千年経過
鬼龍の攻撃がギリギリ届かない場所まで下がった皆んな。
不死子が、痛がり何度も気絶しそうになる桃に[回復]をかけるが「なんやっ!全然回復せぇへんっ!どーしたらいいんやっ!」と慌ててると、ゴリが「お嬢ちゃんが慌てたら治るもんも治んねー!brotherはこんなもんじゃ死なねぇから心配すんな。俺達で何とかするから、brotherの側にいてやってくれ」と不死子の頭をポンとした。
ゴリ、ノスフェラ、ツクヨが鬼龍の見える所に並ぶとゴリが「さてと、、どーしたもんかね、brotherと不死子抜きでどこまでやれるか、、」と呟くとツクヨがゴリに「このまま逃げ切れるかな?」と言うとゴリは顔をパンパンと叩き、ニコッとツクヨに笑いかけ「そうだな、この状況、アイツをどう倒すかより、どう逃げるかが先決だな!」と言った。
鬼龍は辺り構わず[炎弾]を放ち、尻尾を振り回しながら暴れている。
すると鬼龍がギロッとゴリ達を見ると、その瞬間ゴリ達に向かって[炎弾]を放ってきた。
ゴリが「チッ!気付かれたか!!」と言うと、ツクヨがすかさず口から特大の[闇弾]を放ち相殺すると、「あーだるっ!この体じゃ、こんな特大のそう何発も打てないよ!」と言った。
ゴリが「ここに居たらbrother達に当たっちまうな!あの魔法使いが来るまで散らばるか?」と言うとノスフェラが顎に手を当て「本当にあの魔法使いが倒せるのでしょうか、、?もし倒し切れなければ、、全滅ですよ」と言った。
するとその話しを聞いていた、ビンセとチャシャも集まりビンセがニコニコしながら「その点は問題ないです!アイリス様の究極魔法が当たって、消えない物は無いですから!!今はあの鬼龍を皆んなで撹乱しましょ!」と言うと鬼龍に石をぶつけ「おーいっ!こっちだっ!!」と叫んだ。
鬼龍はビンセ目掛けて[炎弾]を放つと、反対側からチャシャが石を投げ「おいっ!!次はこっちだぞ!」と叫んだ。
ゴリはニコニコして「鬼ごっこの始まりだな!!捕まりゃ死ぬかもな!さぁ!誰も捕まるなよ!」と言うと3人は走り出した。
鬼龍を撹乱する様に皆んなで走って、飛び回り、ジュジュもホウキに乗って空を飛び回り、うま子も走り回り鬼龍の攻撃を避けながらその時を待った。
ゴリが木に登り、辺りを見回し「誰も捕まって無いな、、それにしてもこの龍やり過ぎだろ、、地形が変わるぞ」と呟いた。
鬼龍は狂った様に[炎弾]を吐き、尻尾を振り回し、足をドンドンと踏み鳴らし暴れ回った。
皆んなで鬼龍の気を引きながら逃げ回っていると、ツクヨが木の根に足を取られて躓くと、そこに[炎弾]が向かってきた。
ツクヨは避けられないと分かると、口を大きく開け[闇弾]を放とうとすると、ボスンと音と共に煙が出ただけだった。
ツクヨは「あちゃー!私が1抜けかい、、」と呟き、目を瞑るとドーンと音が鳴り、目を開けるとゴリが目の前に手を広げて立っていた。
ツクヨが「ゴリ様!!」と言うとゴリは鬼龍を指差して「ふぅー!丁度パーマかけようと思ってたんだ、、手間省いてありがとな!」と言って倒れ込んだ。
ツクヨが「下手打ってごめん!死なないで!」とゴリの側に慌てながら近づいた。
そこに追い討ちをかける様に鬼龍が[炎弾]を放つと、周りの皆んなは焦り、ノスフェラが歯を食いしばって「くっ!間に合わないか!」と言って、助けに向かおうとした。
[炎弾]はゴウゴウと物凄い勢いでゴリ達の元に向かって行く。
ツクヨがゴリを起こして逃げようとするが、ゴリの大きな体は持ち上がらず慌てていると、ゴリがクルッと体を横にして、ツクヨを胸元に抱き抱えると「あははっ!ちーっと熱いかもな?!少し我慢してくれよ!」言ってツクヨに笑いかけた。
すると何処から声がして「よく耐えましたね!えらい!えらい!後は私に任せて下さいな」と言うと向かって来る[炎弾]の前に立ち、「カモーン」と言って構えると、持っているハンマーをフルスイングして「カッキーーーン!!」と言って[炎弾]を鬼龍に打ち返した。
ツクヨがそーっと覗くと、そこには飴を咥えながらアイリスが立っていた。
アイリスがゴリの方に近寄り、舐めていた飴をゴリの口に突っ込むと「うふふ、元気が出る飴、これ舐めて、キツネちゃんと後ろに下がってなさい」と言った。
そして戦ってた皆んなに「さぁ!皆さんもご苦労様でした。もう大丈夫ですよ!後ろに下がって休んでて下さいな」と言った。
それを聞いたビンセとチャシャは目を輝かせ「アイリス様〜」と言った。
チラッと桃達の方に目をやると「あの薬はもう少し改良が必要ね、、それとも、、あの子のまだ眠ってる力が大きすぎたのかしら、、」と呟いた。
すると跳ね返された[炎弾]に直撃した鬼龍が怒り、目をバキバキにしてアイリス目掛けて突っ込んで来た。
アイリスは慌てる様子もなく、光っている大きな本を空間から出すと「うふふ!随分と私の世界で暴れてくれましたね!でも、もう終わりですわ!」と言った。
アイリスが光っている大きな本に触れると、光はアイリスに吸収され、アイリスが光輝いた。
アイリスは向かって来る鬼龍に向かってスタスタと歩いて行き、鬼龍の攻撃を躱しながら足元まで辿り着くと、そっと鬼龍に手を触れ[千年経過]を放った。
動きが止まる鬼龍を見て、アイリスはクルッと振り返り、皆んな所に歩き出す。
アイリスの攻撃を受けた鬼龍は、大きな叫び声を上げながら皮膚が剥がれ、肉が崩れ落ちるが、邪鬼の強化魔法で何度も再生してしまう。
アイリスが皆んな所に辿り着く頃、鬼龍は骨だけになってしまった。
皆んなが驚き、口をあんぐりとしてるとアイリスが「うふふ!どれだけ強くても、誰も時間の流れには勝てませんわね」と言った。
そして何処から風が吹くと、鬼龍の骨はサラサラと砂の様に飛ばされて行った。
続




