いい話し、悪い話し
桃達はバッタに乗り、笑いながら不死子達を探し、不死子達はリーダー鬼の案内でアイリスの城を目指していた。
その頃アイリスの城では、邪鬼の声が響いていた。
メルヘンチックに彩られた城で、両手両足を縛られた肩ぐらいの青い髪で、ボロボロの黒いメイド服を着た女の子に向かって、邪鬼が「早くあの宝物庫の扉を開けんか、開けるまでワシらは帰らんぞ」と言った。
アイリスは首をプンッと横に曲げて「嫌ですわ!私はここを任されてるのです!だからどんな酷い目に合っても、ここを守らないといけないのです!たとえ命を奪われたとしても!!」と言った。
邪鬼はイライラしながら「はぁ〜面倒臭いの!そこにお前達が何かを隠してる事はもーわかってるんじゃ!さっさとそこを開けろ!!」と近くに合った可愛いコップを床に叩きつけた。
アイリスは口を膨らませて「あーー!!そのコップ気に入ってたのに!このバカ鬼!!早く帰れ!」と言った。
すると邪鬼の元に一人の鬼が息を切らして入って来て「邪鬼様!邪鬼様ーー!」と言った。
邪鬼はその鬼をジロリと見て「なんじゃ!騒々しいの!」と言うと、その鬼は「侵入者です!第1部隊が襲われ全滅です!」と報告した。
それを聞いたアイリスは微笑み「ふふっ、よくやったわ、ビンセ!」と呟いた。
邪鬼はアイリスをグッ睨み、報告した鬼に笑いかけ「なぁ、お前今全滅って言ったな、、お前がまだ生きてんじゃないか??んっ?」と言うと、その鬼は慌てて「いやっ、、私は何とか、侵入者の隙をついて邪鬼様に報告しようと、、」と言った。
邪鬼はニタァ〜っと笑うと「そうかそうか!それはご苦労じゃったな!そんなお前にとっておきの褒美をやろう!」と言うと、手に持っていた注射器を、その鬼の首にプスッと打った。
注射器を打たれた鬼は苦しそうに「ぐーっ!何をするんですか!」と言うと、邪鬼は笑い「ふぁっ!ふぁ!狂鬼化、出来る薬じゃよ!これでお前は死ぬまで戦えるぞ!さぁ!報告が済んだなら、侵入者を始末して来い!ふぁふぁ!」と言った。
注射器を打たれた鬼は、身体中を震わせ、歯を牙のように尖らせ、涎を垂らし、目を血走らせながら「ぐぉーーー!!」と言って外に走って行った。
それを見ていたアイリスは呆れた感じで「ほんと!あなた達って野蛮ね!少しは素敵な話しとかになる様な事したらどうなの??」と言うと、邪鬼は笑って「ふぁふぁ!素敵な話し?!ワシらがお前ら達に関わる時は、いい話しも悪い話しも、お前らにとっちゃ悪い話しなんよ!」と言った。
続けて邪鬼はアイリスの胸ぐらを掴んで「お嬢ちゃんを消しちゃうと、そこの扉が開かねぇから、生かしといてやってるだけだからな!」と言ってアイリスを壁に投げつけた。
邪鬼はクルッと振り返り、近くに居た鬼に「少し遊んでくるからの!殺さないように遊んでやってくれや!まっ、、魔法の力であいつの体には傷1つ付かねーんだろうけどよ、、」と言って、手をパタパタ振りながら、外に向かって歩き出した。
一方その頃、桃とゴリは巨大バッタに乗って、ゲラゲラ笑いながらピョンピョンとしていた。
運転のゴリが縄を手に持ちながら、バッタをコントロールして「どうだい!brother!上手いもんだろ!」と得意げに言った。
ゴリの後ろで桃は、あぐらをかきながら笑い「にゃははっ!あぁ!上手いな!」と言って、そして周りを見渡して「それにしてもあいつら何処行ったんだ!迷子にも程があるぞ!」と言った。
ゴリは笑って「ぶはっはっ!brother!たぶん合流したら怒られるのは俺達だぞ!」と言った。
そんな笑い話をしながら、二人でピョンピョンと森を駆けている時、いきなり閃光の様な斬撃で襲って来る者が来た。
桃とゴリが瞬時に斬撃をかわすと、その斬撃はバッタの縄を切って、バッタはピョンピョンと飛び逃げ、桃とゴリは地面に着地した。
地面に着いた桃が「この野郎〜!せっかく気持ち良く飛んでたのに!!」と怒ると、ゴリが「あぁ〜!やっとバッタの扱いに慣れてきたってのに!!お仕置きだな!」と言った。
桃とゴリがその者を睨みつけると、そこにはブーツを履き、紳士的な服を着て、ハットを被り、サーベルを持った黄色の太った猫が居た。
太った猫は桃とゴリに「この世界の生き物を乗り物にするとは片腹痛し!!成敗してくれるわ!!」とサーベルを突き付けた。
桃とゴリは顔を見合わせ、ニヤッと笑うと、二人同時に「後悔すんなよ!!猫!!」と言うとファイティングポーズをとって構えた。
桃とゴリが駆け出そうとグッと力を入れ、太った猫に向かって走り出そうとすると、何処からか大きな声で「ちょいとお待ちーー!!シャチャと争うの、ちょいとお待ちーー!!」と兎が飛び出して来て、太った猫と桃達の間に入って来た。
桃はその兎を見ると「あーー!!居たっ!!こんの泥棒兎が!!刀返せっ!!」と言うと兎は慌てて「えぇ!!返しますとも!貴方達をここに連れて来るのが私の役目でしたから!!」と言った。
ンッとしてキョトンとする桃達。するとチャシャはサーベルを納めて「では、この者達が我らのアイリスを救う強き者達なのだな。ビンセ殿!」と言うと、ビンセはコクリと頷いた。
続




