異世界でロールプレイングしてみるお金のしくみ
異世界でシミレーションする、おカネってなに!?…国債ってなに??
ここまで、説明ばかりだったので、いっかい、頭のやわらかーくするために、異世界ストーリーでシミレーションしてみましょう!
イキナリですが、あなたは異世界で英雄となり、迷える人々を導いて、新しい国をつくりました!
それまで、不完全ながら、おカネはありましだか、国王のあなたは、自国の通貨を発行することにしました…
もちろん、あなたの似顔絵入りです。
あなたはおカネを発行して、街の人々やお店に使わせます。
もちろん、そのおカネで、税金も納めてもらうように、法律を決めます。
こうして、おカネは、あなたの国中で、安心して使われるように広まっていきました…
さて、この場合、もちろん、国王のあなたにとって、つくったおカネは『負債』ですね?
国の人々には『資産』になりますね?
国王のあなたは、おカネをつくったぶんだけ、『純負債』となっていきます。
反対に、国の人々には、あなたがおカネをつくって街で使うたびに、どんどんつかえるおカネの量が増えていきますね?
つまり、『おカネは負債と資産の記録』であることと、『国王のあなたの負債は国民の資産になっている』ことが一目瞭然かと思います。
現実の日本では、国王=政府は、直接、おカネをつくってはいけないことになっています。
だから、国債=『政府紙幣』という制度と、日本銀行という中央銀行制度があるんですね。
それでは、あなたの国で、国債と中央銀行制度をいれて、シミレーションしてみましょう…
あなたは、通貨を発行するため、町でいちばん大きな銀行を「国王中央銀行」として、あなたの管理下におさめました。
そして、「通貨の発行は、国王ではなく、中央銀行がやること」…と法律を制定しました。
また、「中央銀行の通貨の発行は、国債を引き取って、その金額分だけ発行すること」…としました。
さて、いよいよ、おカネの発行です…
まず、国王のあなたは、1億ベリーの国債を発行します。
それを街の小さな銀行に売り出します。
しかし、このとき、街の銀行は、払えるおカネがありませんので、とりあえず、国債の代金は払わないで、受け取るだけにします。
街の銀行は、受け取った、国王の国債を、中央銀行に売ります。
売ったかわりに、中央銀行から、街の銀行は、当座預金(内部貨幣)という銀行同士が決済するおカネを手に入れます。
つまり、街の銀行が、中央銀行に、国王の借用証書である国債を差し入れて、『信用創造』で、おカネが発行されたんですね。
(ここから、やり取りが複雑になるので、面倒な方は読み飛ばしちゃってください…)
銀行は信用創造された当座預金で、国王のあなたに、国債の代金1億ベリーを払います。
あなたは当座預金を手に入れて、それを原資にして、1億ベリーの小切手を発行します…
その小切手を、街のお店で支払い代金として1億ベリー使いますね。
受け取ったお店は、小切手のままでは使えないので、銀行にいきます。
銀行はその小切手=借用証書で、信用創造し、1億ベリーの銀行預金というおカネを発行します。
さて、小切手を受け取った銀行は、今度は、その小切手を中央銀行にもっていきます。
銀行は小切手の代金として、かわりに、国王の口座から、1億ベリーの当座預金をもらいます…
さて、ここまでで、いったい、国のおカネはどうなったのでしょうか?
みんなの資産と負債をみてみましょう…
資産 負債
街のお店 預金1億 ━
銀行 当座預金1億 預金1億
中央銀行 国債 当座預金1億
国王 ━ 国債
そう、つまり、国王のあなたが、国債1億ベリーを発行することで、1億ベリーの当座預金と、1億ベリーの銀行預金というおカネが生まれたんですね!
ここで、ポイントは、国王のあなたが純負債であることです…でも、それは当たり前のことですね。
だって、誰かが負債をつくらないと、おカネはこの世界に生まれないからです!
これが、いまの日本でも、日々、起きていることなんです。
なんとなく、政府の国債が借金ではなくておカネを作り出していること、それが国民の資産であることはイメージついたかと思います。
それでは、つぎは、また現実の日本に戻り、この仕組みを明らかにしていきましょう。