可愛いだけでエエやんな
アイリスが桃やゴリを見て、お腹を押さえながら大笑いしていると、アイリスの側にツクヨが近寄って来た。
ツクヨがアイリスに「あの〜、1つ聞きたいんだけど、あたしの事、、人間に戻せたりする??もしくはあの薬で戻れたりする??」と聞くとアイリスは笑い涙を指で拭いながら「えっ?!」と言って、ツクヨをじっくり見た。
アイリスはツクヨをよく見終わると、笑顔で「無理だわ!!とっても複雑な魔法をかけられてるわね、、解除するにも、私じゃ長い年月が必要ね、、これだけの魔法じゃ、きっとかけた本人でも解除は大変だと思うわ。それにしても、、体に凄いの入ってるわね、、貴女、、」と言った。
ツクヨはガッカリして「そっか、、やっぱり無理か、、しかも終わりにサラッと変な事言うし、、あたしに入ってる凄いのって何ー!!」と言った。
アイリスは笑って「何ってのは分からないけど、凄いのだけは分かるわ!でも、これだけの封印魔法がかけられてれば、心配する事は無いわ。出て来れないでしょうから」と言った。
アイリスは続けて「そちらのホウキの女の子も同じ人に封印魔法かけられたのかしら?」とジュジュを見て言った。
ジュジュは、口一杯に頬張ったお菓子をゴクンと飲み込むと、自分に指を指して「えっ!?わたひですか??」と驚いた。
アイリスは頷くと「えぇ、だって封印魔法の仕組みがそっくり。魔法陣が複雑に、何重にも入り組んでいて、天才としか言いようが無いわ、、それか変態ね!うふふ」と言った。
ジュジュは「私にも魔法がかけられてたのは、知らなかったです。おばちゃまは私の何を封印してるんだろう、、、?」と言うと、アイリスは考え「んー、、、私にもそこまでは分からないわ、、力になれなくてごめんなさいね」と言った。
そんな話しを桃とゴリが席に着き、紅茶を啜って、お菓子をつまみながら真剣に聞いていると、不死子が「おっ、なんや!喧嘩終わったんか?」と言うと桃が笑って「にゃはは!おう!飽きた!」と言った。
すると不死子はゴリをジーッと見て「ゴリ、、鼻に何か詰まってんで、、」と言うとゴリは顔をンッとして、片方の鼻を押さえ、鼻をフンッとやると、喧嘩の最中に桃に詰められたピーナッツが、テーブルにコロンと落ちた。
ゴリは落ちたピーナッツをつまむと、口に放り込みモグモグと食べた。
何事も無かった様に、またアイリスとツクヨの会話を聞いていると、不死子がテーブルを両手でバンっと叩き、怒った顔で「おいっ!ゴリ!今何食ったんや!!?」と言った。
ゴリはキョトンとした顔で「えっ、、ピーナッツだけど、、」と言うと不死子は「ちゃうちゃう!今アンタが食ぅたんわ鼻くそやっ!何やっとんねん!!信じられへんわっ!」と声を荒げた。
ゴリはまだキョトンとした顔で「いやいや、、ピーナッツだけど、俺は鼻くそ食わないよ」と否定すると
不死子は食い気味に「いーやっ!鼻くそやっ!分からんやっちゃなっ!ほんならな、説明したるわ!えぇか!!お尻の穴に間違えてピーナッツ入るやろ?ほんで、おならするやん、ピーナッツ出るやん、アンタそれ食ぅんか?」とゴリに言った。
ゴリはンーっと考えて、手と首を左右に振って笑い「はははっ!無い無い!それはうんちだろっ!」と言うと不死子は「そやろっ!ほんなら鼻から出たら、それはもう鼻くそやんっ!」と言った。
するとゴリは首を傾げて「ちょっと何言ってるか分かんないんですけど、、」と言うと不死子はまた声を荒げて「何でやねん!分かるやん!てか、分かれやっ!」と言った。
するとゴリは「そんな大きな声出すなよ、大声出さなきゃ可愛いんだから、、」と言うと、不死子は「あぁん?可愛い?ウチ可愛いんか?」と言った。
ゴリは不死子と目も合わせずに「あぁ、可愛いよ。可愛いだけだけどな、、」と死んだ目で言った。
不死子は嬉しそうに「えぇやん!素敵やん!可愛いだけでも、えぇやん!」と言うと、桃に向かって「なぁ!桃ちゃん!可愛いだけでエエやんな!」と興奮気味に聞いた。
桃は2人の会話を聞いて無く、急に話しを振られたので「んっ?あぁ!そうだな!」と空返事をして、またアイリスとツクヨの会話を聞き始めた。
それを聞いた不死子はホクホク顔で「えぇやん!えぇやん!」と喜ぶと、真顔に戻り「ゴリ!もう鼻から出たピーナッツ食うなや!約束やで!」と言うと、ゴリは心無い返事で「ふぁ〜い」と返事をした。
アイリスとツクヨの話しが大体終わると、桃が「なぁ!ハンマー、あの悪い鬼は何でここを襲いに来てたんだ!」と聞いた。
アイリスは桃の方を見て「ここには私達の王様、カッピー王が出逢い、集めた宝物全ての物者の夢と希望と想いがしまってあるのです。多分それを狙って来たのでしょう。でも上手く行かずに、何故か私のベットから、抜け毛を沢山集めて、袋に詰めてニヤニヤしてましたけど、、」と言った。
それを聞いた不死子、ツクヨ、ジュジュは顔を合わせ嫌な顔をして3人同時に「きっしょ!」と言った。
続けてアイリスは手をパンと叩き「そうだ!カッピー王の宝物見て行きます?貴方達の旅の、何かのきっかけになるかも知れませんし?キラキラして綺麗ですよ」と言った。
桃達はうんっと頷くと、歩き出すアイリスに着いて行った。
しばらく城の中を、ワイワイと皆んなで笑いながら歩くと、大きな綺麗な扉の前に着いた。
アイリスが「さぁ!着きましたわよ」と言うと、ブワッとアイリスの下から風が吹き、アイリスが光出し、手の平を上に向けると、大きな鍵が出現し、それを扉に挿して、ガチャンと回すと、扉がゆっくりと開いた。
続




