お茶会
鬼龍を倒したアイリスが皆んなに飴を配り舐めさせると、嘘の様に皆んなの疲れが取れていった。
そしてアイリスが痛みに苦しんでる桃に近寄ると、不死子が涙目で「なぁ、桃死んじゃうんか?ウチの回復全然効かへん、どーしたらえぇんや?」と言うとアイリスは微笑み「うふふ!この状態なら大丈夫ですわよ、回復もしっかりと効いてますし、私のお城に着く頃には痛みも引いてくる事でしょ!」と言った。
そしてアイリスはハンマーに両足を乗せて乗ると「さぁ!皆様、戦いは終わりです!私かハンマーに掴まって下さい。お城まで飛びますわよ!」と微笑んだ。
一気にアイリスの城まで辿り着くとアイリスが「ビンセ、チャシャ、お茶の準備をお願い」と言うとビンセとチャシャは「分かりました」と急いでお茶会の準備を始めた。
散らかった城の中をアイリスが手を光らせ、テーブルや椅子を用意していく。
一通り片付くとアイリスは「さぁ!皆様!ようこそ私のお城に!椅子に座ってゆっくりして下さいな」とニコニコしながら言った。
するとゴリにおんぶされて、不死子に回復をしてもらいながら寝ていた桃が「んっ、、んっ、何だ?ゴワゴワすんな、、ゴリ、パーマかけたのか?」と寝ぼけながら言うとゴリは「あぁ、イメチェン。てかbrother?痛み引いたのか?」と言った。
ちゃんと目が覚めた桃は、驚いた様に飛び起き「おいっ!皆んな!あの龍どうした!?」と慌てて言った。
復活した桃を見て、不死子がホッとした様に笑うと、ジェスチャー付きで「桃が寝てるうちにな、あの龍千年経ったんや、、骨がこう、サラサラ〜って!風に吹かれて、ほなさいなら〜って感じやったで」と言うと桃は「んっ?何だそれ??」とハテナ顔で言った。
その反応に皆んな笑うと、桃は皆んなを見回し「にゃははっ!まぁ何でもいいや!皆んな無事だったなら!にゃははっ!!」と笑った。
皆んなで笑っていると、ビンセとチャシャが忙しそうにテーブルにお茶会の準備をしていく。
アイリスが微笑みながら「ビンセ、そう言えば、とっておきのケーキがありましたわね?あれも出しちゃって下さいな」と言った。
ビンセはニコッとして、紳士的に頭を下げて「かしこまりました」と言った。
しばらくするとビンセが「皆さまお待たせ致しました。用意が出来ましたので、お席に着いて下さい」と言った。
桃達が席に着くと、ビンセが紅茶を入れ、チャシャがお菓子やケーキ用意し、アイリスが華やかな花や装飾品でテーブルを彩り、皆んなの前に並べた。
置かれたお菓子を桃が手を伸ばし「うまそー!」と言って、すぐ食べようとすると、不死子が手をペシッと叩き「桃ちゃん、あかんでぇ〜」と笑いながら言った。
全員に配り終わり、ビンセとチャシャもアイリスの横に座るとアイリスが「では!楽しいお茶会を始めましょう!遠慮なくどんどんおかわりして下さいね」と言うと、桃達は「頂きます!」と言って、お茶会が始まった。
カラフルなお菓子やケーキを皆んなで食べながら「うまい!」「美味しい〜」「この紅茶はとても良いですね」など話しながらお茶会は進んで行った。
しばらくすると桃がアイリスに「なぁ、ハンマー?どうやったらあの薬飲んだ時みたいに強くなれんだ??」と聞いた。
アイリスは飲んでいた紅茶のカップを、カチャっと置くと「そうですね、、、あの薬は眠っている力を、先に借りる感じなのですよね、、ですから反動が大きいのです。結局紋章を目覚めさせない限りは、あの力は常に出せませんわ」と言った。
桃はんーっとした顔で「んじゃ、、この紋章はどうやって目覚めさせるんだ??」と左手をグイッと前に出して言った。
アイリスは「紋章の目覚めはきっかけと経験です。貴方だけではなく、ゴリラさんも不死子さんも同じですわ」と言った。
桃はあんまり分かってない顔で、左手の紋章を眺めながら「きっかけねぇ、、、」と言うとゴリの方を見てニヤ〜っとして「きっとゴリのきっかけは、小便漏らすほどビビり散らかしてから目覚めんだろな!シャバ
いから!にゃははっ!!」と薄ら笑いながら言った。
それを言われたゴリは、おでこの辺りをピキピキと動かして「あぁん!誰がシャバだって!!お前さんだってさっきまで不死子に、痛い痛い!助けてー!ってないてたじゃねぇーか!」と言うと、桃の股間を指差して
「お前さん?本当は漏らしてんじゃねぇーか!?」と桃を煽った。
言われた桃は眉をピキッと動かして「漏らしてねぇーよ!あの痛みは俺だから耐えられたんだよ!お前じゃ涙流しながら、ママーって叫んで死んでたね!」と言うと、ゴリは鼻で笑い「ふんっ!俺なら痛いって言わないね!強いから!涙目で痛い痛いはシャバでしょ!!はははっ!」と笑って言った。
すると桃がゴリに飛び掛かり、後ろに回り込み鼻に指を突っ込み上に持ち上げると、笑いながら「にゃはっ!この野郎ーー!!やるんだな!!」と言うとゴリは恥ずかしそうに、顔を隠し抵抗しながら「やめろっ!!鼻メドを広げるなっっ!暴力反対だっ!!こんな顔、、見せられないっっっ!!」と2人で大騒ぎした。
そんなドタバタの中、アイリスが静かに「いつもこんな感じなのかしら??」と聞くと、不死子が冷静に「あぁ、いつもこんな感じやで、今日はちょっとかかっちゃってテンション高めやけど、この2人はいつも大体こんな感じやわ」と答えた。
それを聞いたアイリスは、ゴリの顔をチラッと見ると口を手で押さえて「じゃぁ、、ぷっ、、笑ってもよろしい??」と聞くと不死子はニコッとして「あぁ、好きなだけ笑ったってやって!その方が2人も喜ぶやんな!」と言った瞬間、アイリスは「ぶっぁはははっ!本当ひどい顔!!あーおかしい!!こんなに笑ったの久しぶりだわ!あはははっ!」と我慢してた笑いが爆発し、涙を流しながら、大きな口を開け大笑いした。
続
真っ白な砂糖の砂浜を走り、メロンソーダの海に飛び込む。
疲れたらチョコレートの島でひと休みして、飴細工で出来たヤシの木に登り、景色を眺める。
日が沈んだら家に帰り、真っ暗な空に光る、色とりどりの飴玉を眺め、眠くなったら、甘いメープルシロップの匂いがするパンケーキの布団で眠る。
世界中がそんな毎日なら、僕の知らない場所で降り続く、鉄の雨も止むのかなぁ。
と寝る前に考えてしまう夜があります。
Pv6000!読んでくれてありがとうございます。
皆んなの明日が今日よりも幸せでありますように。
おやすみ。




