走らせた。
白馬に乗った天音を先頭に、早馬、300の即席の部隊でビックブリッジに向かい出した。
走りながら天音は心の中で、、
(なぜ、、なぜここにいるんだ?
もう、太古の森へむかったんじゃないのか?
なぜ、そこで戦っていてくれているんだ、、?
今すぐ行く!!待ってろ、、桃!!)
そして天音がビックブリッジに到着し、桃達を見つけると大きな声で
「桃ーーーーーー!!」と叫んだ。
桃はニヤリと笑い
「天音ーーーー〜!!」と叫んだ。
ゴリや不死子達が振り返ると、天音の部隊は橋を渡りながら「すまない!遅くなった!一度ならず二度までも、、」と言うと
桃達みんなが「助かったーー!!オノゴロ万歳!!」と涙ながらに喜んだ。
天音はそれを見て、んっ、となったが、すぐ微笑んで
「道を開けてくれ!!私が突っ込む!!」と、言うと
大剣をギュッと握り、桃達の横を通り過ぎると、鬼の軍団に突っ込み、左右に大剣を振り回して鬼の軍団を押し返した。
それを見た知鬼は
「あーぁ、やっぱ罠か、、ずいぶんと簡単だなって思ったのに、、このままいけるわけないってことね、、」と呟いた。
知鬼は大声で
「陣形は崩さず、一旦引きな!!波を起こすよ!!」と叫んだ。
鬼の軍が少し引いたのを見ると、天音は桃達の元へ戻った。
桃が天音に
「にゃははっ!助かったよ!天音〜、今回はちょっとあせったわ!にゃははっっ!」と笑って言った。
天音は「んっ?助かったのは私達の方だぞ、、このビックブリッジを突破されていたら、我々、オノゴロ国は大ダメージを受けていたところだ、、」と言った。
桃達と天音はお互いの目的を話すと、笑いながら
「では、我々は目的は違えど、敵は一緒と言うことだな、、」と言うと、桃が「あぁ!!そうだな!」と言った。
そんな桃を、天音がキラキラした目で見ていると、その間に、ムスッとした不死子がドカドカと割って入り
「いや、いやねっ!えぇんよ、感動の再開、
めっちゃ素敵やん!感動するやん!!
でもな、でも、あかんことがいっこだけあんねん!
そのキラキラの目はアカンや〜ん!!
ビックリするわっ!ゾッとしたわ〜〜」と言った。
キョトンとする桃と天音、、
それを遠目で見ていた、ゴリとツクヨ、、
「甘酸っぱいね、、ゴリ様、、」とツクヨが言うと
「あぁ、なんかこう胸の奥がキューンとしちゃうね」とゴリがツクヨに返し、微笑んだ。
そんなやり取りをしていると、鬼の軍が動き始めた。
天音が「もう少しで本隊が到着する、そしたら桃達は一旦下がって休んでくれ。我々が必ず食い止める」と言った。
桃が「にゃははっ!天音、、本隊来たら飯ある??お菓子ばっかで、俺米食いたい!」と言うと
天音が「あぁ!腹一杯食えるほどあるぞっ!」と微笑んだ。
そして天音が先頭に立ち、
「前方は私の軍に任せろ!!たかだか扇の陣でオノゴロを落とせると思っているのなら、私達もずいぶんと舐められたものだな、、大方、この後は波を起こして、緩急をつけ攻めて来るつもりだろ、、?
あんまり“オノゴロを舐めるなよ!!”」と言うと、
天音は大剣を握り白馬を走らせ、鬼の軍に突っ込んで行った。
続




